介護福祉オンライン

高齢者・障がい者、子育ての現場から、介護福祉の楽しさや難しさ、問題点などを伝えるWebマガジンです。

不安、心配、イライラ…ストレスを克服するおすすめのマインドフルネス「ノンストップ実況中継」

 

f:id:mamoruyo:20200716141835j:plain

 

 

コロナ渦で不安や心配、イライラがたまり疲れている方も多いのではないでしょうか。今回、取り上げるのはストレス軽減に効果があるマインドフルネス・トレーニングのひとつ「ノンストップの実況中継」です。

 

結論から言うと、かなり簡単なマインドフルネス・トレーニングです。

 

 

目次

 

 

加齢臭

 

初対面で「好き、嫌い」を決める

 

人は初対面の人物と会った時、顔や話し方、雰囲気等を感じて、ほぼ自動的に好き・嫌いを評価するそうです。そして、その「好き・嫌い」の解釈や評価、感情のほとんどが個人的なバイアス(偏り)に由来しているため、現実をありのままに見ていない事が多いとされています。

 

例えば、地位や名誉がある人と出会えば肩書で判断してしまう。前科があれば罪を償っても色眼鏡でみてしまう。目の前にいる人、その現実だけを見ればいいのですが、人生経験が増えるほど「思考」が優先されて、目の前の現実だけを見ることが難しくなります。

 

マインドフルネスでは、この「思考」に注目しています。 

 

 

マインドフルネスとは、今の瞬間の『現実』に常に気づきを向け、その『現実』をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、存在のありよう。

 

 

 ここで大切な文脈は「現実をあるがままに知覚する」ことです。しかしこれは正直、簡単なことではありません。それを困難を克服した有名人がいます。ブッダです。

 

ブッダとマインドフルネス

 

マインドフルネスとは、元々はパーリ語(ブッダが日常会話で使っていた言葉)の「サティ」という言葉の英訳です。

 

サティ(Sati )とは、sarati(思い出す)の意味です。日本語では「気づき」、漢語では「念」と訳します。漢語の念とは、今ここを忘れな(思い出す)心のことです。

 

ブッダは現在のマインドフルネスのベースとなる方法によって気づきを得て、悟りを開きました。そして心を育て、ストレスや悩みからの完全な解放、完全な心の安らぎを得たのです。

 

 

ストレスを克服する4つのポイント

 

 

f:id:mamoruyo:20200117145759j:plain

 

今回、ご紹介するのは心を育てるトレーニングのひとつです。ブッダが実践していた瞑想法を科学的に分析したマインドフルネスがベースになっています。

 

ストレスを克服するためのポイントは4つあります。

 

  1. 呼吸に伴う身体感覚、五感と自動思考、感情などの私的出来事に、今ここで注意を向けること。
  2. 注意を向ける私的出来事に対して排除しようとしたり同一化することなくそのままにしておくこと。
  3. その結果、すべての私的出来事は変わり続けていく一過性の出来事にすぎないのだと知る。
  4. そして執着すると苦しむことになるという洞察を得る。

 

翻訳だと何だか小難しいですね。論理的思考の方は原文を解析しながらイメージしていただけると良いかもしれません。僕なりに解釈すると次のようになります。

 

  1. 呼吸を意識しながら、今の状態に気づきを向ける。
  2. その状態をありのままに感じてみる。
  3. すると僕らは皆、過ぎゆくものだと分かる。
  4. だから悩んでいてもしようがない。

 

 

デオシーク

 

 

「ノンストップの実況中継」

 

マインドフルネストレーニングの1つがノンストップの実況中継です。ノンストップの実況中継は今、自分の身体が何をしているのかを頭の中で簡単な言葉で確認しながら行う技法です。スリランカ仏教界の長老スマナサーラ高僧が提唱しています。

 

日常の生活で実践できるのが特徴です。方法はシンプルです。飲み物を口にするときにトレーニングします。ここではコップに入った水を飲むときのやり方を紹介します。

 

  1. 水を飲む動作をひとつひとつ心の中で実況中継する(声に出す必要はない)。
  2. 「手をあげる、手をあげる、手を上げる」など簡潔な言葉を使う。
  3. 「取る、取る、取る」「運ぶ、運ぶ、運ぶ」「飲む、飲む、飲む」など続ける。
  4. 自分の身体が今何をしているのか、ゆっくりと実況中継する。

 

ポイントは動きを分析したり説明することではなく、その瞬間の行為を途切れなく心の中で実況中継することです。手を上げる、取る、運ぶ…などシンプルな言葉を繰り返しいいながら、ゆっくりと水を飲んでいきます。

 

この時、余計なことを途中で考えないようにします。飲んでいるという行為に集中することで「思考」をストップさせるのです。

 

なぜ思考をストップさせるのか。それは不安や心配、イライラなどの原因は殆どが思考、つまり考えていることによって生じているからです。

 

さらに厄介なのは、これら不安や心配、イライラは「過去」や「未来」について考えていることが多いのです。乱暴に言えば、今更、悔やんでも仕方がない「過去」や、それこそ何が起こるか分からない「未来」について人間は悩み、苦しんでいるのです。

 

 

生きるエネルギーの無駄をなくす

 

ストレスを克服する近道は「生きるエネルギー」の無駄をなくすことです。

 

つまり、今は存在しない過去と未来のストレスを増大させず、今この瞬間だけにエネルギーを使えば頭脳は何倍も働き、心身に力がみなぎり、少しぐらいのストレスではびくともしないようになります。

 

ストレスを克服し、完全な心の解放を手にしたブッダの教えを紐解くと「無駄な思考は莫大なエネルギーの浪費」だという生きるヒントが見えてきます。

 

確かに悩みや苦しみはほとんど過去や将来のこと。「あーすればよかった」「なんであんな事を」と考えても時間は戻りません。また将来も同じで「このままで大丈夫か」「悪いことが起きるかも」と考えて未来は神様しか分かりません。

 

それでも僕たちの「思考」は心配や悩みなどで日々、グルグルと回り続けますノンストップの実況中継はこうした思考を一時でもストップする方法です。すぐにブッダの境地に辿り着くことは出来ませんが、興味のある方は一度試してみてはいかがでしょう。

 

本日もありがとうございました。

サトシ(@satoshi_Jp0415でした。

 

 

デオシーク

 

 

 

 

参考文献

 

熊野宏昭:21世紀の自分探しプロジェクト サンガ,2009
熊野宏昭:ストレスに負けない生活 ちくま新書,2007
熊野宏昭:新世代の認知行動療法入門 こころの科学,2010
A・スマナサーラ:自分を変える気づきの瞑想法 サンガ,2004
Hayes SC,Follette VW,Linehan MM:Mindfulness and Acceptance,Guilford,New York(2004)
(武藤 崇,伊藤義徳,杉浦義典(監訳)
マインドフルネス&アクセプタンス:
認知行動療法の新次元,ブレーン出版,2005)
・kabat-Zinn,J:Wherever you go,there you are:Mindfulness  meditation in every-day life.New York:Hyperion.(1994)