【ツナガレ介護福祉ケア】

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厚労省は本気?介護予防のインセンティブ交付金〜効果的な使い道とは【ツナガレ介護福祉ケア】

 

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厚労省肝煎り?インセンティブ交付金とは

 

安倍政権は2018年度、介護における「インセンティブ交付金」を創設しました。その予算は200億円!厚労省肝煎りの交付金といえるかもしれません。インセンティブとは簡単にいえば、馬の鼻先にぶら下げたニンジンです。 

 

今回の狙いは、高齢者の自立支援・重度化防止につながる取り組みを積極的に行っている自治体にインセンティブ(報酬)を与えるというもの。確かに、このまま要介護の高齢者が増え続けると国の財布はパンクしそうです。そうならないためのブレーキ的な役割といえるかもしれません。

 

しかし、介護サービスには矛盾があります。それは現行の利用者の要介護度が改善すると介護報酬が低くなることです。例えば、車椅子で過ごしていた老婦人がリハビリなどを行って歩けるようになると介護度は低くなります。要介護3から、要介護2になると家族や利用者は万々歳なのですが、サービスを提供していた施設側への介護報酬は少なくなります。

 

つまり、利用者が元気になるようスタッフが頑張れば頑張るほど、経営的には厳しくなるという矛盾です。乱暴にいえば、利用者さんの自立支援や重度化防止に取り組んでいる介護施設ほど、儲からない仕組みになっているのです。もちろん加算というニンジンはありますが、手続きや条件が厳しくシンプルではありません。

 

分かりやすく家庭教師に例えるならば、生徒の成績をアップさせたのに時給は下がる…という問題を介護業界は抱えています。家庭教師の頑張りを正当に評価してくれるためのインセンティブ交付金ならば良いのですが、コトはそう簡単ではなさそうです。

 

今回のインセンティブ交付金は、あくまでも高齢者の自立支援や重度化防止に前向きに取り組み、成果をあげた自治体に与えるもの。現場スタッフの士気は果たして高まるのでしょうか。

 

効果的なインセンティブ交付金の使い方とは

 

インセンティブ交付金を活用して、介護サービスの質の評価を行っている自治体は増えています。しかし、現状のインセンティブ交付金は事業施設等に与えるものばかりで、現場の介護職には直接、支給されません。もっとこのインセンティブ交付金を柔軟に活用すべき方法はないのでしょうか。

 

僕のアイデアは、もっと踏み込んで現場スタッフを活気づかせる方法です。例えば、全国の介護職ナンバーワングランプリの開催です。全国津々浦々の優秀な介護スタッフを一同に介して、総合評価からナンバーワンを決定する。各地自治体は優秀者にインセンティブ交付金から報酬を上げて、全国大会でさらにナンバーワンを決める。大会賞金は1000万円!介護のプロフェッショナルのスゴサを認知してもらうのです。

 

重要なのは個人の評価を「可視化」させることだと思います。事業所の質は≒介護職員の質なのです。介護職が「安い・汚い・危険」と揶揄されている間は、介護職員の質も上がらないし、そもそも介護士を目指す優秀な若者が業界に入ってくれません。

 

インセンティブ交付金を効果的に使うためには、もっと現場の士気を高める取り組みが必要だと思うのです。上の方でいくら旗を振っても、下からその旗が見えなければ意味はないのです。例えば、介護職にランク制度を設けて個々の能力を評価していく。実績に準じたキャリア形成を構築すれば、施設ごとにバラバラと言われる介護スキルの在り方も改善されるように思います。

 

 

介護業界は「学習塾」を手本に?

 

プレイヤーである介護職の「能力」が評価されなければ年収1000万の壁は超えられないように思います。お金が稼げる業界には必ずスターがいます。スターがいれば子どもたちは憧れ、希望者も増えて全体的な質の向上に繋がります。

 

介護業界のモデルケースに学習塾があると思います。有名な学習塾では、ひとりひとりの講師の質が生徒の能力を引き上げてくれます。介護業界でも利用者を改善させた一流プレイヤーが高く評価されて「カリスマ」的に取り上げられれば業界は盛り上がるように思うのです。

 

現場でサービス提供をしながら聞くのは「介護されるのであれば優秀な人にケアしてもらいたい」という利用者や家族の本音です。いくら高級なサ高住に入居しても介護スタッフのスキルはバラバラです。資格を持っているからケアが上手かというと、そんな事はありません。介護の人材不足は深刻です。言い方は悪いですが玉石混交、誰にケアされるかは運、不運に大きくゆだねられているのが現在の日本の現状です。

 

介護職に正当な評価を

 

優秀な人材であっても、経営者の方針や人間関係などが原因で辞めてしまうことは多いです。そうした事態を防ぐためにも、優秀な介護職の実力を正当に評価することは重要です。実際にそうした取り組みを行っている施設もあります。そこでは離職率は低く、利用者さんも口コミで集まってきています。

 

国や自治体の取組みも間違ってはいないのですが、さらに踏み込んで働きかける必要性を感じます。例えば介護業界は「学習塾」をお手本にして、林修氏のようなスーパースターを創出して全体的なイメージアップを図る。こした大胆な手もひとつの方策のように思います。本日もありがとうございました。