平成29年版高齢社会白書によると、10年前、7人に1人だった65歳以上の認知症の数は、2025年になると5人に1人となると推計されています。こうした中、注目されているのが「認知症カフェ」です。 認知症カフェは、認知症の方やその家族など誰でも参加することが…
知っておきたい「65歳の壁」 障がいのある方が65歳を迎えると、介護保険の申請を求められます。これは、障害者総合支援法から介護保険法に移行するための手続きです。一体何が変わるのでしょう。各地では、これまで受けていた障害福祉サービスが受けられなく…
高齢者の医療保険制度における、給付と負担は決められています。たとえば、70歳から74歳までの加入者が負担する一部負担金は、原則2割です。しかし、現役並みに稼いでいる方は、療養の給付に要した費用の3割を負担します。今回は、高齢者の医療費について…
病気などで食事制限の必要な利用者さんは少なくありません。 たとえば、高血圧の塩分制限は1食2g未満、1日6g未満が推奨されています。また、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方は豆類を食べるとよいとされています。 この記事では、知っておきたい食事介助…
高齢者に多くみられる病気にパーキンソン病があります。パーキンソン病の歩行の特徴には、すくみ足、突進歩行、小刻み歩行などがあります。歩幅が狭く、方向転換や振り返りなどバランスをとることが難しく、歩き始めると止まらないことがあります。 パーキン…
重度訪問介護(以下、重訪)は、障がい状態の重い方を自宅で支援するサービスです。 たとえば、ある筋ジストロフィーの方は、食事の際に茶碗4分の1ぐらいの量を、2時間ほどかけて食べます。障がいのため口も大きく開けないし、飲み込みもスムーズに行えま…
認知症への関心が高まる中、注目されているのが「認知症サポーター」と呼ばれる人たちです。認知症の正しい知識を学び、地域に暮らす認知症の人やそのご家族に対して手助けをします。今回は、認知症サポーターの役割や資格について解説します。 認知症サポー…
関節リウマチは多くの関節に炎症が起こる病気です。関節の症状と関節以外の症状の2種類があります。女性は男性の4倍多く、40歳から60歳代での発症が多いです。最近では高齢で発症する方も増えています。今回は関節リウマチの症状や補装具、日常生活で気をつ…
介護には知っておくと便利な言葉がいくつもあります。そのひとつが「脱健着患」です。脱健着患は「だっけんちゃっかん」と読みます。 脱健着患とは、病気や麻痺をしている方に洋服を着せるときは「患側側」からが良く、脱がすときは「健側から」にしましょう…
ふたつの失語症の特徴 言葉をうまく操ることができなくなることを「失語」といいます。失語症のタイプは「感覚性失語」と「運動性失語」のふたつがあります。 どの部分が障害されるかで症状の出方が分かります。運動性失語では相手のいうことは理解できるも…
発達障害。その特性には、他人とのやりとりが苦手、コミュニケーションがとれない、極端な人見知りなどがあります。また初対面の人に「その服、変」などストレートにいう……いわゆる空気が読めないのも特徴です。 IQの高い、勉強ができる系のコミュ障でみられ…
現在、日本女性の平均寿命は87.26歳ですが、30年前の平均寿命をご存知でしょうか。 答えは、80歳。なんと30年間で日本女性の寿命は7年ものびたのです。このままいけば、30年後の平均寿命は94歳になるかもしれません。 人間五十年と吟じた織田信長も、さぞ驚…
日本の障がいの歴史には偏見や差別から生まれた闇もあります。そのひとつが「私宅監置」です。私宅監置とは、精神病やそうだと疑われる人を自宅の一室や敷地内の小屋に閉じ込めておく仕組みです。 かって日本では精神医療も十分に発達しておらず、多くの障が…
介護ではケアマネ(ケアマネジャー)という仕事が知られていますが、障害の分野にも同じような存在がいます。それが「相談支援専門員」です。相談支援専門員は障害児・者のコーディネーター的な存在です。 相談支援専門員は利用者や家族の意向を聞き、自立し…
介護業界には老舗企業も多いです。そのひとつが「ツクイ」です。全国にデイサービスや有料老人ホーム・サ高住も積極的に展開しています。 35年以上前に訪問入浴を開始し、訪問介護、通所介護、デイサービス、ショートステイ、有料老人ホームと業務を拡大。20…
