目の衰えは思ったより、はやくきます。30代後半には、視力、乾燥、疲れ目などから、目の衰えを感じる方は少なくありません。僕も視力が悪いのですが、40代から「老眼もキタナ」と感じるようになりました。
誰にでもやってくる現象に、老眼と白内障があります。いわゆる老化現象です。また人によってはドライアイも出やすいです。一説には、60歳以上の人は読書のときに、20歳の3倍以上の光量が必要だそうです。普段から「目」を意識している人はあまりいないと思いますが、「年だから…」とあきらめると事態はより深刻になります。
今回は、めまいや老眼、せん妄など視覚の変化で知っておきたい常識を紹介します。
めまいの特徴と症状
めまいの症状は主に、回転性めまいと非回転性めまいに分けられます。回転性めまいはぐるぐると回転する感覚があるのに対し、非回転性めまいはふわふわ、ぐらぐらする感覚が特徴です。立ったときのふらつきも似ていますが、こちらは立ちくらみとして分類されます。
メニエール病では、回転性のめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感などがあるとされています。耳が圧迫される感覚や難聴・耳鳴りを伴うことが多いです。症状は数時間続くこともあります。
低血圧の方も、めまいや立ち眩みがあります。不整脈のめまいでは、全身の疲労感、動悸、息切れ、吐き気、冷や汗、意識障害、胸部の不快感や痛みがあります。つまり、めまいは、低血圧や不整脈を知らせるサインでもあるわけです。
脳梗塞の場合も、めまいには注意です。片方の手足に力が入らない、体の半分が痺れる、ろれつがまわらなくなる、言葉が出なくなることもあります。よく言われるのは、、相手の言うことが理解できない、片側にあるものに気がつかない、片目が見えなくなる、物が二重に見える、片側の視野が欠ける、めまい、ふらつき、立てない、歩けないなどです。
めまいを感じたら、まずは安静にして様子を見ることが重要です。1時間以上症状が収まらないときや意識を失う、ものが二重に見えるなどの症状があれば、速やかに受診しましょう。
老眼の特徴とは?
水晶体は、通常では見たいものとの距離に合わせて形を変えることによって、焦点を合わせます。しかし、水晶体が硬くなることによってこの機能が低下し、近くのものに焦点を合わせることが難しくなります。これがいわゆる老眼=近方視力の低下です。
また、水晶体の密度が高くなることにより、眼の後ろの網膜まで届く光の量が減り、薄暗いところでは物が見えにくくなります。ですから高齢になると光量が大事になるわけです。シンプルにいえば老眼には水晶体の状態が影響しているようです。
調べてみると、水晶体自体も透明度が低下し黄色くなるため、色の見え方が変わるそうです。例えば色のコントラストが見分けるのが難しくなり、青系の色が灰色に近く見えるようです。老眼が進むと、光の変化に対する瞳孔の反応が鈍くなるため、明暗順応が低下。また陰影や色調、奥行きを区別するのが困難となり、視野が狭くなります。
なんだか憂鬱になってきますが……逆転の発想をすれば、見えすぎて嫌だったことが、見えなくなるとラクに生きられるという考え方はあるかも、しれませんね(笑)
せん妄
せん妄とは、突然発症する意識障害・精神障害のことをいいます。病名ではなく、精神症状のことを指し、認知症とは区別されます。
抗うつ薬などの鎮静薬、向精神薬、心不全治療薬などの中には、せん妄が出やすいものがあります。また、複数の薬の飲み合わせや、今まで服用していた薬を中止することでせん妄が起こることもありますので、気をつけましょう。
せん妄は、疾患や環境の変化、薬などの影響により脳が混乱している状態です。そのため意識レベルの変化を伴います。一日を通して重症度が変動しやすい特徴もあります。
その他の目の異常
硝子体出血
硝子体出血は、糖尿病性網膜症や加齢黄斑変性症の合併症として見られます。通常は透明である硝子体の中に、様々な部位からの出血が溜まってしまった状態のことを言います。
眼圧上昇
眼圧上昇は、緑内障に見られる症状です。目の中を循環している房水の圧力のことを眼圧と言い、この房水の働きがうまく機能しなくなることによって、眼圧上昇が起こります。
網膜色素変性症
網膜色素変性症の症状は、夜盲から始まるとされています。暗いところでは見えにくいという症状のことを言いますが、近年では夜でも明るいところが多いため、生活している環境によって、この段階では発症していることに気づかないことがあります。
水晶体の白濁
水晶体の白濁は、白内障の症状として見られます。眼球内でレンズの働きを持つ水晶体が白く濁ってしまい、見えにくくなることを言います。初期症状の内は濁っている部分と透明な部分がありますが、進行するにつれて徐々に濁っている部分が多くなっていきます。
まとめ
めまいは、耳石の異常によって生じ、自分や周りがぐるぐると回っているように感じる回転性のめまいや、ふわふわとした動揺性のめまいなどがあります。メニエール病は内耳の疾患で、激しい回転性のめまい、難聴、耳鳴り、耳閉感の4症状が特徴です。
低血圧の方は、めまいではなく、立ちくらみが生じることがあります。姿勢の変化で一時的に脳の血流が低下することによって起こるものです。不整脈ではめまいの他に、動悸や息切れ、吐き気、胸部の不快感や胸痛などが起こります。
脳梗塞は脳の血管が閉塞して、血流が阻害されることで起こる疾患です。発症直後には頭痛やめまいなどの頭部症状が見られる場合があります。老化とともにおこる老眼は、遠方より近方が見にくなります。老化で視野が狭くなります。老化に伴い、青色系が暗色に見え、グレーに近く見えるようになるので青色系を識別しにくくなります。
明暗順応とは、明るい所から暗い所にパッと変わった時に目が慣れてくる能力を言います。こちらも老化とともに低下します。せん妄は突然発症することがほとんどです。ゆっくり症状が進行し発症の時期が特定できない場合は、認知症が疑われます。
せん妄の主な症状は、興奮・意識混濁・妄想や幻覚などがあります。めまいや老眼、せん妄は他人事ではない病気かもしれません。視覚の異常を感じたら、速やかに対処することをおすすめします。本日もありがとうございました。