ツナガレ介護福祉ケア

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車椅子おすすめの選び方とは?値段やレンタル、6つの種類と特徴~ツナガレケア

f:id:mamoruyo:20211029135950p:plain初めての介護では、車椅子を利用される方も多いです。グループホームで働きはじめた頃、どうやって利用者さんを車椅子から椅子やベッドに移乗させていいのか戸惑いました。一見、簡単そうな作業ですよね。でも実際にやってみると立たせ方、声かけ、移乗の際の手の位置など、注意すべきポイントはたくさんあります。

例えば、車椅子から利用者さんを力任せに移乗すると転倒の危険もあります。研修で習ったようにおばあちゃんを車椅子からベッドに移乗させようとしたら、体重が重くてバランスを崩し「まじ?やばいッ!」と焦った時もありました。

そのときは他のスタッフが駆けつけてくれて、二人がかりで無事に移乗しましたが、なんとも情けなくて落ち込みました・・・・・・。そんな車椅子。介護や福祉の現場では必需品です。今回は車椅子の基礎編として、選び方や種類、特徴などをまとめてみました。

車椅子の値段と相場

車椅子の値段は様々です。知り合いから中古をもらえればタダですし、カスタマイズすると軽自動車くらいの価格にもなります。ある利用者様は電動車椅子を自分流に改造して、トータルで200万以上はかかったとおっしゃってました。

 一般的に、新品の場合は2~3万円台の自走式が主流だと思います。しかし購入するよりも、おすすめしたいのは介護保険サービスを活用することです。利用者の負担は格段に減ります。

介護保険でレンタル車椅子を

介護保険を利用すると、車椅子はレンタル代の給付を受けられます。要介護度など条件はあるので、行政の窓口やケアマネや相談専門支援員などに相談しましょう。レンタルのメリットは、やはりお金です。ざっくりいえば、月5000円の車椅子をレンタルした場合、自己負担額は1割の500円でよいわけです(一定以上の収入がある場合は2割もしくは3割)。車椅子を購入するときは介護保険の適用対象外なので、原則自己負担となります。

レンタルのデメリットも

 よほど高い車椅子をレンタルしない限り、月々の負担額も少ないので介護保険を活用することはおすすめです。ですがデメリットもあります。車椅子の利用期間が長くなれば、月々のレンタル料もかさんできます。月々のレンタル料が500円だとしても1年間使用すれば6000円。10年間使えば6万円となります。「長い目でみれば購入した方が得だった」というケースがあるかもしれません。

 おすすめの方法は、まず車椅子をレンタルで使ってみる。次に自分に合う車椅子のタイプを見つける。その上で介護期間が長くなりそうなら購入するという流れが効率的なのかなと思います。

中古車椅子を買うときの注意

 リサイクルショップやネット通販でも車椅子の中古販売をしています。もちろん掘り出し物もありますがチェックポイントを知っておかないと、あとで後悔することも少なくありません。現物を見ないで購入するのは危険です。「乗れればいいや」とポンと購入いたものの、後々、操作マニュアルや小さな部品がないと困ることになります。

 理由は、中古品だと返品や交換ができないケースが多いからです。必ず購入後のサポート体制があるのかはチエックしましょう。繰り返しになりますが、車椅子は自転車のように乗れればいいというモノではありません。

身体の状況は変化します

本人はもちろん介護をする家族にとっても使いにくい車椅子では意味がありませんし、段差や坂道など利用者の生活環境によって選ぶタイプは違ってきます。介護の現場では車椅子を使っているうちに利用者の状態が変化することも少なくありません。自宅でも同じようなことが起こる可能性は高いです。

新品やレンタルの場合は専門家が別のタイプに変えるときもアドバイスをしてくれますが、個人間の取引の場合アフターケアは殆どありません。初めての購入では個人間での中古の車イス購入はオススメできません。

車椅子の種類は主に「6種類」

車椅子の種類はおおまかに6種類に分かれるようです。具体的には「自走介助兼用の車椅子」「自走車の車椅子」「介助用の車椅子」「簡易・携帯車椅子」「ティルト・リクライニング車椅子」「電動車椅子」です。それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。 

