ツナガレ介護福祉ケア

高齢者・障がい児・者、子育ての現場から発信しています!

障害者差別解消法の狙い〜知っておきたい身体拘束の禁止規定とは?

f:id:mamoruyo:20200929134529j:plain

 

障害のある方への差別は法律によって禁止されています。しかし、先進国に比べて日本の取り組みは遅れていました。障害者への差別解消に向けての動きが加速したのは、東京オリンピック、パラリンピックの開催が決まってからだと思います。

 

たとえば、2016年に施行された法律に「障害者差別解消法」があります。これは共生社会の実現を目指し、障害者手帳の有無にかかわらず、障害のある人すべてが対象です。

 

この法律が施行されたことで何が変わったのか。この記事で短く解説します

 

 

 

 

障害者差別解消法の狙いとは

 

障害者差別解消法の対象となる「障害者」は、身体障害者手帳を持っている人だけではありません。この対象者が広がったことには重要な意味があります。

 

障害者というと全ての方が障害者手帳を持っているイメージがありますが、持っていないまま過ごしている方は少なくありません。これは日本が申請主義に基づいているためで、障害があっても自ら申請しないと手帳はもてません。

 

障害者差別解消法では、身体障害・知的障害・精神障害・発達障害や高次脳機能障害・そのほか心や身体の障害があり日常生活や社会生活に制限を受けているすべての人が対象です。

 

合理的配慮とは


最近よく聞く言葉に合理的配慮があります。

 

合理的配慮とは、障害のある人から社会の中にあるバリアを取り除くための対応を求められた際、負担が重すぎない範囲で対応することです。

 

例えば、講演会を開く際には、耳が不自由な方には手話通訳や要約筆記を付ける、それらが見やすい席へ案内する。目が不自由な方に対しては、点字資料の用意や隣で資料の読み上げを行なうなどが合理的配慮となります。

 

もちろん、その内容は障害の種類や重さによって変わります。聴覚障害のなかでも、手話ができる人できない人、専用の機材があれば聞き取れる人など状況は様々ですので、一人ひとりに合った対応が求められます。

 

合理的配慮は全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられことがなく、互いに尊重し合いながら共生社会を実現していくことを目的とした法律です。まずは国・都道府県・市町村などの役場、事業者が取り組むように定められています。

 

 

身体拘束の禁止規定

 

身体拘束は、平成12年4月に介護保険制度が始まり、介護保険施設指定基準に身体拘束の禁止規定が明記されています。

 

その昔、障害者に対する身体拘束は、当たり前のように行われていたように思います。それは障害者にはいろいろな特性があり、興奮すると他人に暴力を振るう(他害)、自らを自分で痛める(自傷)などの問題行動があったときに、おさめる手段であったためと考えられます。

 

障害者差別解消法において、身体拘束は原則禁止とされていますが、要件をすべて満たす場合は「緊急でやむをえない」例外として認められています。

 

また、やむなく身体拘束をする際は 「身体拘束の方法、拘束をした時間、利用者の心身状況、緊急やむえなかった理由を記録しておくとともに、書面による本人又は家族の確認」が必要です。

 

介護老人保健施設は、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならなりません。

 

 

まとめ

 

障害者差別解消法の対象者は、全ての国民です。大切なのは、障害の状態や性別、年齢などに配慮することです。

 

障害者ではなく、行政には合理的配慮の提供義務があり、民間事業者には合理的配慮の提供の努力義務があります。障害者差別解消支援地域協議会は国と自治体が中心となり組織されます。

 

合理的配慮とは、個々の特徴や状況に応じて発生する障害のために適切な配慮をすることです。障害者差別解消法の目的は、共生社会の実現を目指すことです。

 

現在、身体拘束の取り決めは厳しくなっています。介護老人保健施設は、利用者らの生命や身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない事になっています。家族の承諾があってもいけません。

 

日本の障害者差別に対する考え方も大きく変化しています。この流れを止めないようにすることが大切のように思います。

 

本日もありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

参考文献

 

東京都保健福祉局 身体拘束ゼロの手引き

 

厚生労働省 身体拘束ゼロに役立つ福祉用具・居住環境の工夫

 

介護保険施設等運営指導マニュアル