ツナガレ介護福祉ケア

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不安がどんどん消える自律神経「驚きのプログラム」とは【ツナガレ介護福祉ケア】

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介護の苦しさは「想定外」

 

家族を介護する。その大変さは体験した人でないとわかりません。全国で介護をしている家族を対象にした調査では、要介護者への殺意や心中を考えたことがある答えた人は20%にも上っています。

 

 

新人「家族はどのように追い込まれてしまうのでしょう?」

博士「介護による疲れや、将来への不安を感じたときが多いようじゃ」

新人「家族を殺したくなるなんて・・・ひどいですね」

博士「いや、むしろ家族想いの人が多いのだ」

 

  

仕事を辞めて介護に専念する人、頑張りすぎる人ほど追い込まれてしまう傾向があります。不安や心配で押しつぶされそうになった時に必要なのは、信頼できる相談者の存在です。

 

 

新人「どんなアドバイスをしてあげたら良いのですか?」

博士「最初は傾聴。愚痴でも不安でも、とにかく相手の話を聞くのじゃ」

新人「・・・話を聞く」

博士「そして余裕ができたら、自律神経を整えてもらう」

新人「あ、聞いたことがあります」

博士「自律神経の乱れはだるさや疲労感、メンタル面のトラブルを引き起こしやすいのだ」

 

 

介護疲れなどで自律神経が乱れるとストレスが溜まりやすいとされています。欧米や日本でもストレス対処法として研究されているのが瞑想法を取り入れた「マインドフルネス」というトレーニングです。

 マインドフルネスは企業や医療、教育機関でも導入されており、効果を上げています。その中のひとつが「MBSR」というプログラムです。

 

 仏教と科学を統合させたプログラム


MBSRとはマインドフルネス・ストレス低減法(mindfulness-based stress reduction:MBSR)の略です。

 

このプログラムは、マサチューセッツ大学教授のKabat -Zinn氏によって開発されました。彼は仏教の修行法を学び、それを西洋科学と統合させてマインドフルネスという科学的なストレス軽減法を生み出しました。

 

MBSRを取り組むための基本的態度は7つあります。逆に言えば、この7つの態度が足りないと不安や心配を軽減するのに時間がかかります。まずはチェックしてみましょう。

 

  1. 自分で評価を下さないこと
  2. 忍耐強いこと
  3. 初心を忘れないこと
  4. 自分を信じること
  5. むやみに努力しないこと
  6. 受け入れること
  7. とらわれないこと

 

この7つの基本的態度は、それぞれ互いに影響しあいプログラムの基礎になります。そして自律神経を整える基本となるのは「呼吸法」です。

 

 

 

 

「呼吸の瞑想」で自律神経を整える

 

呼吸は生きている限り、いつも自分と共にあります。呼吸を意識し、そこに生じる感覚を感じ取るようにします。そして呼吸を意識しながらマインドフルネスにおける「呼吸の瞑想」を行ってみましょう。レッスン方法は早稲田大学の熊野宏昭教授が、次のように語っています。

 

  1. 背筋を伸ばして座る。
  2. 目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見る。
  3. 息を吸ったときに、おなかや胸がふくらむのを感じる。
  4. 心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する。
  5. 呼吸はコントロールせず、そのとき一番したいように呼吸する。
  6. 息を吐いたときに、おなかや胸がちぢむのを感じる。
  7. 心の中で「縮み、縮み」と実況する。
  8.  雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやく。
  9. そして「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻す。
  10. 呼吸のめい想は、1日10分ほど行う。慣れてくれば時間をのばしていく。

 

MBSRの具体的なプログラム

 

研究論文を見るとプログラムは8週間、1クラス30人程度で行うようです。参加した人は週6日、約1時間ほどのホームワークを行います。ここではプログラムの内容を簡単に紹介します。ただし実際に行う場合は専門家の指導を受けることは必須です。

 

<第1~2週>

◎静座瞑想(毎日10分間)

◎ボディ・スキャン(毎日45分間)

◎日常瞑想(時々折に触れて、日常生活をマインドフルネスに観察してみる)

 

<第3~4週>

◎静座瞑想(毎日実施。時間は徐々に増やしつつ45分間まで)

◎ボディ・スキャン、もしくはヨーガ瞑想(1日交互で45分間)

◎嬉しい出来事日誌を書く(第3週のみの課題)

◎嫌な出来事日誌を書く(第4週のみの課題)

◎日常瞑想

 

<第5~6週>

◎静座瞑想、もしくはヨーガ瞑想(1日交互で45分間)

◎日常瞑想(このころには自分で最適な瞑想の組み立てができるようになってくる)

 

<第7週>

◎静座瞑想、ボディ・スキャン、ヨーガ瞑想を自由に組み合わせて(毎日45分間)

◎日常瞑想

 

<第8週>

◎自分で好きなようにプログラムして45分間

◎日常瞑想

 

まとめ

 

今回紹介したマインドフルネス・ストレス低減法は、心理学治療のひとつで、うつや不安症の治療にも効果があるとされています。

 

マインドフルネスを行うと、脳の前頭葉と海馬や扁桃体が活性化し、感情のコントロールができるようになるといわれています。

 

またマインドフルネスが自律神経を整えて、心も体も健康にしてくれる可能性もあります。しかし、一長一短に習得できないのも事実ですが、最近、仕事に疲れているなあと感じている方は一度、試してみてはいかがでしょう。