介護福祉オンライン

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人工知能(AI)は介護業界になぜ必要なのか?

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現在、国が力を注いでいるのが介護へのAI(人口知能)の導入です。現在、日本女性の平均寿命は87.26歳。30年以上前は7歳も短かったので30年後の平均寿命は95歳になるかもしれません。介護職の人手不足は深刻化しており、その切り札として期待しているのが人工知能(AI)です。

 

スマホにようやく追いついてきたシニア世代にとってAIのスゴさは分かりづらいのも事実。しかも介護業界では平均年齢も高く、まだまだ手書きで記録を書く施設も多いと思います。それでも大手企業はAIの活用を進めています。働き手の立場からAIは便利なのでしょうか。

 

 

目次

 

AIがトイレ介助する未来

 

保健医療分野AI開発加速コンソーシアムの報告によると、今後、AIを導入すると標準化されたケアが可能になるといいます。具体的には、AIを使えば利用者の生活リズムやパターンが把握できるし、そこにスタッフの行動やバイタルの状態などを関連付ければ、適切なケアが提供できるそうです。

 

将来、介護現場ではこんな光景が見られるかも知れません。

 

〇新人介護士がトイレ誘導をしている。すると天井から声が聞こえる。

 

AI「その利用者さまの場合は、もう少し離れた位置で見守りましょう」

新人「先輩はこう教えてくれましたけど・・・」

AI「蓄積・統合されたデータによると最適ではありません。声掛けも通常より10秒遅れていましたので注意しましょう」

 

介護の仕方は千差万別。人によって違います。無資格の人から介護福祉士までスキルには幅があります。しかし、AIの未来ではそうした凸凹がなくなり標準化したケアが可能になるそうです。

 

そして今後はファミリーレストランのようなサービスを好む利用者、オーナーシェフのいる独自の店の味を求める利用者など差別化が進む気がします。

 

人件費は3割削減へ

 

AIの導入で何より期待されているのは、人件費の大幅削減です。EC業界では、AI搭載のロボットを導入したことで人件費の3割削減を実現している企業もあります。

 

なぜ企業がAI導入するのか?期待していることは大きく3つあります。「省人化」「コスト削減」「正確性」です。

 

個人的にはAIが介護の「正確性」を高めてくれると嬉しいです。どうしても介護職は

主観的に仕事をしてしまいます。この介護は正しいのか間違っているのか。自己流になりがちなケアをAIが修正してくれると介護の質は高まります。

 

リストラの不安は

 

AIの導入で介護職のリストラは進むのでしょうか。

移乗や入浴の介助はロボットによって機械化されるかもしれませんが、介護では人間にしかできない仕事がたくさんあります。介護保険法では「尊厳の保持」を掲げているのでAI・ロボットにとって代わられる可能性は低いでしょう。

ただし事務処理などしかできない大手企業の管理職は、他の業種同様、AIに仕事を奪われる可能性は高いかもしれません。

  

AIの鉄壁の「見守り」

 

AIが進化するとカメラ機能でバイタルを計測したり、睡眠の質や食事の量、トイレのタイミングなども予測できます。すでにAIが個室の見守りサービスをしている施設もあります。なんだかSF映画のようですね。

 

その施設では、複数のセンサーを個室に設置して利用者の転倒検知などを行い、部屋で利用者が容態急変したりすると即座に知らせてくれるそうです。

 
もっと進化すれば、個室で利用者が倒れた場合の事故報告書もAIがまとめてくれるかも。なにせ個室で利用者が転倒して怪我でもしたら。医療機関、利用者家族、行政への連絡はもちろん、発見者、発生日時、場所や環境、具体的な状況、今度どのような対処を行うか・・・時間も労力もかかりますよね。

 

見守りや記録、移乗などはAI・ロボットが行うことはできますが、利用者の想いや気持ちに寄り添うことは介護職にしかできません。逆に言えば、AIによって効率的になる分、利用者の心理を汲み取れない介護職は今後、淘汰されていくかもしれません。

 

 

 

介護業界の新たな力

 

人手不足といわれる介護業界で「切り札」と期待されている人工知能(AI)。国では、平成27年度の補正予算で、およそ5000の介護施設に介護ロボットの導入支援を実施しました。ここに複雑に絡んでくるのが企業のリストラです。

 

ご存じのように、銀行や保険など金融業界は、「大リストラ時代」に突入しています。

背景には、AIで業務をスリム化が進んでいることがあります。では、余剰社員やリストラされた社員は次にどこに配属されるのでしょう。可能性が高いのは介護業界です。

 

銀行や保険会社はグループ内に介護関連の企業を持つところが多いです。グループ内の配置転換で、介護の関連会社へ配置転換させる企業は多くなるのではないでしょうか。つまりAIの波は、介護業界に新たなパワーを呼び込むかもしれないのです。

 

とはいえ大企業の金融マンがいきなり介護業界で手腕を発揮できるかは懐疑的です。しかし「リストラされた」とネガティブな気持ちで介護業界にやってくるのと「介護を変えてやる」という意気込みで来た人とでは、現場の雰囲気は違ってきます。

AI時代の到来ととも介護も大きく変わりそうです。筆者は希望を込めて介護業界には明るい未来が待っていると信じたいです。

 

本日もありがとうございました。