介護福祉オンライン

高齢者・障がい者、子育ての現場から、介護福祉の楽しさや難しさ、問題点などを伝えるWebマガジンです。

マンツーマン保育も。居宅訪問型保育事業(家庭的保育者)メリット・デメリットとは

 

f:id:mamoruyo:20210316190439j:plain



 

居宅訪問型保育事業とは?

 

子どもの保育を専門家が自宅で行うサービスに「居宅訪問型保育事業」があります。

 

このサービスは、保育を必要とする満3歳未満の乳幼児の保育を「家庭的保育者」という専門家が自宅で行うサービスです。内閣府が平成27年4月よりスタートさせた「子ども・子育て支援新制度」のひとつです。

 

待機児童解消に向けて、専門家が自宅でマンツーマンで育ててくれるのであれば、ママパパ、養育者にとってありがたい制度です。

 

ほかにも子ども・子育て支援新制度によって家庭的保育、小規模保育、事業所内保育などが誕生しました。これらは地域型保育事業といいます。

 

今回は自宅で保育を行うサービス、居宅訪問型保育事業について紹介していきます。

 

 

 

対象となる子どもは?

 

居宅訪問型保育では何をするのでしょう。具体的には、家庭的保育者と呼ばれる専門家が、子どもの自宅を訪問して1対1のマンツーマンを基本として保育を行います。

 

しかし、このサービスを利用するためには、次のいずれかを満たしている必要があります。また、市町村長が認めることが条件です。

 

<原則:3歳未満の保育を必要とする乳幼児>

 

  1. 集団保育が著しく困難だと認められる障害・疾病がある
  2. 保育所の閉鎖などにより、保育所などの保育を利用できなくなった
  3. 入所勧奨等を行っても保育の利用が困難で、市町村による入所措置の対象となる
  4. ひとり親家庭で保護者が夜間勤務に従事など、家庭環境を鑑みて必要な場合
  5. 離島などの地域に住んでいて、居宅訪問保育以外の地域型保育事業の確保が難しい

 

利用者は、障がいや疾病がある子が多いのですが、グレーゾーンの子どもにも役立ちます。

 

現在は身体障害だけでなく、発達障害、自閉症など子どもの障がい認定の幅は広くなっています。

 

集団保育に入る前に自宅でじっくりと子どもの特性を知ることも大切です。気になる行動が見られる時は、保育園の入園前に地域療育センターや児童相談所などに相談してみましょう。

 

家庭的保育者とは?

 

居宅型の保育は、子どもひとりにつき保育者1人の配置となります。

 

専門家の資格としては、保育士または保育士と同等以上の知識や経験があると市町村長が認める者です。

 

保育の場所となる自宅の面積基準は、特にありません。ただし、障がい児を保育する場合は、専門的な支援を受けられる施設の確保が必要となります。

 

自宅で保育してくれる時間は、原則1日8時間です。保育所保育指針に準じた保育サービスを提供します。

 

家庭的保育者の資格は、市町村長が義務づけている基礎研修を受講します。保育士の資格がない場合は、講義と保育実習の認定研修を修了する必要があります。

 

認定研修によって、保育士と同等以上の知識や技術を持っていると市町村長が認めます。

 

 

マンツーマン保育、利用の流れ


自宅での保育を利用したい方は、一般的な認可保育園の申込みと同様、住んでいる市区町村から認定を受ける必要があります。ただし、認定後に希望者が多い場合は選考が行われる可能性があります。

 

自治体によって利用の流れは変わることがありますが、一般的には自治体から訪問型保育をしている事業者に連絡があります。

その後、事業者と利用者との面接が行われ、手続きを行っていく流れとなります。

 

訪問保育のサービス内容

 

家庭に訪問する保育サービスですが、基本的なことは保育所などと変わりません。家庭で1日8時間の保育を提供するイメージです。

 

1日のモデルケースを紹介します。

子どもや家庭の環境で多少変わることもありますが、おおまかには保育所と同じような内容を行うイメージです。ただしベビーシッターとは違い、使いたいときだけ、やってほしいことのみ頼める事業ではありません。

 

  1. 基本は認可外保育施設へ通園し、通わせられない時だけ居宅訪問型保育事業を利用する。
  2. 保護者が自宅内で仕事をする場合や療養が必要な場合、保護者がいるスペースと保育を行う場所が分かれていない。

 

利用にあたっての留意点

 

利用に関しては各市町村によって若干の違いがありますが、一般的なケースは次のとおりです。

 

 

保育料

 

 保育料は、認可事業として位置づけられているため、認可保育園を利用したときと同じ保育料となります。

 

基本保育料 は他の認可保育施設の保育料と同額。基本的に保育料から給食費は差し引かれません。

 

  • 交通費 別途保育者の往復交通費として1日一律1,000円
  • 延長保育 1時間1,000円
  • 支払方法 月末締め(基本保育料、延長保育料等)

 

従事者は研修が必要

 

資格は、居宅訪問型保育事業に関する研修を受けた保育士。または、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると区長が認めた者です。


業務は、複数名でのローテーションとなります。一般的な保育時間の場合には、担当する保育者は、1日のなかで交代制で保育を行います。

 


保育時間は8時間

 

保育サービスは原則8時間ですが、家族が帰宅した場合に終了することが多いようです。

居宅訪問型保育は、延長保育にも対応しています。しかし、別途の保育料がかかることもあります。保育者を派遣できる日時は、家族が在宅していない日時に限るところもあります。

 

 

給食は保護者が用意する

 

昼食、おやつは保護者が用意します。食事の温め、簡単な盛り付けなどを頼むことはできますが、調理は原則ダメなところが多いです。

 

 

保育環境の広さ

 

面談のときには、保育場所の環境と広さを確認します。自宅では明らかに保育ができない場合は、断られるケースもあります。保育環境が整わず、サービスの開始が遅れるケースもあります。

 


家事サービスはなし


あくまでの自宅での子どもの保育サービスです。家事サービスはありません。

 

家事のお手伝いをしてくれる保育士もいるかもしれませんが、これは人間性によるもので、業務ではありません。

 

備品に関しても家族が用意します。救急箱や緊急時の備蓄も用意する必要があります。おもちゃなどの経年劣化等による破損等の保障はできません。

 

 

その他


保育中に兄弟(小学生、中学生等)が帰宅する場合、一緒に保育することはできません。病院への通院や緊急時を除き、保護者が対応します。


申込み内容に虚偽があったり、保育料を滞納したり、注意事項が遵守されていないことが発覚した場合は利用が停止されます。

 

【リッチマン介護】介護士の求人件数日本最大級。高給与で安心のお仕事探し!

 

家庭保育士として働くメリットとデメリット

 

保育士にとっては、子どもの家庭を訪問しマンツーマンで保育することは、通常の保育所では得られない知識や経験を身につけることができます。

 

利用している子どもの中には、たんの吸引や経管栄養、胃ろうなどの医療的ケアが必要となる中重度の障がい児もいます。こうした子どもたちの保育を担当することでスキルもアップします。

 

保育の基礎知識や職業倫理、保護者の対応法が学べるのはもちろん、乳幼児医療や児童養護の知識も身につけることができるのは家庭的保育者のメリットであります。

 

一方、子どもに対してマンツーマンで接するため、同僚などの支援を得られないことは、通常の保育所にはないデメリットかもしれません。

 

よりスキルアップを目指したい、高度な対応力を持つスペシャリストになりたい……という方にはおすすめの仕事だと思います。

本日もありがとうございました。