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介護「認知症と衣替え」ヤバい防虫剤の種類と名前とは

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衣替えと防虫剤

 

訪問介護をしていると、利用者さんから衣装ケースの整理を頼まれることがあります。とくに大正、昭和初期に生まれた方は物を大切にする文化があるので、なかなか捨てられずに、大量の服に驚くこともあります。

 

認知症になると、ご自身で物を捨てることは難しくなります。もちろん、介護職が勝手に捨てることはできません。そんなときに知っておきたいのが防虫剤の種類です。

 

 

 

介護の知っとく「防虫剤の選び方」

 

ここで問題です。

認知症のおばあちゃんの衣装ケースを片付けていると、防虫剤がなくなっていました。新しい防虫剤を補充してほしいと頼まれたあなた。このとき、衣装ケースに補充する防虫剤の種類として、もっとも適切なものはなんでしょう?

 

1 .しょうのう

2 .ナフタリン

3 .パラジクロルベンゼン

4 .シリカゲル

5 .ピレスロイド系

 

 

1 .しょうのう、特徴と防虫効果

 

結論からいえば「しょうのう」は間違いです。

 

しょうのう(樟脳)は昔から、防虫剤として使用されてきました。衣類の防虫製品が少なかった時代、一般家庭ではタンスや押し入れの中に「しょうのう」を入れて虫食いから守ってきました。

 

しょうのうの代名詞といえば「臭い」ですよね。苦手な人も多いですが、昭和世代にはどこか懐かしい香りでもあります。そして、この臭いが防虫効果の正体であり、虫が嫌う要素そのものです。

 

しかし、しょうのうは体内に入ると有毒です。認知症のおばあちゃんの場合、衣装ケースを利用した時に、誤って飲み込んでしまう危険性もあります。そのため補充する防虫剤として適切とはいえません。

 

 

2 .ナフタリン(naphthalene)の特徴と防虫効果

 

ナフタリンは、効きはじめが遅いですが、長持ちするのが特徴です。

 

長期間の効果があるので、普段は着ることの少ない衣服や毛皮、皮革製品の防虫剤として適しています。

 

しかし手で触れると皮膚が赤く腫れたり、炎症を起こしたりする場合があります。認知症の方は、判断能力も低下していますので、今回の防虫剤には適していません。

 

 

 

3 .パラジクロルベンゼン(paradichlorobenzene)の特徴と防虫効果

 

パラジクロルベンゼンの防虫剤は、効き目が早いので、虫のつきやすいウールや絹製品に向いています。消耗がはやいので、3ヶ月を目安に点検・補充する方も多いでしょう。

 

しかしパラジクロルベンゼンは塩素の化学作用が強いため、誤って飲み込むと有毒です。認知症の方が使う防虫剤には適していません。

 

 

4 .シリカゲル(silica gel)の特徴と防虫効果

 

シリカゲルは防湿包装、品質保持の必需品として知られています。そのため、強力な乾燥剤として食品全般、薬品の乾燥保管などに幅広く使われています。シリカゲルはおもに食品に対応しているので、防虫剤として使用することはありません。

 

ちなみにシリカゲルB型は、吸湿・放湿の両方を行い、空間の湿度を適度に調節してくれる性質をもっています。ただし、重量以上の水分を吸湿することはできません。たとえば、バッグやくつなどアイテムごとの収納におすすめです。

 

5 .ピレスロイド系の特徴と防虫効果

 

ビレスロイド系は、市販されているものの中では比較的毒性が弱い防虫剤です。そのため、今回の問題ではピレスロイド系がもっとも適しているといえます。

 

ピレスロイド系は速効性があり、微量でも害虫によく効きます。また安全性が高いことでも知られています。


ピレスロイドは害虫の皮膚や口から入り、神経をマヒさせて虫を退治します。また、哺乳類などの体に入っても速やかに分解され、短時間で体外へ排出されます。

 

ということで、この問題の正解はピストロイド系となります。

 

 

認知症の衣替えで気をつけたいこと

 

 認知症の方の衣替えを手伝うときに、防虫剤を何にしようか悩まれる方も多いです。一般的な家庭では当たり前に使用している防虫剤ですが、その種類や危険性を知ることは大切です。

 

一般的に、しょうのう、ナフタリン、パラジクロルベンゼンは毒性が強いです。間違って異食・誤食などすると命にかかわる場合もあるので、認知症の方がいる家庭では使用しない方が良いと思います。

 

ピレスロイド系は、もし体内に入っても分解されて短時間で排出されます。そのため防虫剤の中では比較的安全性が高いといえます。

 

認知症の方の安全に配慮した商品は今後も増えてくるかもしれませんね。

本日もありがとうございました。