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悩みを誰にも相談できない・・・専門相談員の仕事内容や資格要件、役割とは

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悩みをだれにも相談できない

 

 ソーシャルワーカーとして痛感するのは、母子家庭やひとり親家庭、もしくは家庭内の不和などに直面している方の、気持ちや悩みを打ち明けられる窓口が知られていないことです。行政機関の施設には専門の相談員がいますが、彼らの仕事内容や役割を知っている方はどれくらいいるのでしょう。

 

 専門相談員という肩書きだけ作って、実際のサービス内容を国民に広く訴求しないのは行政側の怠慢だと言わざるを得ません。出版物などの紙ベースでのPRは行われていますが目にする機会は殆どありません。

 

 今後はデジタルを活用したパンフレットなども多く制作されることと思います。そうした意味では今後のデジタル庁には期待しています。今回は、社会福祉分野で主だった専門相談員の仕事や役割を簡単に紹介します。

 

 


 

家庭支援専門相談員の役割とは

 

家庭支援専門相談員は、ファミリーソーシャルワーカーとも呼ばれます。ファミリーソーシャルワーカーの業務は、入所児童の早期の退所を促し、親子関係の再構築を支援することです。

 

そのため、児童相談所と密接に連絡を取り合って連携します。

保護者とは電話や面接をして、児童の早期家庭復帰、里親委託などの相談援助を行います。

資格要件は次のとおりです。

 

  • 社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者
  • 児童養護施設等(里親を含む)において児童の養育に5年以上従事した者
  • 児童福祉法第13条第2項各号のいずれかに該当する者(児童福祉司資格)

 

里親支援専門相談員とは

 

ドラマでも取り上げられた里親を支援する専門家が、里親支援専門相談員です。

里親支援専門相談員は、児童養護施設や乳児院に配置されます。

別名、里親支援ソーシャルワーカーとも呼ばれます。

 

仕事内容は、児童相談所の担当職員などと連携して、施設で暮らす入所児童の里親委託を推進します。

 

また里親の新規開拓や里親向けの研修、アフターケアの相談対応を行います。

資格要件は次のとおりです。

 

  • 社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者
  • 児童福祉法第13条第2項各号のいずれかに該当する者(児童福祉司資格)
  • 児童養護施設等(里親を含む)において児童の養育に5年以上従事した者で、里親制度への理解及びソーシャルワークの視点を有するもの

 

心理療法担当職員とは

 

心理療法担当職員は、虐待などで心の外傷を負っている子どもに心理療法を施し、心理面のケアを行います。

また、その保護者に対して心理療法を行うこともあります。

 

心理療法担当職員になるには、大学で心理学を専修する学科を修めて卒業した人。また個人や集団心理療法の技術を持つなどの資格要件があります。

 

 

学校教育法の規定による大学の学部で、心理学を専修する学科若しくはこれに相当する課程を修めて卒業した者又は同法の規定による大学の学部で、心理学に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、同法第102条第2項の規定により大学院への入学を認められた者であって、個人及び集団心理療法の技術を有し、かつ、心理療法に関する一年以上の経験を有するものでなければならない。

 

 

 

心理療法担当職員が働くのは、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、児童自立支援施設などです。

 

心理療法の必要がある乳幼児や児童、保護者、母子が10人以上いる場合に配置が義務づけされています。

 

また児童心理治療施設には、人数に関係なく必ず配置されます。

 

 

個別対応職員

 

あまり聞きなれない個別対応職員。

 

個別対応のスペシャリストとして、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設に配置が義務づけられています。

 

母子生活支援施設でも、配偶者からの暴力により、個別に支援が必要な母子がいる場合は配置します。

 

また、虐待を受けていた子どもに個別に対応し、その保護者に対しても、相談・指導をします。

 

資格要件は配置施設の規定のみですが、人間力が試される仕事でもあります。

 

 

母子支援員になるには

 

母子支援員は、母子生活支援施設に配置される職員です。

 

離婚で経済の基盤を失ったり、精神的なケアが必要となったり、さまざまな課題を抱える母親は多いです。

 

母子支援員は、こうした母親の就労支援や育児相談、関係機関との連絡調整などを行います。

 

母子支援員は、母子・父子自立支援員と名称が似ていますので、混同しがちです。

 

母子支援員(旧母子指導員)の資格には、保育士、社会福祉士、精神保健福祉士の3つがあります。

 

しかし、必須条件というわけではありません。資格がなくても、児童福祉事業において2年以上の実務経験があれば大丈夫ですが、それなりの資格を求めている施設は少なくありません。

 

まとめ

 

今回は家庭支援専門相談員、里親支援専門相談員、心理療法担当職員、母子支援員、個別対応職員について解説しました。

 

資格要件としては、社会福祉士の資格を持っていると汎用性はありそうです。しかし資格があっても現場で通用するとは限りません。

 

とくに社会福祉の現場では、机上の空論を振りかざすと空回りしてしまうことが少なくありません。

 

対応する利用者は辛く、苦しい物語のある方が多いです。寄り添う気持ちも大切ですが、なによりも信頼関係を築くことが重要だと実感しています。

 

専門相談員の仕事内容など知らない方も多いので、肩書はあまり役に立ちません。知行合一が何よりも大切だと思います。本日もありがとうございました。