介護ストレス、介護疲れを軽減させる「マインドフルネス」の定義と流れ

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高齢者への虐待は増え続けています。

 

厚労省が発表したデータによると、2017年度の1年間に発覚した高齢者(65歳以上)への虐待件数は、1万7588件で過去最多でした。

 

介子「なんでこんなに虐待は増えているの?」

博士「ストレスや介護疲れで、虐待するケースが一番多いんじゃ

介子「誰が虐待しているの?」

博士「多い順には、息子、夫、娘だな」

介子「介護現場でもあるの?

博士「うむ。介護スタッフが虐待するケースもあるようだ」

介子「利用者の状態が重いとイラッとすると聞いたことあるよ。何か解決策ないの?」

博士「今、ストレス軽減に注目されているのがマインドフルネスという技法じゃ」

介子「なにそれ??」

 

介護福祉の現場でストレス対処法として注目されているのが「マインドフルネス」です。マインドフルネスは海外の大企業や医療、教育機関でも導入されており、効果を上げています。

 

この記事では、「介護職」におけるマインドフルネスの効果マインドフルネスとは何か?その定義や経緯についてまとめました。

 

 

目次

 

1.マインドフルネスが介護ストレスに及ぼす効果

 

 

近年、「心の病」への対策の必要性が指摘されており、国民生活基礎調査(厚労省、2008)では、悩みやストレスの有無について「ある」と回答した人が、48。2%と約半数に及んでいます。

仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は高くなっており、自殺者総数が3万人を超えるという高い水準で推移しています。

 

こうした中、介護職において、マインドフルネスが主観的幸福感を高める心理的要因のひとつであることが明らかにされています(風間ら,2018)。

また、マインドフルネスでは、うつ状態や不安などの改善が多く報告されているため、身体の不自由になった高齢者の「うつ状態」や「不安」を軽減させる効果が高いとされています。

 

介子「おっさんは、マインドフルネスの研究していたんでしょ?」

博士「まあな」

介子「ご家族さんのストレスを減らすこともできるのかな」

博士「むしろ、それが喫緊の課題じゃな。熱心に介護をしている家族ほど日々のケアに疲れてしまい追い詰められるケースは多い」

介子「マインドフルネスは、むずかしいの?」

博士「いや、意外と簡単じゃ」

介子「じゃあ、はやくやり方を教えてよ!」

博士「やり方はカンタンなんじゃが、理解しておかないと上っ面の知識になる。やり方はググればでてくるので、今回はマインドフルネスの定義や経緯などを教えよう」

介子「めんどくせ~」

 

 


 

2.マインドフルネスの定義

 

マインドフルネス(mindfulness)は、「意図的に、今この瞬間に、価値判断をすることなく注意を向けること」と定義されています。

マインドフルネスでは、思考や感情そのものの変容に注目するのではなく、メタレベルでの、それらの処理の仕方やかかわり方といった認知機能の変容を強調しています。

 

介子「メタレベルってなんやねん」

博士「辞書的には、“高次の~”とかだが、イメージとしては、一段高いレベルという感じかな。

介子「例えば?」

博士「母親に叱られているとする。叱られている時は悔しいだろ」

介子「うん。何でこんなことまで言われるんだとか、ツラくなる

博士「その状態を、別の目線で見るんじゃ」

介子「別?」

博士「怒られている自分をもう一人の自分が見ている感じやな。そうすると客観的に物事を見られるようになる。自分は怒られてるな。泣いているな、とか別の目線で見ると少し冷静になれるのじゃ」

 

マインドフルネスでは、否定的な感情や思考を自己の実体や世界の直接的な反映としてではなく、過ぎゆく心的な出来事として経験させるメタ認知的気づきにより、不快な感情、欲、怒り、迷いなど私的事象を変容させ、適応的な情報処理ができるようになることを目標としています。

マインドフルネスを中核とした治療法は、気分障害や不安障害、依存や人間関係など多様な領域で効果性が認められています。

 

 

3.マインドフルネスの経緯

 

1960年代のアメリカでは、鈴木大拙とErich Frommによる『禅と精神分析』(1960)や、Alan Wattの『心理療法 東と西』(1961)など、東洋の伝統的修行体系を心理学的に考察した論文も発表されました。また、行動療法の立場からは、瞑想の効果と弛緩反応、拮抗制止反応との比較研究など、瞑想に対する科学的な調査研究が盛んに行われるようになりました。

 

第1世代の行動療法では、不適応行動の修正を目的として行動を操作することを主な目標としていました。代表的な手法に、不安を感じる刺激に対し、回避行動を行わずに不安レベルが十分に下がるまで刺激に曝す「曝露反応妨害法」などがあります。

 

介子「ばくろはんのう妨害法?」

博士「暴露法とは、強い不安に襲われてもすぐにそれを鎮静化しないで、不安に自分自身をさらす方法じゃ」

介子「どういうこと?」

博士「不安に自分をさらしていると、時間の経過とともにだんだん不安はなくなってくる。そういう経験を通して、嫌な場面に直面しても不安を感じなくさせる方法じゃな」

介子「荒治療っぽいね」

博士「うん。自己流は危険だから、専門家と行うことが重要じゃ」

 

そして第2世代の認知療法では、気分や感情を変えることを目的とし操作対象は思考でした。

これは、ものの見方や考え方を変えることで不快な気分や感情を変えようとするもので、代表的な手法に「認知再構成法」があり、認知内容への介入および変容が重視されてきました。

 

認知再構成法とは、精神的に動揺したときに瞬間的に浮かんでくる自動思考と呼ばれる考えやイメージに注目し、現実と対比しながら、その歪みを明らかにして問題に対処し、うつや不安などの気分を軽減したり、非適応的な行動を修正したりする認知行動療法の基本的な技法である。

(引用:日本精神神経学会総会「認知再構成法」,大野)

 

 

こうした第1世代、第2世代を踏まえ、第3の波がもたらしたのは、気分や感情をコントロールすることでした。操作対象は気分や感情、思考ではなく、文脈の中でどこに注意を向けて行動するかということつまり、不快な気分や感情はそのままにして、どう距離を置いて行動するかという方法だったのです

 

この第3の波の中核が「マインドフルネス」です。

 

 

 

4.まとめ

 

介子「マインドフルネスの定義とかは分かったけど、で、どうやるの?」

博士「それが、まあ、いろいろとあるんじゃ」

 

マインドフルネスを取り入れた認知行動療法には心理療法としてだけでも、マインドフルネス・ストレス低減法やマインドフルネス認知療法があり、不安や抑うつの軽減など幅広い心理的問題に有効な介入方法であることがメタ分析の結果から示されています。また、弁証法的行動療法アクセプタンス&コミットメント・セラピーも欧米で盛んに研究、実践されています。

 

介子「だ、か、ら!やり方」

博士「もう3000文字近くになっとる」

介子「は?」

博士「ねむくなってきた・・・」

介子「へ?」

博士「また、今度な」

介子「オッサン!!」

 

(つづく)