ツナガレ介護福祉ケア

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パーキンソン病とは?有名人や5つの特徴、診断や医療費の補助~ツナガルケア

 

高齢者に多くみられる病気にパーキンソン病があります。パーキンソン病の歩行の特徴には、すくみ足、突進歩行、小刻み歩行などがあります。歩幅が狭く、方向転換や振り返りなどバランスをとることが難しく、歩き始めると止まらないことがあります。

パーキンソン病は、脳の黒室という部分が障害され、神経伝達物質のドパミンが不足することで起こります。以前は、「パーキンソン病になると寝たきりになる」と言われていましたが、現在は効果的な治療薬もあります。早い段階からきちんと治療することで、よい状態を保つことができます。

 

 

パーキンソン病の患者数

パーキンソン病は珍しい病気ではなく、70歳以上のおよそ100人に1人が発症するといわれています。最初の症状は、手が震えたり、よく転ぶようになったりします。

有名人では、タレントのみのもんたさん、タレントの永六輔さん、芸術家の岡本太郎さん、作家の江戸川乱歩さん、海外ではハリウッドスターのマイケル・J・フォックスさん、、ボクシング界のレジェンド、モハメド・アリさんが知られています。

パーキンソン病の進行

パーキンソン病は症状が徐々に進行していく病気です。病気の進行速度は人によって異なるため、病気の進行度を表す指標として「ホーエンヤール重症度分類」があります。ステージごとの状態は次の通りです。

  • ステージⅠ……身体の片側に手足の震えや筋肉のこわばりがある状態。
  • ステージⅡ……両側の手足の震えや筋肉のこわばりがある状態。
  • ステージⅢ……小刻みに歩く、すくみ足になる、方向転換時に転びやすくなる状態。日常生活に不便が出てくるが介助なしに過ごせる段階。
  • ステージⅣ……立ち上がりや歩行が困難になる状態。生活するうえで様々な介助が必要になる。
  • ステージⅤ……車イスや介護用ベッドが必要になる状態。

ステージⅣから介助が必要

日常の生活動作に介助が必要になるのはステージⅣからです。ステージⅣでは立位姿勢が大変になり、日常生活動作の介助が必要となります。ステージⅤでは自力歩行が難しくなるため、車椅子や寝たきりの状態となります。

特徴①「すくみ足歩行」

パーキンソン病の特徴に「すくみ」があります。「すくみ」とは、最初の一歩がブルブルと震えて踏み出せないことです。すくみ足歩行がある場合、意識的な動作を行うことが効果的です。

たとえば、一歩足を引いてから歩き始めたり、「せーの」と声掛けしてもらって歩き始めたりするとスムーズに歩き出せる事が多いです。なかなか一歩が踏み出せないときは、片足を横や後ろに出したり引いたりして歩き出すようにすると、踏み出しやすくなります。また、足を1歩前に出す前に「足を1歩引いて下さい。」足を引いてもらった後に歩き出すとスムーズに歩けます。

特徴②「方向転換が苦手」

パーキンソン病の方は方向転換が苦手です。そのため、曲がり角ではできるだけ大回りすることを意識してもらうと曲がりやすくなります。また、本人のペースに合わせることも大切です。

「イチ、二、イチ、二」と本人にリズムをとってもらうと、小刻み歩行、すくみ足、突進歩行を起こしにくくなります。階段では、意識的に足をあげるため、スロープより得意な方が多いです。

特徴③「無表情」

パーキンソン病の特有の症状に、無表情があります。他にも、腰が曲がった前屈した姿勢がみられます。パーキンソン病になると、自律神経症状により血圧は低下しやすいです。そのため、起立性低血圧が起こりやすいです。立ち上がった時に、フラっとする症状です。また腸の動きが悪くなるため、便秘になりやすいです。

特徴④「発声の違和感」

パーキンソン病では、発声練習のリハビリテーションも重要です。声が小さくなったり、早口やかすれ、言葉がなかなか出てこないなどの症状が出てくることがあります。カラオケで大きな声で歌ったり、本などを大きな声を出して読むのも有効です。

特徴⑤「バランスがとりにくい」

パーキンソン病の姿勢反射障害は、体のバランスをうまく保つことが出来ず、姿勢保持や歩行がうまくできなくなる症状です。スロープでは身体のバランスがとりにくいため、注意が必要です。

パーキンソン病を疑ったら

パーキンソン病の診断は、神経内科での問診から始まります。問診でパーキンソン病が疑われたら、検査で脳や筋肉などの異常を調べます。
他の病気ではないことを確認するための画像診断、血液検査、尿検査も行います。これらの結果を厚生労働省が作成した診断基準と照らし合わせ、基準を満たしていれば、パーキンソン病と診断されます。

医療費の補助

パーキンソン病は、厚生労働省が定める「難病治療研究対策事業」の対象疾患です。国や都道府県から医療費の補助を受けることができます。最近ではパーキンソン病の治療は大きく進歩し、長く普通の生活ができる様になっています。補助を受けることで、安心して長期的な治療を受けることができます。気になる方は専門機関に相談してみましょう。本日もありがとうございました。