人間性を高める生きる力とは?
人間性を高めるために必要なのが「生きる力」ではないでしょうか。
たくましい「生きる力」を身につけることで他人にも優しくなり、自己を理解することができます。
豊かな人間性を育むために大切な生きる力。では、生きる力とはなんでしょう。
中央教育審議会の「21世紀を展望した我が国の教育のあり方」では、次のような要点を記しています。
「自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動する力」
言われてみれば、その通りですね。大人であれば、課題という文言に「仕事」や「恋人」などと置き換えると分かりやすいかもしれません。
- 人間性を高める生きる力とは?
- 生きる力をはぐくむ時期とは
- 養護保育のねらいとは
- ホリスティックアプローチと教育
- 生きる力を育む3つの要素
- ①レジリエンス教育の意味とは
- ②向社会的行動の読み方と、援助行動
- ③アサーションの意味とは
- まとめ
生きる力をはぐくむ時期とは
生きる力を最初に育てる時期は、幼児期です。保育指針には、こんな興味深い文言が記されています。
保育所は「子供が生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場」
つまり、幼児期の時間の過ごし方はそれほど重要なのです。
養護保育のねらいとは
幼稚園や保育園には「養護」と「教育」という二つの特色があります。
養護とは「子供の生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士が行う援助や関わり」のこと。いわゆる命と安全を守ることですね。
一方、教育とは「子供が健やかに成長し、その活動がより豊かに展開されるための発達の援助」です。
つまり未来に向かった援助であり、具体的には「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5つの領域があります。
すなわちこれが、幼児期のわが子が生きるために学びたい力といえるかもしれません。
ホリスティックアプローチと教育
幼児期に生きる力を養うため、保育所では何が必要なのでしょう。
保育所の第一の目標は、保護者の代わりに養育することです。
その役割はとても重要で、社会全体の維持や発展のためにも「短期的」「長期的」な視点が必要です。
長期的な目標は社会教育という観点から、子供を全体的・包括的に育成することを目標としています。
こうした取り組みはホリスティックアプローチとも称されます。
スウェーデンなどの北欧で導入されていることから「北欧型」と呼ばれたり、生活を重視することから「生活基盤型」と言ったりもします。
子どもは主体的に遊んだり学んだりすることで、多様な経験を獲得します。
例えばスケートボードが好きな子どもは、遊びながら仲間や大人との経験を通して「大会で優勝したい」などの目標を見つけて、成長していきます。
こうした主体的な活動(スケボー)を「プロジェクト」と呼び、テーマのある活動(大会で優勝したい)という活動が重要なります。
長期目標では、そのような遊びや学びを通して、総合的に発達させることを目指します。
生きる力を育む3つの要素
生きる力を養うための教材は世の中に溢れています。
その中でも親が知っておきたい3つの要素が「レジリエンス」「向社会的行動」「アサーション」です。
①レジリエンス教育の意味とは
不利な状況等に自身を適応させる個人の能力のことです。
つまり、外的な衝撃にも、心が折れることなく、立ち直ることのできる「しなやかな強さ」のことです。
レジリエンスは、もともとは「反発性」「弾力性」を示す物理の用語でした。
その後、「外からの力が加わっても、また元の姿に戻れる力」という意味で使 われるようになりました。
②向社会的行動の読み方と、援助行動
向社会的行動とは「こうしゃかいてきこうどう」と読みます。
簡単に言えば、他者に対して役に立とうとする行動のことです。
ボランティアの意味合いが強いかもしれませんね。
心理学的には、他人を助けることや他人に対して積極的な態度をさします。
「他者の身体的・心理的幸福を配慮し、ある程度の出費を覚悟して、自由意志から他者に恩恵を与える為に行う行動」と定義されています。
両親にとっては、このような心の育つ子供が理想かもしれませんね。
③アサーションの意味とは
自分も他人も大事にするコミュニケーション手法のことです。
より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの1つとして、よく聞く言葉かもしれません。
アサーションスキルを養うことで、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いを尊重しながら率直に自己表現ができるようになります。
まとめ
わが子の生きる力は、日常の接し方を少しずつ変えていくことで養うことが出来ます。
生きる力とは何か。
そしてどのような力を養ってもらいたいのか。
具体的な課題を決めて長期的な目標として取り組めば、子どもの「生きる力」はちゃんとつきます。
大切なのは、その子の傍に長くいる大人自身の意識かもしれません。
本日もありがとうございました。