介護福祉オンライン

高齢者・障がい者、子育ての現場から、介護福祉の楽しさや難しさ、問題点などを伝えるWebマガジンです。

発達障害に見られるコミュニケーションの特徴〜症状や7つの支援方法とは

f:id:mamoruyo:20201231174516p:plain

 

発達障害のコミュニケーションの特徴とは

 

発達障害のある方は、他人とのやりとりが必要な場面で、十分なコミュニケーションをとることが苦手です。極端な人見知りだったり、逆に初対面の人に「その服、変」などストレートに言ってしまいます。

 

また他人の話には興味がない人、冗談やお世辞、皮肉などが通じない人も少なくありません。IQの高い、いわゆるエリート系のコミュ障には無感情で学者のような言い回しで話したり、雑談を嫌うタイプもいます。

 

発達障害のある方に見られるコミュニケーションでは「理解の困難」「発信の困難」「やりとりの困難」の3つの特性があります。具体的にはどのように対応すればいいのか。この記事では現場で役立った7つの支援方法を解説します。

 

 

 

 

発達障害のある方への7つの支援法

 

 

僕は発達障害のある方の支援を行う際には、利用者さんの特性を見ながらアレンジして対応しています。これから紹介する7つはそのベースとなるやり方です。

 

 

①絵や写真、シンボルなどで伝える

 

発達障害のある方は見えない物の理解が難しく、音声言語の理解も苦手です。聴覚よりも視覚が発達しているタイプも少なくありません。福祉施設では絵カードを用いて、利用者さんの気持ちや好きなモノを確認することもあります。

 

このときもたくさんの絵カードを用いるのではなく、例えば「花」の絵カードと「車」の絵カードをふたつ出して、「どちらが好きですか?」などと尋ねたりします。

 

見える情報も一度にたくさん理解できなかったり、考え込んでしまうこともあります。情報は精査しながら本人の気持ちを確認していきます。

 

重要なのは「本人が理解できる、見える情報」で伝えること。つまり、本人が理解できる情報はなにかを理解することが大切であり、それを見える化すると効果があるように思います。

 

これは子供の教育にも言えることかもしれません。どうしても大人の立場で伝えてしまったり、自分が分かっているから相手も分かっているだろうという姿勢で臨んでしまうことがあります。

 

コミュニケーションの上手下手には定義がなく、自分主体で考えてしまうことがあります。これは一般的に当たり前に知っているだろうとか、これは当然できるでしょうという先入観があると、どうしてもコミュニケーションはうまくいきません。

 

僕もなるべく「わかるだろう」という先入観をなくして支援することを心がけています。

 

  

②伝える量に配慮する

 

発達障害のある方は「見える情報」で考える傾向が強いように思います。そのため一度にたくさんの情報を言葉で伝えると混乱してしまうことがあります。

 

僕は伝える量は3つを基本としています。例えば1日のスケジュールであれば、「散歩、食事、薬」など3つのキーワードを示します。それが終われば、次の3つをキーワードにして伝えています。

 

最初はもう少し多くを伝えていましたが、3つに落ち着きました。3という数字は伝わりやすいのが実感です。

 

 

 

③理解できるまで待つ

 

理解するのに時間がかかるのも発達障害のある方の特性です。責め立ててパニックに陥らせないような配慮も必要です。一般的な「理解」の速度を捨てる、優しさを持つことが必要かもしれません。

 

例えばこちらが説明した後、1分以上じっと止まってしまう方もいます。1分と聞くと短いようですが、実際にストップウォッチで測ると静止した状態での1分はかなり長く感じます。

 

介助者もはやく次のスケジュールに行きたいため、静止している利用者さんを急かしたいのは山々ですが、ここはじっと我慢します。すると、ある瞬間にスッと腑に落ちたのか、パパパっと素早い行動をする方も多いです。

 

待てば海路の日和あり、ともいいますが発達障害の方のケアは「待つのも仕事」だと考えるようになりました。

 

 

④苦手な刺激に配慮する

 

 

音や声などの聴覚に過敏に反応する人もいます。利用者さんが、どのような刺激が苦手なのかを把握することも重要です。例えば、運動会の時にかかる徒競走の音楽が苦手な子供は、ずっと耳をふさいでいたりします。

 

これも介助者の思い込みが出てしまうことがあります。一般的に誰もが好きな音楽は発達障害のある人も好きだろう、という思い込みです。

 

むしろヘビーメタルやパンクロックなどを聞くと落ち着くというケースもあります。まずは先入観を捨てて特性を見て、苦手な刺激に配慮するように心がけています。

 

 

 

⑤誰に、どうやって伝えるか分かるように支援する

 

発達障害にみられるコミュニケーションの特徴としては、誰に伝えたらいいのか分からない、どこに伝えたらいいのか分からない、ということがあります。

 

言葉が上手に話せない方もいますので、自分の感じたことや考えを単語帳にメモして整理して伝えてもらう、のも対処法のひとつです。

 

 

⑥忘れた時に思い出す工夫をする

 

忘れやすい傾向があるのも発達障害の特徴のひとつです。例えば、約束や待ち合わせを忘れたり持ち物を電車の中などに忘れてきてしまうこともあります。

 

逆に定位置にこだわる人もいます。自分が決めた場所とは違う場所にあると違和感を覚えて、何度も同じ動作を繰り返しながら元に戻したりを繰り返します。

 

持ち物を減らしたり、モノの置き場所を決める工夫も効果的です。また忘れ物の防止アプリを活用してみるのも良いかもしれません。

 

 

⑦会話も見えるツールで行う

 

発達障害のある方は、他者の「気持ち」など見えないものの理解が難しいです。楽しい、悲しい、怒っているなどの気持ちを伝える時はオーバーアクションの方が理解してもらえることが多いです。

 

今の感情をカードやイラストを見せて伝える工夫も効果的です。相手の処理速度がわかってくると、感情の伝え方もうまくなってきます。

 

たくさんの人がいる場所。例えばファミリーレストランに行くと情報が多くなり、脳処理が難しくなる方もいます。パニックになるのを防ぐために場所や人数に配慮するのも効果的です。発達障害のある方の特性を捉えると上手にコミュニケーションが取れるようになる気がします。

 

 

若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム

 

ハローワークではコミュニケーション能力に困難を抱えている人への支援も行なっています。 ニーズや特性に応じたきめ細かい支援を実施しているそうですが、こうした支援プログラムの存在はあまり知られていないように思います。

 

コミュニケーション障害の方は、様々な困難を抱えています。しかし工夫や支援方法によって、ある程度は克服することは可能です。現場で働いて思うのは、障害の分野はまだまだ発展途上だということです。

 

より良い支援をするためには何が必要か。日々の経験を通じて学んでいきたいと思います。本日もありがとうございました。