【ツナガレ介護福祉ケア】

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重度訪問介護の仕事とは?資格や利用者、単価などを現役介護士が解説

 

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重度訪問介護のケアラー (ヘルパー)として障害のある方たちと接しています。

利用者さんは個性的で興味深い方が多く、日々、発見があります。

 

僕自身は、13年ほど前から心理や福祉関連の研究をしてきましたが、実際に現場に出てみるとリアルな現実がまざまざと見えてきます。

 

例えば筋ジストロフィーの方は、お茶碗半分ぐらいの量を2時間以上かけて食べます。

 

口も大きく開けないので、 わずかな量をスプーンで掬ってゆっくりと食べて頂きます。初めてのときは口に入れるタイミングや量が分からずに戸惑いました。

 

もちろん食事介助のやり方は研修などで学びますが、練習する人は受講生同士。なんとなくのイメージを掴むことはできますが、リアルな現場とは異なります。

 

はじめて食事介助をしたときはビビリましたが、僕はタイミングや量などで悩んだ時は正直に利用者さんに話すようにしています。

 

こちらの困った様子は相手も察します。なので包み隠さずに今の状況を伝えると、逆に利用者さんが対処の仕方を教えてくれます。

 

こうしたやりとりを続けているとコミュニケーションがスムーズになっていきます。

 

例えば利用者さんがこだわっていることがあります。なかには変えた方が良いと思う行動もあります。そのときでもスムーズに話せる関係を築いていると楽です。

 

個人的には、親戚や友達の家にいく感覚でケアができるようになると居宅介護は楽しくなっていく気がします。

 

 

重度訪問介護の資格とは?

 

重度訪問介護とは、障害のある方の支援を行うサービスです。

ケアラー として従事することができる資格要件は以下となります。

 

  • 重度訪問介護従業者養成研修の修了者
  • 介護福祉士
  • 介護職員基礎研修修了者
  • 居宅介護従業者養成研修1級、2級、3級課程修了者
  • 訪問介護員養成研修1級、2級、3級課程修了者

 

重度訪問介護のケアラー(ヘルパー)は入れ替わりが激しいです。理想を言えば、同じ人が同じ利用者さんをケアしていることが望ましいです。

 

しかしケアラー も高年齢化しており、どこの事業所でも人手不足です。

 

ケアラー の定着率を高めるためには給与体制の改善は必要ですが、厳しい言い方をすれば事業所にも問題があるように思います。

 

悪しき習慣を継続している事業所や経営ノウハウのないまま運営している事業所、行政への申請を面倒くさがって加算請求を怠っている事業所なども少なくありません。

 

ケアラー の質の向上も大切ですが、訪問事業所の改善も必要です。

 

 

重度訪問介護の対象者は?

 

重度訪問介護の対象者は、①肢体不自由のある人、②知的障害のある人、③精神障害のある人です。

 

厚生労働省によると「障害支援区分4以上に該当。二肢以上に麻痺などがあり、歩行、移乗、排尿、排便のいずれもが支援が必要な人」であり、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者です。

 

 

重度訪問介護の障害とは

 

重度訪問介護の利用者には次のような方がいます。

 

 

・筋ジストロフィー

・脊髄損傷

・ALS

・遷延性意識障害 

・重症心身障害者

・強度行動障害  

 

 

 重度の障害のある方にケアラーは身体介護や家事援助、行動援護、移動支援などを行います。 

 

身体介護には食事介助やトイレ、着替えの介助などがあります。家事援助は調理や洗濯、買い物などを手伝います。

 

身体介護のやり方も障害によって違いますし、利用者の住宅環境によっても変わってきます。

 

トイレの介助も大変だと思いますが、マスクと使い捨てグローブがあればなんとかなります(笑)。

 

介護を行う環境をしっかりと整えておけば、家庭での介護もなんとかなるものです。逆に言えば、知らないまま介護を行うと大変なことになります。

 

使い捨てグローブは便利ですが、サイズ間違いには注意しましょう。

少し大きめの方が使いやすいかなというのが個人的な感想です。

 

 

 

重度訪問介護の単価とは?

 

重度訪問介護の報酬単価は、1時間未満184単位です。

単位をだいたい10円とすると時給1840円というところでしょうか。

 

ただし行動援護や移動支援、地域やサービス内容などで異なります。

 

ただしこの中に事業所の管理費や家賃などの経費もかかってくるので、ケア側に支払われるのはもっと少ないでしょう。

 

ちなみに僕の事業所では、時給は資格者は1500円です。さらに処遇加算を1割のせるので時給1650円となります。

 

一般の事業所よりは高めかもしれませんが、業界の底上げを考えるともう少し高いと良いかもしれません。

 

ちなみに訪問看護、つまり看護師の場合は30分以上1時間未満で、約8500円くらいでしょうか。こちらも地域やサービス内容、改正前後でも違うので参照までに留めておいて下さい(詳しくは近くの公共機関にお尋ねください)。

 

ここから事業所の運営費などを引くと、時給2500円くらいになるのかなあ、というイメージです。

 

実感としては、訪問介護の介護士よりは看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのコメディカルの報酬は高く、訪問医師はさらに高いというイメージです。

 

しかしこれは時間数の関係もあります。

 

介護職は利用者と関わる時間が長いので時給を低く抑えているように思えます。

 

ただ命を預かる専門職への報酬としてはやはり安いと感じます。特にコロナ渦においては危険も伴うので、人材確保の観点からも即急の対策が必要です。

 

 

重度訪問介護の問題点

 

重度訪問介護の2016年度の費用額は約735億円です。利用者数も増えており、事業所も増加しています。

 

利用者一人当たりの費用額をみると2014年は約49.5万円。2016年には約58.9万円となっています(出典:厚労省)

 

利用者の自己負担は1割で残りは公費で賄っています。ただし生活保護受給世帯は無料です。

 

障害者総合支援法に基づく障がい児/者の支援は、当事者や家族、支援者が命がけで闘って勝ち取ってきたという歴史があります。

 

しかしサービスや制度は複雑です。事業所やケアラー の質も差が大きいです。

 

乱暴にいえば「障害者を食い物にしている」ような事業所の存在も耳にします。

 

そうした事業所はケアラーの報酬も搾取して経営者だけが潤うようなシステムを構築しています。

 

措置からサービスへ・・・日本も大きく舵を切りました。

 

新しい時代を切り開く改革者がこれからの介護福祉業界には必要だと心から思います。

 

 本日もありがとうございました。