①自走介助兼用の車椅子、特徴

車椅子で一般的なのは、自走介助兼用の車椅子です。「兼用」という言葉通り、利用者も家族も両方が使えるタイプですね。特徴としては利用者自身が操作して移動が出来るように、後輪の外側にハンドリムがついています。

 一方、家族などの介助者が坂道でもスピードを調節出来るように、背部の押し手にブレーキがついています。自走もできて介助者もコントロールできるタイプの車椅子が「自走介助兼用車椅子」となります。はじめての車椅子にはおすすめのタイプです。

 

②自走式車椅子の特徴

自走式とは、後輪に利用者が操作できるハンドリムがついています。しかし介助者のブレーキはついていないタイプとなります。介助ブレーキがないため、価格が安いのが大きなメリットです。

 介護施設や病院などで使われている車椅子は、この自走式が多いですよね。ボクの働いていた施設でも自走式の車椅子はありました。シンプルなので丈夫です。またスチール製のタイプをよくみかけます。

 ③介助用の車椅子の特徴

介助用車椅子は、家族など介助をする人を前提に作られている車椅子です。前輪は自由に方向を変えることができますが、後輪にはハンドリムがついていないタイプが多いです。ハンドリムとは車輪の外側についている輪のことで、自分で操作をするときに使います。

基本的に利用者が操作をしないので自走用に比べると後輪の直径が小さく、操作しやすいのが特徴です。認知症の高齢者は、ご自身で車椅子を操作しないことも多いので、このタイプが使われたりします。グリップにも補助ブレーキがついているタイプもあります。

 

④簡易・携帯車椅子は子供に人気?

軽量で小さく折りたためるタイプの車椅子が「簡易・携帯車椅子」と呼ばれるものです。旅行のときはコンパクトで便利です。車輪が小さめなので一般の車椅子より乗り心地はよくありませんが、障がいのある子供の場合は家族旅行なども多いので重宝します。

 一部の商品には専用の収納バッグが用意されているものもあるようです。ライトバンなどに収納して必要な時に使用するケースもあります。災害など、もしもの時に備えて所有している人もいるようです。

 

⑤ティルト・リクライニング車椅子のメリットは?

こちらの車椅子は背もたれが倒せるタイプです。座面の角度が変わるタイプもあり、楽に座り続けることができます。とにかく車椅子生活が長くなると、姿勢が安定せずに床ずれができるなどの悩みがでてきます。

車椅子の利用者には「腰痛」で苦しむ方は多いです。リクライニングでゆったりとくつろげる、痛さを軽減できるのはそれだけで大きなメリットなのです。障害で姿勢の変換が必要な方や、バランス機能の低下をサポートすることもできます。

 

⑥電動車椅子の特徴とデメリット

電動の車椅子の進化は進んでいます。そもそもモーターで走るので運転免許証は必要なのでは?という疑問をもたれる方もいるかもしれません。原則、運転免許証は必要ありません。ただし質の悪い車椅子や間違った乗り方をして事故も増えているため、メーカーでは独自の教則本を渡したり、走行練習をさせたりと努力もしています。

電動車椅子の最大のデメリットは、頼り切ってしまうことだと感じています。例えば、自走式の車椅子を自分で動かせるのに、電動車椅子を使うことで体を動かさないという状況も出てきます。すると、使わない筋肉が衰えてADLが低下してしまうのです。

人間は楽を覚えると、どんどん楽をしてしまう生き物です。親切心で電動を購入してしまう家族も少なくありませんが、利用者自身が体を動かして車椅子を使えるのであれば、運動の機会を減らさないことが大切です。

 

まとめ

はじめての車椅子。種類も多くて選ぶのは大変ですよね。専門家に相談すれば、利用者のニーズに合った車椅子をいくつか紹介してくれるので、価格面や環境などを気軽に相談するのが確実だと思います。ぜひ、よい車椅子で出会えることを願っています。

本日もありがとうございました。