ツナガレ介護福祉ケア

東京都指定の障害福祉サービス事業所です。高齢者・障がい児・者、子育ての現場から発信しています!

変化する介護ビジネス「老舗企業」が狙う戦略とは~ツナガレケア

 

介護業界には老舗企業も多いです。そのひとつが「ツクイ」です。全国にデイサービスや有料老人ホーム・サ高住も積極的に展開しています。

35年以上前に訪問入浴を開始し、訪問介護、通所介護、デイサービス、ショートステイ、有料老人ホームと業務を拡大。2012年には東証一部に上場しました。今回は老舗企業の戦略を紐解きたいと思います。

 

 

老舗企業の平均年収

ツクイの従業員を調べると、連5004名、単4822名(2019.4.02現在)と大規模です。平均年齢は42.3歳で、平均年収は404万円(会社四季報)でした。本社や地方によっても格差はあります。

ツクイの評判は安定感があり、勤務制度もしっかりして、管理職になるほど満足度は高いようです。福利厚生では予防接種や結婚祝いなども用意しています。

デイサービスの事業戦略

2025年にむけてツクイは「デイサービスの盤石化」を目標に掲げています。デイサービスとは、簡単にいえば「通所介護」の通称です。自宅で暮らす利用者が、日帰りで施設に通い、体操や食事、入浴などのサービスを受けられます。老人ホームのように生活する施設ではありません。

デイサービスはコロナで集客がダウンしたところもありますが、コロナが収束すれば確実にニーズは高まるでしょう。団塊世代の高齢化や介護予防の観点からも利用者は増えていきます。ただし、サービス競争は激化するので、施設の利便性や何より働くスタッフのモチベーションなどが成功のカギといえます。

ドミナント戦略とは

ドミナント戦略とは、簡単にいえばコンビニのやり方です。あるエリアには「ローソン」が多かったり、別のエリアには「セブンイレブン」が目立つようなことがあります。あれがドミナント戦略と言われるものです。その地域内にひとつのブランドを定着させて、優位性を確保します。

ツクイでは、このドミナントを進化させた戦略を考えています。具体的には全国で約80の地域を選定。すでにツクイの施設があってライバルがいない地域に、積極的に介護施設(在宅・居住の両方)をつくる戦略です。

圧倒的なブランド力で、特定の地域を支配して、利用者に安心感を与える。それに伴って人材も確保することができます。とくに地縁は有利に働きます。今後はファミリーレストランのようにブランド化された施設か、オーナーシェフのようなオリジナリティあふれた施設か、二極化していきそうです。

エンディングサポート

葬儀関連や終末期などの「終活」ビジネスも注目されています。これは「エンディングサポート」と呼ばれ、その人らしい人生の最期を迎えられるように介護スタッフが一緒に考えてくれるサービスです。

「エンディング入浴」と呼ばれるサービスでは、湯灌で納棺までの時間を家族で一緒に見送るそうです。 利用者には気持ちよく旅立ってもらいたい、そんな気持ちからはじまりました。とはいえ霊感の強いスタッフは少々ビビりそうです(苦笑)。

ケアサポーター

介護業界の人手不足解消策として導入されているのが、新職種の「ケアサポーター」です。食事の配膳や片付け、事務作業など周辺業務を行います。

雇用形態はパートで1回あたり半日程度の勤務。デイサービスや認知症対応のグループホーム向けの募集もしています。高校生がアルバイトに来て利用者の転倒予防トレーニングの手伝いや、入浴後にドライヤーで髪を乾かしたりします。

従業員の幸せの実現

老舗企業でも目標に掲げているのが「従業員の幸せの実現」です。ツクイはサッカーの横浜F・マリノスと2019年2月にスポンサー契約をしています。地域の健康増進や障がい者スポーツ普及などで連携しています。

特定地域を重要拠点として位置づける大手企業では、スポーツと介護の融合によるイメージアップは今後も増えてくるかもしれません。本日もありがとうございました。