ツナガレ介護福祉ケア

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暑がり、寒がり…エアコンの設定温度どっちに合わせる?体温や原因の違いとは~ツナガレケア

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体温のむずかしさ

暑がりの人と寒がりの人。同じ部屋で過ごしている場合、エアコンの設定温度が違って困ることがあります。暑がりの人にいわせれば、設定温度は低めにして寒ければ服を羽織ればいい。寒がりの人に言わせれば、設定温度を高めにして服を脱げばいい。いわゆる堂々めぐりとなるわけです。

基本的な情報としては、高齢者の体温は一般的に小児より低く、早朝の体温は1日のうちで一番低いです。腋窩温は口腔温より低く、体温中枢神経は視床下部にあります。こうした情報を踏まえた上でエアコンの設定温度について考えてみました。

暑がりと寒がりの体温は?

体温は、体が生み出す熱と体の外に逃げる熱のバランスで維持されています。つまり、暑がりの人は熱を多く作って逃げにくい人。逆に寒がりの人は熱をあまり作らず、熱が逃げやすい人といえます。

暑さや寒さは、皮膚や脳の中にあるセンサーで温度を感知します。その情報をもとに脳の中の「視床下部」から調整の命令がでます。体の中心部で設定されている温度は37度ぐらい。この温度は人間の脳を守るためにもっともよい温度とされています。

環境省の設定温度が論争の火種?

環境省は適正な室温の目安を夏は「28℃」としています。平成17年の「クールビズ」開始の際には室温設定の範囲(17℃以上28℃以下)に基づいて冷房時の室温28℃を呼び掛けていました。もちろん28℃という数値はあくまで目安です。冷房時の外気温や湿度、「西日が入る」などの状況、室内にいる方の体調も考えて、無理のない範囲で冷やし過ぎないように目安としているものです。

しかし環境省が室温28℃を目安としたことが「寒がり」VS「暑がり」の論争の火種になった可能性はあります。つまり、寒がり派は環境省の呼びかけに照らして室温28℃を主張。逆に暑がり派は「それじゃあ、暑くて死んじゃう!」と訴える。目安……という行政側のあいまいな設定温度によって、この問題はさらに複雑になっているようにも思います。

設定温度と乃木坂46

乃木坂46に「設定温度」という歌詞があります。エアコンの設定温度のようにすれ違う二人。恋愛の設定温度も「限界まで我慢しないで、もっと言い合った方がいい」という内容です。

そもそも人間は裸でも28~32度の部屋でじっとしていれば暑さも寒さも感じないそうです。自分では分からないけれど皮膚の表面の血管を開いたり閉じたりして、血の流れを変えることで、外に逃がす熱の量を微妙に調節しているそうです。しかし、この自動調節で体温を保つことが出来なくなると暑い寒いを感じます。

肌寒いと感じる時は「このままだと体の中の温度が下がってしまう」サイン。体の中心部の温度で30度以下または、41度以上になると脳の温度調節機能がストップしてしまい、死んでしまう危険もあります。ですからエアコンの設定温度は「寒がりVS暑がり」のどちらかに合わせる問題ではなく、暑さや寒さをうまく調節できない人を優先する視点が大切なのです。

 

 

エアコン、設定温度の合わせ方

エアコンの設定温度で大事になるのは室温です。設定温度が低くても、外気等の影響で室温が高い場合は少なくありません。寒がり暑がり、どちらかに合わせる前に室温のチェックをすることをおすすめします。国が定めているのも設定温度でなく室温です。夏は28℃、冬は20℃が推奨されています。室温を確認した上で設定温度を変えると良いかもしれませんね。

 

 

日本の湿度

日本の夏の暑さが過ごしにくいのは湿度の高さが影響しています。湿度が10%上がると、体感気温は1度上がるといわれています。設定温度を低くしても湿度が高いと不快に感じるケースは多いです。夏の湿度の目安は55~65%なので高い場合は、除湿モードを活用してみるのもおすすめです。

 

 

体温調節ができない人は……

寒がり暑がりは、体温調節が上手に機能していない可能性があります。暑いところに住むと皮膚の血の流れが多くなったり、体が熱を作り出す基礎代謝量が減ったり、熱をためやすい皮下脂肪が薄くなったりします。

体温調節ができる方は暑さ寒さに強いです。簡単な方法は基礎代謝をあげること。運動をして筋肉量を増やしたり、食生活を変えると効果的です。エアコンの設定温度をきっかけにライフスタイルの改善に取り組むのもありかもしれませんね。

まとめ

エアコンの設定温度で「寒がりVS暑がり」と対立している場合、まず湿度の確認をしましょう。国で推奨している室温は夏は28℃、冬は20℃が目安です。この目安になるように、まず設定温度を変えます。それでも暑いと訴える場合は、湿度を見直します。

設定温度の2~3℃は許容範囲ですが、それでも暑がる人寒がる人がいる場合は注意が必要です。体温調節機能が適切に働いていない可能性もあります。そうした場合は専門医に診てもらうことをおすすめします。

本日もありがとうございました。