ツナガレ介護福祉ケア

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原因はカレー?知っておきたい食中毒やテーブルでの介護方法とは~ツナガレケア

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暑い夏に食べたくなるスパイシーな「夏カレー」。美味しいですよね。しかし肉入りのカレーを常温で保存し、翌日に加熱調理したとき、食中毒の原因となるのが、ウエルシュ菌です。

ウエルシュ菌は牛肉、鶏肉、魚などに保菌されていることが多いです。また、嫌気性で酸素の少ないところを好みます。やっかいなのは熱にも強いことで、カレーやシチューなど粘性の高い煮込み料理の常温保存で繁殖しやすくなります。夏場に注意したいウエルシュ菌。そのほかにも気をつけたい食中毒の原因菌をまとめてみました。

食中毒の原因菌とは?

食中毒の原因となる菌はいろいろあります。主な原因菌は次のとおりです。

カンピロバクター

カンピロバクターは鶏・豚・牛の腸内にみられます。特に鶏肉が原因となることが多く、加熱することが効果的です。そもそも家畜の流産、胃腸炎、肝炎等の原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、ペット、野鳥、野生動物など多くの動物が保菌しています。

1970年代に下痢患者から検出され、ヒトに対する下痢原性が証明されましたが、特に1978年に米国において飲料水を介して約2000人が感染した事例が発生し、世界的に注目されるようになりました。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は食肉、卵が原因となることが多いです。卵とその加工品、鶏肉・食肉・内臓肉、スッポン・ウナギ等の淡水養殖魚介などが原因となっています。予防法としては、卵を生食する時は、新鮮で殻にヒビがないものを冷蔵庫に保管し、期限表示内に食べます(鶏卵、ウズラ卵、アヒル卵を含む)。

卵を割ったら直ちに料理。割ったまま、保存することはNG。肉や卵は、冷蔵庫で保存し、料理する時には十分に(中心温度75℃1分間以上)加熱します。生肉・卵等を扱った手指や調理器具はよく洗浄、消毒。冷蔵庫、施設設備は清拭消毒します。ペットに触れた後は、十分に手洗いしましょう。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは汚染された生鮮魚介類が原因となります。特にカキなどの二枚貝が原因となることが多いです。魚介類の刺身やすし類が代表的なものです。また、生の魚介類を調理した後、調理器具や手指などを介して二次汚染された食品でも食中毒が発生しています。

対策としては、魚介類は、調理前に流水(水道水)で良く洗って菌を洗い流すこと。魚介類に使った調理器具類は良く洗浄・消毒して二次汚染を防ぎましょう。また、魚介類を調理したままのまな板で、野菜を切らない(まな板を使い分ける)。夏の魚介類の生食は十分注意し、わずかな時間でも冷蔵庫でできれば4℃以下に保存しましょう。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌はさまざまなところに存在し、おにぎりやサンドウィッチなど人の手で直接調理された食品を介して起こります。また、寿司、肉、卵、乳などの調理加工品及び菓子類など多岐にわたっています。

予防としては、手指などに切り傷や化膿巣のある人は、食品に直接触れたり、調理をしたりしないこと。手指の洗浄・消毒を十分に行うこと。食品は10℃以下で保存し、菌が増えるのを防ぐこと。調理にあたっては、帽子やマスクを着用することが大事です。

テーブル介護の仕方

テーブルで食事介助をするときにチェックしたいのは姿勢です。いすに座っている利用者さんが高齢者の場合、顎を上げるような姿勢だとむせやすくなります。食事介助をするときは、顎を下げもらうようにすると良いです。

またテーブルと体の間は、握り拳1つくらいの距離がのぞましいです。あまり離れすぎると食べにくくなります。体幹は少し前かがみの姿勢がおすすめです。

転倒の危険がある方は転倒防止のため、いすに深く座ってもらい、足が床につくようにします。肘が付きやすいテーブルを用いると前傾姿勢になり、腕も自由に動かしやすくて食事しやすいです。

骨粗鬆症の予防は「しいたけ」と「納豆」

高齢者の食生活は大事です。とくに骨粗鬆症の予防におすすめなのはビタミンDです。ビタミンDはカルシウムを腸で吸収する時に助ける働きがあります。またカルシウムやリンの吸収を促す栄養素であり、骨密度を高める効果が期待できます。干ししいたけには、生のしいたけの8倍のビタミンDが含まれています。

骨粗鬆症の予防に必要なビタミンKを多く含む食品には納豆があります。納豆には5大栄養素が全て含まれています。ビタミンKが特に豊富に含まれており、カルシウムを骨に吸収させる働きがあります。

高血圧

高血圧予防は塩分を控えることです。逆に低血圧の方は塩分を摂取するとよいです。また便秘を予防するためには適切量の水分摂取が必要です。ちなみに上が140、下は90以上がⅠ度高血圧といいます。これは目安として介護士の仕事上でも多用されます。

ドライマウス

ドライマウスはストレスや薬の副作用などで口の中が乾燥する状態をさします。つねに口が乾く方は、この状態の可能性があります。この予防はよく噛んで食べることです。柔らかい食物をよく噛んで食べるように勧めるのではなく、食べ応えがある固さの食べ物をすすめると良いです。

まとめ

夏カレーで気をつけたいのがウエルシュ菌です。これは汚染された肉や魚類を使用した料理に生じやすい菌です。カレーなどの料理の際には気をつけましょう。

テーブルでの食事介助では、利用者の顎の位置に注意しましょう。顎が上がっていると咀嚼や嚥下がしにくくなります。また、いすに深く腰掛け、軽く前傾姿勢を取った状態で肘がつく高さのテーブルがおすすめです。テーブルと体の間が離れすぎていると食事がしづらくなります。拳ひとつ分が最適と言われています。

 高齢者におすすめの食べ物が、干ししいたけと納豆です。丈夫な骨を形成するのに役立ちますので、ぜひお試しを。

本日もありがとうございました。