突然死を防ぐ方法とは
悲しいことですが、乳幼児が突然に亡くなることがあります。「乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン」には、乳幼児の突然死症候群の定義を次のように示しています。
それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が固定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群
残念なことに、解剖がなされない場合や死亡状況調査が実施されない場合は、死因の分類が不可能であるとされます。こうした悲劇を起こさないためにはどうすればいいのか。日本小児科学会は、発生率を有意に減少させるために健康な乳児は仰向けに寝かせることを推奨しています。
もちろん、うつぶせという所見だけで、直接死因であるという診断をされることはありません。慎重に診断されます。また、人工乳がSIDSを引き起こすということではありませんが、厚生労働省は、なるべく人工乳ではなく母乳で育てることを推奨しています。
子供の窒息死事故の原因とは
消費者庁の分析によると平成22 年から平成26 年までの5年間で、子ども(14 歳以下)の窒息死事故623 件のうち、食品による窒息死事故は約17%を占めていました。
つまり食品が子どもの窒息死事故を引き起こす原因の一つとあるといえます。さらに調査では驚くこともわかりました。実は、食品による窒息死事故103 件のうち87 件が6歳以下の子供で発生していることも確認されたのです。
窒息死事故の原因となった食品
窒息死事故の原因となった食品には、菓子類、果実類、パン類などがあります。これらは日常的に食べている物ばかり。不安は募ります。子どもを守るためにはどうすればいいのか。専門家は食品による窒息事故を防止するためのいくつかのポイントを挙げています。
まずは、「食品を小さく切り、食べやすい大きさにして、よく噛んで食べさせる」など子どもへの食品の与え方に注意すること。2つ目は「遊びながら、歩きながら、寝転んだまま食品を食べさせない」など食事中に注意を払うこと。3つ目はピーナッツなどの硬い豆・ナッツ類は誤って気管支に入りやすいので、3歳頃までは食べさせない方が良いということです。
食物アレルギーで気をつけること
子どもの食事ではアレルギーにも気をつけたいです。いわゆる食物アレルギーには、主に免疫グロブリンE(IgE)抗体によって起きる即時型と遅延型があります。
即時型は、原因となる食べ物を摂取した後の2時間以内(平均30分以内)に症状が現れます。一方、遅延型は原因食を食べた1時間から2時間以降に症状が現れます。時には1日から2日後のこともありますので判断が難しいです。
食物アレルギーの症例数が多いものは、卵、乳、小麦です。また、アレルギーの特定材料として食品衛生法で表示が義務づけされている食品には、えび、かに、そば、落花生などを含めた7品目あります。ちなみに特定原材料に準ずるといわれているものは以下となります。
- あわび
- いか
- いくら
- オレンジ
- キウイフルーツ
- 牛肉
- くるみ
- アーモンド
- カシューナッツ
- ごま
- さけ
- さば
- 大豆
- 鶏肉
- バナナ
- 豚肉
- まつたけ
- もも
- やまいも
- りんご
- ゼラチン
まとめ
子どもの突然死は家族にとって避けるべき悲劇です。もちろん人生に絶対はありません。僕も我が子を病気で亡くしているので悲しみを乗り越える大切さも知っています。
しかし、できる限り予防をしておくことに損はありません。食べ物による子どもの死亡が多いと知ることでも予防につながるのかな、と思います。
また食物アレルギーにも気をつけたいです。たとえば「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」のなかでは、「食物のアレルギーはあらゆる食物が原因となり、頻度は年齢によって異なる。乳児期では、鶏卵、乳製品、小麦が三大アレルゲンであり多くを占める」と示されています。最近では、幼児のいくらやピーナッツアレルギーなどが増えてきているそうです。
本日もありがとうございました。