ツナガレ介護福祉ケア

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唾石症の原因はストレス?治療法や予防、唾液力をチェックする検査~ツナガレケア

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唾液のはたらき

最近、唾液の重要な働きが続々と発見されています。唾液は風邪やインフルエンザの予防だけでなく、がん、肥満、誤嚥性肺炎などの感染症予防やアンチエイジングなどにも深く関わっています。

また唾液には、口の中を洗浄したり潤す役割があります。唾液が減って口の中が乾燥すると自浄作用が低下するため口臭がきつくなることがあります。自分の口臭が気になると、他人との会話や会食時に抵抗を感じることがあります。

 

中高年に多い「唾石症(だせきしょう)」とは

中高年に多いのが唾石症(だせきしょう)です。これは唾液腺の中や導管の中に石ができる病気です。唾石は砂粒大の小さなものから数cmに及ぶものまでみられます。唾液腺疾患のなかでも最も頻度が高い疾患の1つで、ほとんどは顎下腺に生じます。

原因は導管の炎症や唾液の停滞、さらに唾液の性状の変化などです。ものを食べようとしたり、食べている最中に唾液腺のある顎の下が腫れて、激しい痛みがおこり、しばらくすると徐々に症状が消退するのが特徴です。治療としては小さな唾石は開口部から自然に流出することもあります。口底部にある唾液の導管内にある唾石は口の中で切開して唾石のみを摘出します。

健康に唾液が必要なワケ

唾液には「IgA(免疫グロブリンA)という成分が含まれています。あまり聴き慣れない成分ですが、このlgaという成分が身体の中に入ろうとする細菌類をシャットアウトしてくれます。いわばlgaは「唾液力」なわけです。

唾液には、侵入してくる菌やウイルスを最前線で食い止めて体を守ってくれる働きや、虫歯のごく初期であれば、唾液の力で自然に元の状態に戻してくれる働きをしてくれています。さらに食べ物をやわらかくして消化を助けてくれたり、体に悪い影響を及ぼす活性酸素を減少させる働きもしています。

しかし加齢などで唾液力≒lgaが低下すると、病気になりやすい身体になってしまいます。つまり健康でいるためには「唾液力」を高めることがカギになるのです。

唾液力を高める食べ物とは

唾液力は、ふだんの生活習慣や心がけしだいで簡単に高めることができます。神奈川歯科大学・槻木恵一教授によると、おすすめは「ヨーグルトや納豆などの発酵食品」だそうです。

実際に毎日100グラム程度のヨーグルトを食べるだけで唾液力が高まったというデータもあります。またストレッチなどの軽い運動も唾液力の向上に効果があるので、ストレッチをしながら口腔体操などをしてもよさそうですね。

唾液の働きとキケンなサイン

唾液力が低下したときに見られる症状があります。具体的には「虫歯」「口臭」「風邪をひきやすくなった」などです。これらが気になるようになったら唾液力が弱まっていないかチェックしてみましょう。外出自粛によるストレス、暑さによる脱水状態も唾液力の低下に影響するそうです。

唾液力を30秒チェック!

ご自身の唾液力は正常か、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 500㎖のペットボトルを1日3本以上飲んでいる。
  • 食事のときに食べ物をみそ汁やお茶で流し込んでいる。
  • 口の中がネバネバしている、あるいはパサパサしている気がする。
  • 気がつくと口で呼吸をしている。
  • 入れ歯が入れずらくなってきた。
  • 口の中に口内炎などの傷ができやすい。
  • 歯磨きをしているのに虫歯が多い。

参考にしたのは神奈川歯科大学・槻木恵一教授の研究です。先生によるとチェックが3個以上ついた人は、唾液力が落ちている可能性があるそうです。

唾液力を鍛える方法

唾液の量を増やす方法には「見る」「かむ」「飲む」「押す」の4つがあります。簡単な増やし方を紹介します。

  1. 見る:梅干しやレモンなど酸っぱいものを想像したり、写真や映像を見てみましょう。自然と唾液が出てきます。
  2. かむ:かむ回数が増えるほど唾液は出てきます。食材を大きく切ったり、かみ応えのある食材を使うことも効果があります。食べるときの姿勢も大事です。
  3. 飲む:例えば、昆布で作る「うまみドリンク」を、口が渇いたときに口全体にいきわたらせることで、ドライマウスの症状の改善が期待できるそうです。
  4. 押す:口の周囲にある「唾液腺」を指で直接押してゆっくりマッサージする方法もあります。ただし気分が悪くなったり痛くなったらすぐに中止しましょう。

脱水時の口渇

脱水症状になると、口渇・口唇の乾燥などの症状が出ます。脱水では頻脈(心拍が非常に速くなること)が起こり、体液量の減少によって1回の心拍出量が減少し、血圧が低下します。皮膚の緊張感が低下します。皮膚を指でつまみ上げてから離して周辺の皮膚に戻るまでの時間が長くなります。

発達障害を唾液で診断する

発達障害の診断は難しいとされています。客観的な診断指標の開発が急がれる中、唾液で測定するRNAという方法が注目されています。遺伝学の専門誌に掲載されていた研究論文「子どもの自閉スペクトラム症(発達障害)に対する唾液RNAテストの検証」があります。

研究では、19~83か月の456人の子供についてRNAに関する分析が行われました。唾液テストの統計的な指標を見てみると感受性は82%、特異性は88%、陽性的中率91%となっていました。このことから、発達障害を診断する検査ツールとしての使用が期待されています。

私たちの健康に大きな影響を及ぼす唾液力。ふだんはあまり意識しませんがヨーグルトや納豆などを食べて高めていきたいですね。唾液が発するサインに敏感になる、これが健康の秘訣かもしれません。本日もありがとうございました。

 

 

 

 

 

 【引用文献】

 

  • 『ずっと健康でいたいなら唾液力をきたえなさい!』著者:槻木恵一