介護福祉オンライン

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AIロボット導入で変わる?3つのメリットとデメリット〜介護の活用事例と未来予想

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現在、国が力を注いでいるのが介護へのAI(人口知能)の導入です。

 

現在、日本女性の平均寿命は87.26歳。

 

30年前の平均寿命を調べると、なんと7歳も若い80歳くらいでした。

 

30年で7歳も平均寿命が延びたことを考えると、30年後にはさらに寿命は7歳伸びて、平均寿命が94歳になるのも夢ではなさそうです。

 

平均寿命94歳・・・・・・。

 

人間五十年と吟じた織田信長も、さぞ驚くことでしょう。

 

こうした「超超高齢」社会で介護の人手不足は深刻化しており、その切り札として期待されているのが人工知能(AI)です。

 

しかし、スマホにようやく追いついてきたオッサン世代にとって、AIのスゴさは分かり

づらいのも事実です。

 

介護では平均年齢も高く、まだまだ手書きで記録する施設も多い。企業はAIの活用を進めていますが、本当にメリットはあるのでしょうか。

 

 

目次

 

AI導入のメリットとは?

 

「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」の報告によると、これからAIが導入されると標準化されたケアが可能になるといいます。

 

具体的には、AIを活用した利用者の生活リズムやパターンの把握があります。

 

こうしたデータに介護スタッフの行動や、利用者のバイタルなどを関連付けていくことで適切なケアが提供できるそうです。

 

アナログ世代にはちんぷんかんぶんな世界へと突入しそうですが、ため息をついてもはじまらない。

 

未来の現場を想像してみました。

 

 

【未来事例】介護にAIが導入された世界

 

介護福祉の現場では、排泄介助という仕事があります。

 

ざっくりといえばトイレのお手伝いですね。認知症の進んだ利用者さんは、ご自身でトイレをすることも難しくなるので、ケアラー(介護士)が支援するわけです。

 

この排泄介助にもスキルが必要です。車椅子から便座への移動やオムツ、リハパンの交換など新人ケアラーにとっての登竜門でもあります。

 

未来にはこんなことが起こるかもしれません。

 

〇新人がトイレ誘導をしている。すると天井からAIの声が聞こえる。

 

 

AI「あ!ダメです。こちらの利用者サマはご自身で移乗できます。勝手にトランスしないでください。まずは声かけをお願いします」

新人「でも、今日は体調が悪そうですよ」

AI「今朝のバイタルに異常はありません。ご自身でできることはご自身にやっていただく。これはADL(日常生活動作)の低下を防ぐことにつながります」

新人「そうだけども・・・・・・」

AI「きょうのような利用者サマの行動パターンは69日前にもありました。通常よりも30秒長く声かけをして褒めまくってください」

新人「ほめまくるって何を?」

AI「時間がありません。では声かけスタート!」

 

 

いかがでしょう? 

 

現在、国内には約200万人の介護士がいるとされています。その数だけ介護のやり方は違いますし、利用者さんによっても変わります。

 

この業界の特徴のひとつに介護士のスキルや質、知識の幅の違いがあります。

 

良い悪いではなく、現場では無資格の初心者から、国家資格を取得した介護福祉士まで、同じ方を介護しています。

 

例えば、医療では患者さんに資格のない初心者が看護師と同じ仕事をすることはありません。

 

介護福祉でも資格は大事だと多くの人が思っています。

 

しかし人手不足や取得費用などの問題で、後回しになっているのが現状です。

 

 

ロボット活用で期待される3つの効果

 

EC業界ではAI搭載のロボットを導入したことで、人件費の3割削減を実現している企業もあります。

 

介護福祉業界ではAIによって期待されていることは主に3つあります。

 

「省人化」「コスト削減」「正確性」です。

 

人手不足解消やコスト削減ももちろんですが、現場で期待されるのはやはりケアの「正確性」だと思います。

 

とくに服薬についての正確性は重要です。

 

一般的に高齢者や障害のある方は多くの薬を処方されています。その服薬介助をするのがケアラーです。

 

薬の誤飲は利用者さんの命にかかわります。

 

スタッフは細心の注意を払いながら服薬介助をしているのですが、毎食、多くの薬を飲まれる方も多いのでミスがないともいいきれません。

 

AIによって、こうしたヒヤリハットが減ることは大きな効果だと思います。

 

 

接遇マナーとコミュニケーション

 

AIの導入で介護の仕事はどう変わるのか。

 

移乗や入浴の介助はロボットによって機械化されるかもしれませんが、介護は人間にしかできない仕事がたくさんあります。

 

そのひとつがコミュニケーションです。

 

たとえば、サービス業など実際にコミュニケーションをとることが多い仕事で求められているのが「接遇マナー」です。

 

接遇マナーを重視する事業所も増えていますが、AIやロボットの方が優秀になり、コミュニケーション能力も加わると、介護福祉の世界は大きく変わりそうです。

 

  

見守りサービスも登場

 

AIが進化するとカメラ機能でバイタルを計測したり、睡眠の質や食事の量、トイレのタイミングなども予測できます。

 

実は、すでにAIが個室の見守りサービスを行っている施設もあります。

 

その施設では、複数のセンサーを個室に設置して利用者の転倒検知などを行い、部屋で利用者の容態が急変すると即座に知らせてくれるそうです。

 
もっと進化すれば事故報告書も、AIがまとめてくれるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

AIのデメリット

 

人手不足といわれる介護業界で「切り札」と期待されている人工知能(AI)。

 

国は平成27年度の補正予算で、約5000の介護施設に介護ロボットの導入支援を実施しました。

 

こうした導入による介護職のデメリットは、やはりリストラです。

 

ご存じのように、銀行や保険など金融業界は「大リストラ時代」に突入しています。その背景には、AIによる業務のスリム化があります。

 

余剰社員やリストラされた社員は次にどこに配属されるのか。可能性が高いのは介護業界です。

 

銀行や保険会社はグループ内に介護関連の企業を持つところが多いです。

 

グループ内の配置転換で、介護の関連会社へ配置転換させる企業は多くなるのではないでしょうか。つまりAIの波は、介護業界に新たなパワーを呼び込むかもしれません。

 

とはいえ大企業の金融マンがいきなり介護業界で手腕を発揮できるかは懐疑的です。

 

「リストラされた」とネガティブな気持ちで介護業界にやってくるのと「介護を変えてやる」という意気込みで来た人とでは、現場の雰囲気は違ってきます。

 

AI時代の到来ととも介護も大きく変わりそうですが、介護業界に明るい未来が待っていると信じたいです。

 

本日もありがとうございました。