介護福祉オンライン早稲田

介護福祉の課題を解決するWebマガジンです。

【国際比較】日本の「幼児教育・保育の無償化」の5つの問題点とは?(2020.5.19追記)

 

f:id:mamoruyo:20200517175354j:plain

 

 

 

2019年10月の消費税アップと同時にスタートした「幼児教育・保育無償化」。

 

しかし「無償化」によってが保護者が支払う金額が増えたり、保育士不足が進んだり様々な問題点も浮上しています。

 

海外の保育の現状と併せて「幼児教育・保育の無償化」についてまとめます。

 

 


国際社会における「幼児教育の無償化」の実態

 


日本で初めて導入される「幼児教育無償化」は世界の先進国では珍しくありません。

 

アメリカ

アメリカ政府は社会的・経済的支援が必要な子どもに「ヘッド・スタート」という保育政策を行っています。この取組みは1960年代半ばに「貧困と闘い」政策の一環としてスタートしました。

 

ヘッドスタートの目的は、子どもたちに貧困という壁を越えて育つ機会を与えてやることである。また、このプログラムに登録されている子どもたちが、学校に入学して、そこでの学習活動にうまく適応できるように援助してやることである。

 

3~5歳を対象とした補償保育ですが、1995年からは3歳未満への取組みもスタートしています。

 

イギリス

 

イギリスはすべての子どもを対象に「ウエルビーイング」を保障する政策を目指しています。ウエルビーイングとは、身体的、精神的、社会的によい状況にあり、権利や自己実現が確保されていることを意味します。

 

1998年に早期介入の補償保育プログラムとして「シュア・スタート」が開始。これは社会的、経済的な支援を必要とする地域を中心に保育や子育ての支援を提供するシステムです。

 

2010年より3~4歳児(5歳から就学)に週15時間、年38週分を上限に無償化。

2014年からは低所得家庭(年収約240万円以下)の2歳児も無償化。

 

イギリスは教育省が保育制度を管轄しています。また監査によって質の担保もしています。ここらへんが大事ですよね。

 

 

フランス

3~5歳の子どものほぼ全員が公立の幼稚園で無料の「保育学校」を利用。

 

スウェーデン・ニュージーランド

 

ニュージーランドの保育は多種多様です。具体的な保育方法や内容を個々の施設にゆだねているのが特長です。幼児教育はもちろん無償化です。

 

1996年、保育の質の維持と向上を目指して共通のカリキュラムである「テ・ファルキ」が作成されました。これには保育の原理と目標の方向性が提示されています。まあ、好き放題にやるのはやはり危険なのでしょうね。

 

 

韓国

2013年から0~5歳の子どもの保育と幼児教育をすべて無償化。

 

 
www.osp.tokyo

www.osp.tokyo

 

 

石鹸プレゼント

 

諸外国と日本の違い

 

日本と他の先進国の大きな違いは「教育」か「保育」か、どちらに重点を置いているかということです。影響があるのは「時間」です。他の国では幼稚園に相当する時間の無償化が殆どです。しかし日本で導入している無償化は、保育短時間や保育標準時間に相当する8~11時間です。また認可外保育施設や病児保育、ファミリーサポートなども対象としています。

 

 

 

www.osp.tokyo

 

 

ワクワクメール

 

 

日本の無償化の問題点とは?

 

 

日本では、保育が必要な子どもの費用は世帯収入によって段階的に定められる「応能負担」となっています。つまり低所得の世帯は実質的に無償化されていました。

 

しかし2019年の無償化では、認可外保育所でも5年間は一定額の補助金が支給されます。これによって最も恩恵を受けるのは高所得の世帯なのです。

 

また都市部では待機児童が多く、認定外の施設に通う子どもが大勢います。こうした施設で深刻化しているのが保育士の質の問題です。海外では現場調査や評価するための統一の基準を作ったり「見える化」が進んでいますが、日本は遅れています。

 

職員の人数配置や施設の広さなどハード面での見直しは予定されてますが、教育や保育の根本的な「人材育成」や「評価の仕組みづくり」は進んでいないのです。

 

具体的にはどういうことが考えられるか。

今回は5つの問題点をあげました

 

①高所得ほど恩恵を受ける

②保育士不足が深刻化する

③教育や保育の質の低下

④ビジョンや工程表がない

自治体の負担増

 

 

 

www.osp.tokyo

 

まとめ

 

現役世代では所得の低い世帯が増えています。ましてや、今回のコロナ渦によって経済的な支援が必要な子育て世帯も増えています。

 

これまで日本は先進国に比べて子どもや子育てへの支援は大きく遅れていました。

 

こうした状況からみると一歩前進ではあるのですが、あまりにも急ごしらえの制度設計であるため具体的に動き出すと、様々な課題が残っているのです。

 

安倍政権は急ごしらえの制度が多すぎるため、現場は右往左往しています。

思いつき、その場しのぎのツケは誰が払うのか。これは間違いなく、未来の子供たちなのです。

 

 

デオシーク