【ツナガレ介護福祉ケア】

東京都指定の障がい総合支援サービス事業所です。高齢者・障がい児・者、子育ての現場から発信しています!

マインドフルネス「実況中継」のやり方〜ストレス軽減の効果とは【ツナガレ介護福祉ケア】

f:id:mamoruyo:20201122144209p:plain

 

 

コロナ渦で不安や心配、イライラがたまり疲れている方も多いのではないでしょうか。

 

今回、紹介するのはストレスに効果があるとされるマインドフルネス・トレーニングのひとつ「ノンストップの実況中継」です。

 

  

目次

 

 

マインドフルネス、わかりやすく

 

マインドフルネスとはなんなのでしょう。まず「思考」という側面から探ってみました。

 

例えば、知らない人と出会ったとします。

 

人は初対面の人物と会った時、顔や話し方、雰囲気などを察知して、自動的に好き・嫌いを評価するそうです。

 

確かに、自分もそういう傾向はありますね。

 

ただしマインドフルネスの観点に立つと、その「好き・嫌い」の解釈や評価、感情のほとんどは個人的なバイアスだといいます。

 

バイアスとは偏(かたよ)りのこと。つまり、偏(かたよ)りがあるため、現実をありのままに見ているようで、見ていない事が多いそうです。

 

例えば、初対面でも地位や名誉がある人だと分かれば肩書で判断してしまう。

前科があれば罪を償っても、ストレートに今を見ないで色眼鏡でみてしまう。

血液型がО型だとわかると、自分とは相性が合わないかな、と感じる~などなど。

 

目の前にいる人。

 

その現実だけを見ればいいのですが、人生経験が増えるほど自身の「思考」が優先されていきます。そして「目の前の現実」だけを見ることが難しくなります。

 

実は、マインドフルネスで重要視しているのは、この「思考」です。 

マインドフルネスの定義とは次のようなものです。

 

 

今の瞬間の『現実』に常に気づきを向け、その『現実』をあるがままに知覚し、それに対する思考や感情には囚われないでいる心の持ち方、存在のありよう。

 

 

「そんなこと当たり前じゃない」

 

と思う方は多いかもしれません。僕もその一人でした。

 

しかし「現実をあるがままに知覚する」ことは容易ではありません。

それを出来た人が歴史上に名を残し、世界を変えました。

 

その人の名は、ブッダです。

 

 

ブッダと瞑想と、マインドフルネス

 

マインドフルネスとは、元々はパーリ語(ブッダが日常会話で使っていた言葉)の「サティ」という言葉の英訳です。

 

サティ(Sati )とは、sarati(思い出す)の意味です。日本語では「気づき」、漢語では「念」と訳します。

 

漢語の念とは、今ここを忘れない(思い出す)心のことです。

 

ブッダは気づきを得て悟りを開きました。そして心を育て、ストレスや悩みからの完全な解放、完全な心の安らぎを得たのです。

 

この教えを科学的に解明したのが、マインドフルネスといえます。

 

 

簡単にできるマインドフルネスのやり方 

  

 

ブッダが実践していた瞑想法を科学的に分析して生まれたのが、認知行動療法の第三の波といわれる「マインドフルネス」です。

 

マインドフルネスによるストレスを克服するポイントは4つあります。

 

  1. 呼吸に伴う身体感覚、五感と自動思考、感情などの私的出来事に今ここで注意を向けること。
  2. 注意を向ける私的出来事に対して排除しようとしたり同一化することなくそのままにしておくこと。
  3. その結果、すべての私的出来事は変わり続けていく一過性の出来事にすぎないのだと知る。
  4. そして執着すると苦しむことになるという洞察を得る。

 

翻訳だと何だか小難しいですね。僕なりに解釈すると次のようになります。

 

  1. 呼吸を意識しながら今の状態に気づきを向ける。
  2. その状態をありのままに感じてみる。
  3. すると僕らは皆、過ぎゆくものだと分かる。
  4. だから悩んでいてもしようがない。

 

 

 

 

「ノンストップの実況中継」のやり方
 

マインドフルネストレーニングの1つがノンストップの実況中継です。

 

ノンストップの実況中継は今、自分の身体が何をしているのかを頭の中で簡単な言葉で確認しながら行う技法です。

 

スリランカ仏教界の長老スマナサーラ高僧が提唱しています。

 

日常の生活で実践できるのが特徴で、方法はシンプルです。

ここではコップに入った水を飲むときのやり方を紹介します。

 

  1. 水を飲む動作を一つひとつ心の中で実況中継する(声に出す必要はない)
  2. 「手をあげる、手をあげる、手を上げる」など簡潔な言葉を使う
  3. 「取る、取る、取る」「運ぶ、運ぶ、運ぶ」「飲む、飲む、飲む」など動作の実況を行う
  4. 自分の身体が今何をしているのか、明確に意識する

 

上手に行うポイントは、動きを分析したり説明することではなく、その瞬間の行為を途切れなく心の中で実況中継することです。

 

手を上げる、取る、運ぶ…などシンプルな言葉を繰り返しいいながら、ゆっくりと水を飲んでいきます。

 

この時、余計なことを途中で考えないようにします。

 

飲んでいるという行為に集中することで「思考」をストップさせるのです。

 

なぜ思考をストップさせるのか。

 

それは不安や心配、イライラなどの原因は殆どが思考、つまり考えていることによって生じるからです。

 

厄介なのは、これら不安や心配、イライラは「過去」や「未来」について考えていることが多いのです。

 

乱暴に言えば、今更、悔やんでも仕方がない「過去」や、それこそ何が起こるか分からない「未来」について人間は悩み、苦しんでいるのです。

 

 

生きるエネルギーの無駄をなくす
 

ストレスを克服する近道は「生きるエネルギー」の無駄をなくすことです。

 

存在しない過去と未来のストレスは、生きるエネルギーを浪費します。

 

今この瞬間……それだけにエネルギーを使えば頭脳は何倍も働き、力がみなぎり、少しぐらいのストレスではびくともしないようになります。

 

ブッダの教えを紐解くと「無駄な思考は莫大なエネルギーの浪費」だという答えがみえてきます。

 

確かに悩みや苦しみは、ほとんど過去や将来のこと。

 

「あーすればよかった」「なんであんな事を」と考えても時間は戻りませんよね。

 

また将来も同じで「このままで大丈夫か?」「悪いことが起きるかも」と考えても未来は神様にしか分かりません。

 

それでも僕たちの「思考」は心配や悩みで日々、グルグルと回り続けます。

 

ノンストップの実況中継はこうした思考を一時でもストップする方法です。

 

すぐにブッダの境地に辿り着くことは出来ませんが、興味のある方は一度試してみてはいかがでしょう。

 

本日もありがとうございました。

サトシ(@satoshi_Jp0415)でした。

 

 

 

 

 

 

参考文献

 

熊野宏昭:21世紀の自分探しプロジェクト サンガ,2009
熊野宏昭:ストレスに負けない生活 ちくま新書,2007
熊野宏昭:新世代の認知行動療法入門 こころの科学,2010
A・スマナサーラ:自分を変える気づきの瞑想法 サンガ,2004
Hayes SC,Follette VW,Linehan MM:Mindfulness and Acceptance,Guilford,New York(2004)
(武藤 崇,伊藤義徳,杉浦義典(監訳)
マインドフルネス&アクセプタンス:
認知行動療法の新次元,ブレーン出版,2005)
・kabat-Zinn,J:Wherever you go,there you are:Mindfulness  meditation in every-day life.New York:Hyperion.(1994)