介護士の給料は上がる?「介護インセンティブ交付金」の狙いと課題

 

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2018年度に創設された、いわゆる「介護インセンティブ交付金」。

安倍政権は、なんと200億円もの予算を組んでいます。

 

インセンティブとは、馬の鼻先にぶら下げた、ニンジン

 

低賃金の介護士に「おいしいニンジン」

ぶら下げてくれるのかと思ったら、

どうやら、話は違うようでした。

 

 

 一体、何がポイントになるのか。

調べてみると、意外な背景が見えてきました。

 

目次

 

1.インセンティブ交付金の狙い

 

 今、安倍政権が「どげんかせんといかん!」と考えているのが、

介護費用の増加です。

 

特に、現在72~3歳をメインとする団塊の世代(吉永小百合さん、タモリさん、杉良太郎さんなど)が、

10年後には82~3歳。

15年後には、87~88歳となります。

 

 

こうした団塊の世代が高齢化すれば、

必然的に介護費用は増加します。

 

「介護費用」抑えるために、

導入されたのが、高齢者の自立支援を促す、

インセンティブ交付金なのです。

  

 

簡単にいえば、

介護が必要なお年寄りの状態を

みんなで良くしていきましょう。

という話なんですが、

なぜ、こんな当たり前のことに

税金を遣う必要があるのでしょうか。

 

なんだか、介護報酬の闇が関係してそうです。

 

 

 

 

 

2.インセンティブ交付金は、なぜ必要なの?

 

 自立支援を促すインセンティブ交付金。

 

実は、現行の介護報酬では、

要介護度が改善すると報酬が低くなるという問題があります。

 

例えば、車椅子の利用者が立てるようになれば、

状態は改善したのですが、要介護度は低くなり、

事業所が受け取る報酬は少なくなります。

 

だったら、車椅子のままでいてくれた方が、

経営者にとっては「ありがたい」のです。

 

こういう経営者の施設では、

介護士のモチベーションは下がりますよね。

だって、利用者さんの状態を改善させても、

経営者から、褒められないんですから。

 

 

そこで国は、「頑張っているところが報われる」ように、

自立支援や重度化防止に前向きに取り組み、

努力したり、成果をあげたりしているところには、

報酬として、インセンティブ交付金を支払うことにしたのです。

 

 

3.介護サービスの質はあがるのか?

 

 

すでに介護サービスの質の評価を行っている自治体としては・・・

 

東京都品川区

品川区では、要介護度の改善ケアとして高齢者施設を対象に奨励金を支給。要介護度が1ランク良くなれば、2万円の報奨金を与える。

岡山県岡山市

岡山市では、通所介護のサービスを対象にインセンティブを与えている。上位の10団体に10万円の報奨金を支給するという,

 

 

率直に言って、こうした取り組みは評価できます。

動きの遅い、自治体は多いですしね。

 

ただ、個人的には、

現場の介護士を置き去りにした

「インセンティブ交付金」は、

税金の無駄遣いなる可能性は高いと思います。

 

 

 

4.介護業界の「林修」を発掘すべき!

 

自治体が、頑張っている介護施設を評価しても、

現場で働く介護士の「頑張り」が評価されなければ

何も変わらない気がします。

 

むしろ、「質を上げよう!」と、

トップが現場に発破をかければかけるほど、

介護士の仕事は増えて、疲弊し、

悪循環に陥るのではないでしょうか。

 

もちろん、利用者さんが良くなってくれるのは、

介護士として、本当にうれしいです。

 

「看取り」を宣告されたおばあちゃんが、

元気を取り戻していく姿を見ると、

やりがいを感じます

 

でも、そこには「介護士のみえない努力」があります。

食事介助や排泄介助も大変になるけど、

大好きな利用者さんだから、時間をかけてケアをする。

 

正社員だけでなく、派遣介護士も労力は同じです。

ひとりひとりの介護士のスキルによって、

利用者さんの介護度は改善していくのです。

 

これは「自立支援」でも同じことです。

 

結局、介護士のスキルと愛情があるからこその

介護度の改善であり、

「事業所」が偉いわけではないのです。

 

有名塾でもそうでしょう。

ひとりひとりの講師の質が、

生徒の能力を引き上げる。

 

介護業界でも、利用者を改善させた

介護士のプロフェッショナルが高く評価されて、

高い報酬が支払われるようになれば、

回復する利用者も増えるように思います。

 

大胆に言えば、介護のインセンティブ交付金は、

「林修」先生のような

カリスマ介護士が多くいる施設に支払われるべき。

 

そうすれば、他の施設も優秀な介護士を発掘したり、

育成したりできるし、介護の質も上がると思うのです。

 

カリスマ介護士は、頑張ります。

自分の仕事が正当に評価され、

それに見合った報酬が得られるなら。

 

経営者ではなくて、

利用者のことだけを考えて、

成果を出せばいいのですから。

 

 

4.まとめ

 

安倍政権のいわゆる、「介護インセンティブ交付金」は、

介護予防や重度化防止に向けて、自治体の尻を叩く意味では、

効果があるかもしれません。

 

しかし、介護士の報酬に反映されなければ、

現場は活性化せず、むしろ疲弊して、

税金の無駄遣いになる可能性は高いです。

 

介護は人と人です。

経営者の中にも、現場を知らずに

金儲け主義のビジネスマンもいます。

 

介護費用の抑制を本気で考えるならば、

事業所のレベルアップとともに、

介護士ひとりひとりの力が正当に評価され、

報酬を得られる仕組みを考えるべきだと思います。