介護業界で稼ぐには
手っ取り早く稼ぐには「夜専」が一番です。夜専とは、夜勤専従のこと。つまり、夜に集中的に働く介護職です。夜専は派遣の方が多いです。時間が長く、時給も高いので1回の夜勤で3万円以上稼ぐ人も少なくありません。
施設だけでなく、障がい福祉サービスの居宅介護でも夜勤はあります。通常、夜勤は1.5倍の報酬となります。たとえば、1500円の時給であれば、夜勤帯は時給2250円にアップします。単純計算すると8時間勤務で1万8000円です。もし施設のように16時間働けば単純計算で、3万6000円。月に10日夜勤で働けば36万円。数字的にはおいしい仕事といえるかもしれません。
地域によって単位も異なるので、都心の方が夜勤の給料は高いです。派遣で働くのは、男性やベテランの女性が多い印象です。今回はあるグループホームを参考に紹介していきます。(※尚、あくまでも一例として参照ください)
- 介護業界で稼ぐには
- 夜勤専従のスケジュールとは
- 夕方から夜にかけて
- 夜から早朝のうごき
- 夜専で働く個性的な人たち
- 夜勤専従でラクな施設とは
- 介護士の稼ぎ方
- 介護士で年収1千万円
- 介護職は稼げないのか?
- 介護士の給料は上がるのか?
- 異業種の参入
- 心のリハビリ
夜勤専従のスケジュールとは
あるグループホームでは、夕方の5時から翌朝10時までの17時間が夜勤の時間でした。休憩は1時間なので16時間勤務になります。社員が夜勤も担当しますが、シフトの関係もあるため、夜勤専従の派遣スタッフが入ることも多いです。
夕方から夜にかけて
仕事に入っての前半戦は夕食の介助、口腔ケア、排泄介助、服薬介助、就寝介助などがメイン。だいたい夜の9時ごろには利用者さんは就寝することが多く、それからは巡視や体位交換(寝返り介助)、おむつ交換、トイレ誘導、コール対応などです。
夜から早朝のうごき
深夜帯は何事もなければ、見守りや記録、資料などの整理に当てる方も多いかも。もちろん突発的な出来事も発生するので気は抜けません。そして朝になると起床介助、洗面介助、口腔ケア、排泄介助、更衣介助などがスタート。このあたりから日勤スタッフも加わり、朝食介助、体調チェックなどを行いながら、午前中10時に仕事が終わるという感じです。
夜専で働く個性的な人たち
夜専の派遣スタッフには個性的な人がいます。稼ぎたい若い男性も多いのですが、いろいろな施設を渡り歩いてきたベテランおばさまも健在。こうした方々は情報通なのでさまざまな施設の裏話を知っています。また、60歳代で夜専をしている方も少なくありません。介護は元気であればシニア世代も稼げる職場といえるかもしれません。
夜勤専従でラクな施設とは
老健や特養などで働いてきたベテラン達が比較的、ラクだと口を揃えるのがグループホームでの夜勤です。しかしグループホームは主に一人で行うことが多く、突発的な出来事に対処できるスキルは必要となります。介護福祉士の資格を持っていると利用者さまも安心するので、夜勤を専門に考えている方は資格取得をおすすめします。
介護士の稼ぎ方
夜専は稼げるものの、朝型の人などは身体的にキツイという話をよく聞きます。例えば、夜専で年収1千万円を稼ぐためには、回数を増やすか単価を上げるしかありません。現実的に可能なのか計算してみました。
介護士で年収1千万円
年収1千万円を稼ぐためには、単純計算で月収約84万円を稼ぐことが必要です。稼げる筆頭である夜勤を専門にした介護士のケースで考えてみましょう。
もし月20回の勤務とした場合、月収84万円を手にするためには、1勤務で7万円稼がなければなりません。勤務時間を一般的な16時間とすれば、時給4300円以上の施設で働かなければなりません。「無理でしょ」と感じる方も多いと思いますが、ある夜専の方は年収800万円以上を稼いでいました。やり方によっては出来ない話でもないのですが、かなりハードな働き方になります。
介護職は稼げないのか?
介護職は稼げない……こうした声をよく聞きます。これは都心部と地方でも差が大きいです。また正社員か派遣か、パートかによっても年収に違いはあります。介護一本で稼いでいる方もいますが、副業として働いている方も少なくありません。昼間はレストランで働き、夜に介護施設で働いていたり、休みの日を利用して週に1~2回、介護職として働いている方もいます。働き方改革が推進されている現代、Wワークで賢く稼ぐスタイルも増えてきそうです。
介護士の給料は上がるのか?
今後、介護職の給与も上がっていくと思います。ただし金融やIT業界のように、べらぼうに稼げる仕事ではありません。むしろ準公務員的な立ち位置になってくるように思います。国民の暮らしに大きく関わる公益性の高い仕事なので、長く安定した暮らしを手にしたい方にはおすすめです。
堅実に収入をアップさせる方法は資格をとることです。介護福祉にはさまざまな資格があります。国家資格である介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士などのほかにも、ケアマネ、相談支援専門員、同行援護、行動援護、喀痰吸引など関連資格はたくさんあります。こうした資格をとることはスキルアップとともに高収入へとつながります。
異業種の参入
異業種からの参入が増えることで新たなビジネスチャンスが生まれる可能性はあります。保険料では対応できないサービスを自費で払う方が増えれば、プラスアルファの収入が得られます。ヘアカットやネイル、ペットの散歩など保険外サービスのニーズは増えそうです。
心のリハビリ
介護士は売り上げノルマが課せられる仕事ではありません。よいサービスを提供して利用者に喜んでもらえる。感謝される。こうしたやりがいを多くの介護士が感じています。例えば前職の仕事でノルマ、ノルマに追われて精神的にダメージを受けて転職してきた方も少なくありません。何を人生の目標に掲げるかは人それぞれだと思いますが、心のリハビリの場として介護業界を経験するのは悪くないようにも感じます。
本日もありがとうございました。