介護に限らず、高齢者に対して「年寄りだから○○だ」というような思い込みからくる年齢差別を聞くことがあります。こうした年齢差別をエイジズムといいます。身体的な機能低下ではなく、高齢者に対して主観で否定的な見方をすることです。 たとえば、「老人は…
高齢になると排便は健康チェックのひとつです。毎日、快便のお年寄りは元気な方が多いです。不思議なもので介護をしていると、ウンチの怖さはなくなります。むしろ、ずっとウンチが出ない利用者さんがこわいです。 たとえば、認知症のお婆ちゃんの排便がない…
誤嚥(ごえん)とは、声帯をこえて食べ物などが気道に入ることです。若い人でも飲み込みのときに食べ物が気管に入ってムセることがあると思います。息が詰まったような感覚は誰にでもあるかもしれません。 喉頭蓋(こうとうがい)は嚥下時に気道をふさぐ役割…
介護業界の倒産要因とは 経営は安定しているとされる介護業界ですが、2018年の「老人福祉・介護事業」の倒産は、106件と厳しい一面もあります。理由は、①報酬改定や人材不足、②利用者確保の難しさ、③同業他社との競争激化などが挙げられます。 事業者の立場…
ヨガは効果あるの? 今回、体験したのはヨガレッスン。きっかけは「腰」の違和感でした。入浴介助や移乗などを行っている介護職にとって気をつけたいのが「腰痛」です。 腰ベルトやコルセットで予防することも重要ですが、恐怖の大魔王はいつやってくるかわ…
知的の障がいは、だいたい18歳までの発達期に症状が現れるといわれています。知的障害の男女比は、およそ1.5:1で男性の方が女性より多いです。原因は、先天性の疾患や脳の障害、遺伝子や染色体の異変など様々です。知的障がいの合併率が高いものとして「て…
介護職は腰痛もちの方が多いです。とくに移乗介助を行うときは注意が必要です。移乗とはトランス(トランスファー)ともいいますが、車いすからベッドに移る、車いすから便器に移る、車いすから椅子に移などの「乗り移りの動作」のことです。 このトランスの…
ユネスコ世界会議 SDGsを解説する前に、少し時間をさかのぼる必要があります。いま流行りのSDGsを語る上で欠かせないのが国際連合です。この国連が、ユネスコ主導のもとに提唱したのが「持続可能な開発のための教育」です。2005年から2014年までを「国連持…
令和3年度の障がい福祉サービス 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の施行から14 年が経過しました。その間に障害福祉サービスの利用者は約120 万人、国の予算額は約1.6 兆円とそれぞれ3倍に増加しており、障害児・者への支援の必要性はますます高ま…
海外の保育サービス 日本の保育サービスは、保育園が大きな役割を担っています。他方、教育を重視しているのが幼稚園です。原則、保育園の管轄は厚労省で幼稚園は文科省です。縦割り行政として批判のあった乳幼児の保育サービスですが、認定こども園が認めら…
健康のバロメーター 尿や便は、健康状態を知る大事なバロメーターです。介護や医療の現場でもチェックはかかせませんし、記録もつけます。ケアワーカーになる前は「排泄」というと避けたい感じがありましたが、慣れてくると「良いウンコ」と「悪いウンコ」を…
世界初!人工シナプスコネクターの開発に成功 2020年8月、慶應義塾大学医学部などの研究グループが脊髄損傷の治療に効果のある「人工シナプスコネクター」の開発に成功しました。世界初です。研究は、人工的に作り出した「たんぱく質」を注射することで、切…
認知症と記憶障害 70代になると「最近、電話番号が覚えられない」とこぼす方が増えてきます。自宅へ電話するときは間違えないが、あまり電話しない場所にかけるときは、メモを見て一つ一つの数字を確認しながらでないと番号を間違える。これまでスムーズに覚…
介護業界で稼ぐには 手っ取り早く稼ぐには「夜専」が一番です。夜専とは、夜勤専従のこと。つまり、夜に集中的に働く介護職です。夜専は派遣の方が多いです。時間が長く、時給も高いので1回の夜勤で3万円以上稼ぐ人も少なくありません。 施設だけでなく、…
1日で筋力は3%低下 高齢になると筋力が落ちやすくなります。一日寝ているだけで筋力は3%低下すると言われています。日常の生活動作(ADL)の維持、また病気のある方は合併症を予防するためにも早期のリハビリは大切です。 高齢者の骨折は、転んだときの衝…