1日で筋力は3%低下
高齢になると筋力が落ちやすくなります。一日寝ているだけで筋力は3%低下すると言われています。日常の生活動作(ADL)の維持、また病気のある方は合併症を予防するためにも早期のリハビリは大切です。
高齢者の骨折は、転んだときの衝撃や骨粗しょう症が原因でちょっとした力が加わっただけで起こるのが特徴です。転倒予防はもちろんですが、そのほかにも気をつけておきたい症状と対策をまとめました。
爪の症状と特性
爪で簡単な健康チェックを行うことができます。爪が白く濁っている場合、爪白癬が疑われます。白癬はいわゆる水虫のことです。白癬は体部白癬、股部白癬、足白癬、爪白癬、頭部白癬があります。爪に菌が繁殖すると白濁したり肥厚します。
爪白癬は、爪の色が白や黄色、黒に変色したり盛り上がったような形状になり、やがてボロボロと崩れてきます。肝臓の病気によって爪が白くなることもあるため、早めの受診が必要です。
巻き爪、さじ状爪、ばち状爪とは?
巻き爪の主な原因は、深爪などの間違った爪切りや外反母趾、足に合わない靴を履くなどです。さじ状爪とは、スプーンネイルとも言い、爪の中央が凹み爪先が反り返った状態になります。鉄欠乏性貧血の方に多くみられる症状です。貧血によって爪が薄くなることで起こります。
ばち状爪は、爪が丸く盛り上がった状態です。肺や心臓の疾患が疑われます。血液の流れが悪くなる(血液中の酸素が少なくなる)と顔色や爪の色が悪くなります。この状態をチアノーゼといいます。
脱水・熱中症の危険性
高齢者で気をつけたいのが脱水・熱中症です。夏場は毎年ニュースでも報道されています。高齢になると喉の渇きを感じにくくなります。またトイレに行くのが億劫となり水分を控える事が原因となることもあります。
手の甲の皮膚をつまんで、つまんだ皮膚の戻り具合で脱水かどうか確認する方法もあります。高齢者の水分は、おおよそ1日1600〜2000ml程度必要とされています。
脱水症状とは
脱水は体から水分と電解質が失われた状態のことです。原因には、水分摂取量や食事の不足、発熱や下痢、利尿剤の過剰投与で起こることもあります。高齢者は夜間にトイレに起きるのを避けるために水分を控えてしまう傾向がみられます。
脱水のチェックポイント
- 口の中や皮膚、唇が乾燥していないか
- 便秘や下痢はないか
- 尿量が減ったり排尿回数が減っていないか、色が濃くなっていないか
- 発熱はないか
- 食欲があるか
脱水を緩和する為には、水分とミネラルの摂取が必要です。ただしお茶には利尿作用があるため、適切ではありません。
かゆみ
高齢になると皮膚の水分保持機能が低下するため、皮膚の乾燥が起こり、かゆみが起きやすくなります。老化以外に皮膚搔痒症の原因となる病気として次の者が挙げられます。
- 糖尿病…高血糖による脱水傾向や発汗異常により皮膚が乾燥する為
- 慢性腎不全…汗腺萎縮による発汗量の低下の為
- 肝疾患…血液中に胆汁酸が増加する為
- 胆道疾患…肝疾患と同様、血液中に胆汁酸が増加する為
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
黄色ブドウ球菌の感染力は弱く、抵抗力がある人が感染して重症化することはありません。基本的な感染症対策を行なえば心配する必要はありません。
手洗いと手指の消毒を行うMRSAの感染力が比較的低いこと、保菌した状態で退院できる程度の人であることから、基本的なことで大丈夫です。
まとめ
高齢者になると、鉄分の不足により爪が弱くなり、さじ状になるといわれています。爪は健康チェックの目安としても大事です。脱水症状も見逃しがちですが、異変がある場合は疑ってみると良いかも知れません。かゆみなど高齢者特有の症状もあります。異常が続く場合は早めの受診をおすすめします。
本日もありがとうございました!