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瞑想でストレスは軽減するのか。マインドフルネストレーニングを実体験する

 

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日頃、ストレスがたまり、

疲れている方も

多いのではないでしょうか。

 

今回、取り上げるのは

ストレス軽減に効果がある

マインドフルネス・トレーニングのひとつ「ノンストップの実況中継」です。

 

 

結論から言うと、これ、かなり簡単な

マインドフルネス・トレーニングです。

 

 

目次

 

現実をありのままに知覚する

 

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例えば、初対面の人と出会った時、

私たちは、その人物に対して

ほぼ自動的に解釈したり評価します。

 

顔や話し方、雰囲気等から

同時に好き・嫌いなどの感情も加わった上で認識が成立しています。

 

実は、その解釈や評価、感情のほとんどが個人的(集団的、文化的、本能的)な

バイアス(偏り)に由来しているため、

現実をありのままに知覚する

ということは容易ではありません。

 

マインドフルネスでは、

この「思考」に注目しています。

 定義は、次のようなものです

 

マインドフルネスとは・・・

今の瞬間の『現実』に常に気づきを向け、その『現実』をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、

存在のありよう。

 

 ここで大切な文脈は「現実をあるがままに知覚する」ことです。

 

地位や肩書から判断するのではなく、

今の瞬間、目の前にいる人をありのままに知覚することが重要なのです。

 

 

ブッダとマインドフルネスの関係について

 

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マインドフルネスとは、元々はパーリ語(ブッダが日常会話で使っていた言葉)の「サティ」という言葉の英訳です。

 

サティ(Sati )とは、sarati(思い出す)の意味です。


日本語では「気づき」、
漢語では「念」と訳します。

 

漢語の念とは、

今ここを忘れない(思い出す)

心のことです。

 

 近年は、カウンセリングや脳科学の分野など、最先端の領域で研究や実践が進められています。

ちなみにマインドフルネスを中核とした

治療法は、認知行動療法の

第三世代と呼ばれています。

 

 

 

マインドフルネス・トレーニングのポイント

 

 

 

 

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マインドフルネスの実践で、

重要なポイントは次の3つです。

 

① 呼吸に伴う身体感覚、五感と自動思考、感情などの私的出来事に、今ここで注意を向けること


② 注意を向ける私的出来事に対して排除しようとしたり同一化することなくそのままにしておくこと

 

③ その結果、すべての私的出来事は変わり続けていく一過性の出来事にすぎず、執着すると苦しむことになるという洞察を得ること   

 

 

文字にすると、分かったような、

分からないような感じですね。

 

呼吸を意識しながら、

今の状態に気づきを向ける。

その状態をありのままに知覚する。

するとすべては変化しているのだという

洞察を得られるということでしょうか。

 

まあ、実際に体験してみましょう。

 

 

 

マインドフルネスの「ノンストップの実況中継」

 

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マインドフルネストレーニングの一つが、ノンストップの実況中継です。

 

ノンストップの実況中継は、

今、自分の身体が何をしているのかを
頭の中で簡単な言葉で確認しながら行う技法です。

 


今回は、「水を飲む動作」トレーニングを実際に行ってみます。

 

 


実践「ノンストップの実況中継」マインドフルネス技法をやってみた

 

医師や心理士のアドバイスを参考にして行ったのが以下のトレーニングです。

こちらはスリランカ仏教界の長老、

スマナサーラ高僧が提唱しています。

 

【ノンストップの実況中継のやり方】

 

①水を飲む動作を、ひとつひとつ実況中継してみる。

② 声に出す必要はない。

③「手をあげる、手をあげる、手を上げる」など簡潔な言葉を使う。
④「取る、取る、取る」「運ぶ、運ぶ、運ぶ」「飲む、飲む、飲む」など続ける。
⑤自分の身体が今何をしているのか、ゆっくりと実況中継する。

 

 

動きを分析したり説明したり、

アナウンサーの実況中継ではなく、

その瞬間の行為を途切れなく

実況中継することが大事です。

 

トレーニングでは余計なことを

途中で考えない。

過去や将来のことを思考しない。

実況中継によって、

思考を完全にストップしていくのが

狙いです。

 

今の瞬間に集中できるようになるとストレスや悩み、苦しみが消えるそうです。

 

なぜなら、私たちの悩みや苦しみ、心配はすべて過去や未来のことだからです。

 

どうしようもならない「過去」や何が起こるか分からない「未来」についてアレコレと考えることに悩み、苦しんでいることが殆どなのです。

 

そのため、今すべきことへの

エネルギーが不足してしまう。

 

今は存在しない過去と未来に、エネルギーの無駄遣いをしているのです。

 

ですから、思考を完全にストップして

今の瞬間だけを観察する。

 

思考はストップしていますが、

頭脳は何倍も働き、

能力が開発されていくそうです。

 

 

まとめ

 

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実況中継は、とても簡単にできるトレーニングでした。

 

手を伸ばす時に、「伸ばします、伸ばします」など心の中で言うと、今行っていることをハッキリと確認できました。

 

ただ、隙間なくやるのには

コツも必要かなと思いました。

 

マインドフルネスでは「無駄な思考は莫大なエネルギーの浪費」だといいます。

 

確かに、悩みや苦しみは、

ほとんど過去や将来のこと。

 

「あーすればよかった…」

「なんで、あんな事を…」と

悔やんでも時間は戻りません。

 

また将来を案じるのも同じで

「このままで大丈夫か」

「悪いことが起きるかも」と

心配しても未来のことは

神様しか分かりません。

 

それでも凡人である私たちの心は

心配や苦しみで、

山火事のように燃え続けます。

 

ノンストップの実況中継は、

回り続ける思考を

一時でもストップする手段としては、

効果がありそうです。

 

 

また、このトレーニングで脳が活性化すると至福感、満足感を得られます。

 

脳が至福感を感じると、身体の調子も

ものすごく良くなるようです。

 

身体も脳で管理しているから、

当然といえば、当然ですよね。

 

日々、気づいた時に行うことと、

こうしたトレーニングは、

ストレスコーピングとしても

役立ちますので、

一度、試してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

参考文献

 

熊野宏昭:21世紀の自分探しプロジェクト サンガ,2009
熊野宏昭:ストレスに負けない生活 ちくま新書,2007
熊野宏昭:新世代の認知行動療法入門 こころの科学,2010
A・スマナサーラ:自分を変える気づきの瞑想法 サンガ,2004
Hayes SC,Follette VW,Linehan MM:Mindfulness and Acceptance,Guilford,New York(2004)
(武藤 崇,伊藤義徳,杉浦義典(監訳)
マインドフルネス&アクセプタンス:
認知行動療法の新次元,ブレーン出版,2005)
・kabat-Zinn,J:Wherever you go,there you are:Mindfulness  meditation in every-day life.New York:Hyperion.(1994)