介護福祉オンライン

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新事業立ち上げ記②介護福祉の事業~失敗しない準備や方法とは【定款変更】

 

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社会福祉事業は定款が重要なのだ

 

社会福祉サービス事業を行うためには「法人格」が必要です。法人格は、社会福祉法人やNPO、株式会社、合同会社などがあります。

 

すでに法人格を持っていても、新たに社会福祉事業をはじめる場合は会社の定款に事業内容を記載しなければいけません。定款に記載がなければ、定款の変更手続きが必要です。

 

ということで、会社の定款を変更することにしました。

 

といっても定款変更は簡単ではありません。まず株主総会で特別決議を行い、定款変更の議事録を作成します。そして定款変更の内容に応じて法務局に登記申請を行います。その後、原始定款と一緒に保管することによって定款の変更となります。

 

いまはネットで定款変更の方法も説明されています。それらを参考に手続きを行うこともできますが、定款変更には費用がかかります。

 

最低でも法務局への登録免許税として3万円はかかります。この他にも専門家に依頼すると料金が発生します。

 

その際に頼りになるのが、行政書士です。また社会福祉事業は厚生労働省が定める指定基準(人員基準、設備基準、運営基準)を満たして都道府県などの許可(指定)を受ける必要があります。

 

こうした申請は書類も複雑で面倒なため、社労士(社会保険労務士)に頼むことも多いです。行政書士と社労士。それらの業務はどのように違うのでしょう。

 

 

 

行政書士の仕事とは

 

行政書士は介護事業を開業するときの心強い味方です。僕の行政書士のイメージは、補助金申請の専門家です。

 

行政書士は事業の開業だけでなく、運営のための手続きや支援を行っています。具体的には、①起業や独立の際の法人設立手続き代行。②許認可などの手続き支援。③設立後の支援などがあります。

 

最近では、遺言書の作成や相続手続き、賃貸契約書などの作成も多いようですね。会社の定款変更は行政書士に頼むことができます。ただし費用はかかります。

 

 

社会保険労務士の仕事とは

 

社会保険労務士(社労士)は社会福祉サービス事業の運営には欠かせない存在です。

 

具体的には介護事業の人材採用をはじめ、介護の助成金、経営などさまざまな支援を手伝ってくれます。訪問事業の指定申請は、社労士の業務となります。行政書士は介護保険法に基づく申請は原則できません。

 

社労士は「労働問題」と「社会保険制度」の専門家です。スタッフの育成や給与面などの整備や労使トラブルもサポートしてくれます。

 

また事業所の就業規則や労働条件に関する内容を、書面で明示して、安心して働ける環境をつくります。

 

介護のお金の面では、助成金の種類・条件・活用方法をはじめ、施設運営や介護助成金の手続きなども手伝ってくれます。ちなみに助成金は、国や自治体が用意している返さなくてもよいお金です。ただし申請には必要案件などをクリアしなくてはいけません。

 

社会福祉サービスを行う際には社労士が活躍する様々な場面がありますが、全てを外注すると費用も大きくなります。

  

僕はできるところは自分でやる。むずかしい点は専門家に頼む、というスタンスです。行政書士も社労士も医者と同じで専門分野があります。社会福祉に強い専門家を探すことも大事です。

 

知り合いの社労士からは、行政書士と社労士のWライセンスを所持している方がいるといいですね、と言われました。しかしなかなか見つかりません。ご存知の方がいれば紹介して頂けると嬉しいです^_^

 

 

 

実施事業の定款への記載方法

 

いよいよ弊社も定款変更することにしました。最初は行政書士に頼もうかと思ったのですが、これも勉強。自分でやれるところまで挑戦することにしました。

 

事業者指定では、定款に実施事業が記載されていることが必要です。自分たちが行いたいサービスがどの条項に当てはまるのかを調べて、それに沿った内容を定款へ記載します。

 

例えば、以下のサービスを考えているとします。

 

  • 居宅介護
  • 重度訪問介護
  • 同行援護
  • 行動援護
  • 療養介護
  • 生活介護
  • 短期入所
  • 重度障害者等包括支援
  • 自立訓練
  • 就労移行支援
  • 就労継続支援
  • 就労定着支援
  • 自立生活援助
  • 共同生活援助

 

これらは「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、第5条第1項」の条項となります。定款へは「障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業」と記載します。

僕はソーシャルワーカーでもあるので、はじめに「一般相談支援事業」と「特定相談支援事業」を立ち上げようと思いました。これらの条項は「障害者の日常生活障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、第5条第18項」となります。

 

そのため定款へは「障害者総合支援法に基づく一般相談支援事業」と「障害者総合支援法に基づく特定相談支援事業」と記載する必要があります。こうした事業名を正確に定款に記載していないと認可はおりません。

 

社会福祉事業を立ち上げるには、障害者総合支援法をはじめ児童福祉法、介護福祉法などの法律がいろいろと関わってくるので面倒です。ですが、それだけ厳密にやらないと怪しげな会社も参入することになります。

 

行政に聞こう!

 

とにかく自分でやってみる。これは事業を行う上で大事なスタンスだと思います。もちろん時間も手間もかかりますが、全体像を管理者がつかんでおかないとなんのためにサービスを行うのかを見失う気がします。

 

社会福祉サービス事業はビジネスという考え方だけではうまくいかない仕事だと思います。事業はスタートできたとしても、経営者の理念や社会福祉に関する知識がなければ、専門職である介護スタッフの協力は得られません。

 

僕もまだまだ修行中です。さまざまな専門家のアドバイスをいただきながら、利用者にとっても、そして働く介護スタッフも幸せになる事業を目指したいです。

 

また分からないことは行政の担当者に積極的に聞くことをおすすめします。役所というと気遅れすることもありますが、やはり情報は正確です。それに後々は行政側とやりとりをすることも増えるので今のうちに交流する方がよい気もします。

 

そして弊社の定款変更ですが、無事、終えることができました。自分で全て手続きをしたので費用は3万円ですみました。

 

さあ、いよいよ事業の立ち上げです。こちらはまたご報告します!

本日もありがとうございました。