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パーソナリティ障害の知られざる苦悩ー命を救う海外のトレーニング法

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最近よく聞くパーソナリティ障害。恋人の行動が、どうしても理解できないとき、職場で困った行動ばかりとる人…。もしかしたら、その人は、パーソナリティ障害かも知れません。

 

 

 

 やまゆり事件とパーソナリティ障害

 

2016年、知的障害者の施設で19人が殺害された事件。殺人罪などに問われた元施設職員の植松聖被告は、パーソナリティ障害と診断されています。

 

「メンヘラ」に近いともいわれるパーソナリティ障害。例えば、こんな感じで豹変する女性はその傾向があるかもしれません。

 

女「あなたがいないと生きていけない。ずーっと一緒だよ」

男「オレもだよ」

女「信じてるよ。愛してるよ」

(カレシの携帯が1コールで切れる)

女「ちょっと、だれだよ!」

男「知らないよ」

女「おい。ふざけんなよてめえ。携帯見せろよ」

男「ちょ、やめろよ」

女「(バキッとカレシの携帯を折る)裏切ったら、ぜってえ許さねえからな!!」

 

時にパーソナリティ障害の傾向がある女性は、驚くべき行動に出ます。ちょっとしたキッカケで突然切れて、態度が豹変したり、暴言、暴力をふるう。もちろん男性に浮気の疑惑が全くないケースに限りますが。。。

 

 

人口の15%がパーソナリティ障害

 

世界保健機構の精神疾患の診断基準によるとパーソナリティ障害とは「その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、ほかの精神障害に由来しないもの」と定義されています。

 

学校や職場などにパーソナリティ障害の人がいると、周囲は困った状態に陥る可能性は高いです。ただ「性格が悪いこと」を意味するものではありません。アメリカの研究によると人口の15%の人がパーソナリティ障害であると報告されています。

 

 

 知っておきたい3つのタイプ

 

パーソナリティ障害のタイプは主に3つに分類されています。①奇妙、風変わりなタイプ、②感情的、移り気なタイプ、③不安で内向的なタイプです。

最近、身近なケースとして問題視されているのが②の感情的で移り気なタイプです。

 

その中でも若い人に多く見られ、男性を苦しめるのが「境界性」パーソナリティ障害の女性です。この傾向がある女性は対人関係の不安定、衝動行為が特徴です。

あまりにも不可解な彼女の行動に悩み苦しみ、追い詰められる男性は多いです。

やっかいなのは「自殺未遂や自傷行為」を行うこと。そのため医療機関を受診するケースも最も多いのです。

 

<LINEなどのやり取り例>

 彼女:私、もう死ぬから

 彼氏:またまた~。

 彼女:なんか疲れた。死ぬよ

 彼氏:おいおい、落ち着けよ。今から行くから!

 彼女:無理、じゃあね

 

 男性が急いで訪ねると、睡眠導入剤を飲みすぎて寝ていたりします。

こうした困っている人を改善させるにはどうしたらいいのでしょう。

海外で利用されている療法に弁証法的行動療法(dialectical behavior therapy:DBT)があります。

 

禅のテクニックで障がいを減らす

 

DBTは、「禅」を応用して開発したプログラムで、自殺未遂を繰り返す患者に対し効果を上げています。

ワシントン大学の教授が開発したプログラムで、境界性人格障害の他、薬物依存、自殺未遂を繰り返す重症のうつ病患者などに実証的な効果を上げています。

 

絶望感を改善させる。4つのトレーニング

 

治療は以下の4つのスキル・トレーニング構成されています。

 

  1. 「マインドフルネススキル」
  2. 「対人関係保持スキル」
  3. 「感情調節スキル」
  4. 「苦悩耐性スキル」

 

トレーニングで中心となるのはマインドフルネスで、その他のスキルはその応用と位置づけられています。

治療の期間はマインドフルネススキルの獲得に最初2~3週間、他のスキルは各8週間で基礎となるマインドフルネススキルはトレーニング期間中、毎週のセッションで復習して修得します。

 

 

もっと手軽なボール療法とは

 

問題行動を改善する、もっと手軽な方法がボールを使用したトレーニングです。次のようなやり方で感情をコントロールしていきます。

 

  1. 怒りを感じたらボールを握りしめる。
  2. 掌(てのひら)の感覚を味わうようにする。
  3. カッときたら、ぐっと握りしめる。
  4. この感覚をずっと味わうようにする。

 

衝動的な怒りの感情に襲われると心は知らず知らずのうちに「怒り」の渦に支配されます。そこで起こっていることをボールを握ることで、もう一人の自分が客観的に見られるようにするわけです。

 

 

まとめ

 

パーソナリティ障害はやっかいです。自分のパートナーがそうである場合、別れるのは簡単ですが現実的にはそうもいかないケースは多いですよね。

なんとか相手の苦しみを改善してあげたい。そういう優しい方は多いです。

しかし1人で抱え込むと自分自身がメンタルをやられてしまいます。その人の障害は、そのひとの一部であります。障害を治療するか否かを決めるのはあなたではなく、パートナー本人であることを忘れないようにしましょう。