ツナガレ介護福祉ケア

東京都指定の障害福祉サービス事業所です。高齢者・障がい児・者、子育ての現場から発信しています!

AI(人工知能)は介護をどう変える?メリットとデメリットを考察〜ツナガルケア

 

現在、日本女性の平均寿命は87.26歳ですが、30年前の平均寿命をご存知でしょうか。

答えは、80歳。なんと30年間で日本女性の寿命は7年ものびたのです。このままいけば、30年後の平均寿命は94歳になるかもしれません。

人間五十年と吟じた織田信長も、さぞ驚くことでしょう。超高齢化に向けて企業はAIの活用を進めていますが、本当にメリットはあるのでしょうか。

 

 

現場の現実

 超高齢化が進む日本で、介護の人手不足は深刻です。とくに団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年がターニングポイントです。後期高齢者の人口が4人に1人、約2200万人に膨れ上がるのです。お昼の街を歩くと老人が増えたなあと実感します。

データによると、要介護となる「8割以上が75歳以上」の高齢者です。つまり60代、70代前半で元気な方も、75歳を境に介護リスクは高まります。

日本のボリュームゾーンである、団塊の世代が後期高齢者になると、介護の利用者は増えますが、ケアする人は不足しています。そこで期待されているのがAI(人工知能)です。

AIのメリットとは?

厚労省の 「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」の報告では、AIが導入されると標準化されたケアが可能になるといいます。

具体的には、AIを活用した利用者の生活リズムやパターンの把握があります。

利用者の生活データに、介護スタッフの行動などを関連付けていくことで、適切なケアが提供できるそうです。

しかし介護の現場ではスタッフの年齢も高く、まだまだ手書きで記録するところが多いのも現実です。

AIの未来介護

排泄介助という支援があります。簡単にいえばトイレの支援です。

認知症の進んだ利用者さんは、ご自身でトイレをすることも難しくなります。

この介助にもスキルが必要です。車椅子から便座への移動やオムツ、リハパンの交換など、介護の登竜門です。

AIが導入された未来にはこんなことが起こるかもしれません。

 

新人のトイレ誘導。

AIの声が聞こえる。

 AI「こちらの利用者はご自身で移乗できます。勝手にトランスしないでください。まずは声かけをお願いします」

新人「ハ、ハイっ。でも今日は体調が悪そうですが……」

AI「今朝のバイタルに異常なし。自分できることは自分で。残存機能の低下を防ぎましょう」

AIの3つのメリット

 AIで成功しているのがEC業界です。AI搭載のロボットを導入し人件費の3割削減を実現している企業もあります。介護業界でAIによって期待されているメリットは主に3つあります。「省人化」「コスト削減」「正確性」です。

なかでも期待したいのは、服薬の正確性です。たくさんの薬を飲んでいる高齢者は多いです。薬の誤飲は命にかかわります。認知症になると危険は高まります。介護職でも知識が必要な服薬介助をAIがサポートしてくれると助かります。

安全性の向上

AIが進化するとカメラ機能でバイタルを計測したり、睡眠の質や食事の量、トイレのタイミングも予測できます。すでにAIが個室の見守りサービスを行っている施設もあります。複数のセンサーによって利用者の転倒検知などを行い、容態が急変すると即座に知らせてくれるそうです。ただしプライバシーの侵害などのデメリットもあります。

まとめ

さまざまな分野でもてはやされているAI(人工知能)ですが、介護業界での効果は未知数です。しかし差し迫った危機的状況の救世主として期待が寄せられているのは確かです。行政や企業による取り組みも進んでいます。

視点を変えると他業種から参入してくる人は増えそうです。銀行や保険会社など、AIでスリム化した後、社員を関連の介護事業へと移す。そのほうが現実的かもしれません。

このときに「リストラされた」とネガティブな気持ちでやってくるのと「介護を変えてやる」という意気込みで来た人とでは違います。後者が増えれば介護の未来は明るいです。本日もありがとうございました。