病気などで食事制限の必要な利用者さんは少なくありません。 たとえば、高血圧の塩分制限は1食2g未満、1日6g未満が推奨されています。また、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方は豆類を食べるとよいとされています。 この記事では、知っておきたい食事介助について紹介します。
骨粗しょう症の食事介助
骨粗しょう症は、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨折しやすい状態になることです。カルシウム不足や性ホルモンの低下などが原因で骨密度が減少し、骨がもろくなるといわれています。
骨粗しょう症が心配な方に、おすすめの食べ物は豆腐です。豆類にはイソフラボンが含まれており、骨を増やす効果が期待できます。また、予防効果がある女性ホルモンと似た作用をもつ大、豆イソフラボンという成分が含まれています。
糖尿病の食事介助
糖尿病は、膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンというホルモンの作用不足によって、血糖値の高い状態が続く病気です。そのため、血糖値の急上昇の抑制やコントロールをする食事が必要です。
ポイントは、1日3食の食事時間を決めて食事をすること。食事の間を、だいたい5~6時間あけると、食べ過ぎ防止や血糖値を安定させることにつながります。
高血圧の食事介助
日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、減塩目標を食塩6g/日未満としています。食事は、偏った配分にするのではなく、バランスの良い配分をこころがけましょう。高血圧にはアルコールの飲みすぎも影響します。おつまみも塩分が過剰になる危険性が高いです。
家事援助のポイント
家事援助では、調理環境を清潔に保つことも大切です。布巾は、テーブルや食器などを拭いたりするので、使用後は洗剤で洗うことが望ましいです。食器を洗った後のスポンジは、細菌の繁殖を予防することにもなるので、水気や洗剤はしっかりときって、よく乾燥させておきましょう。
まな板の洗い方
意外と見落としがちなのが、まな板です。魚や肉を切った後のまな板は水洗いをして大まかな汚れを落としてから、熱湯を回しかけましょう。ただし使用後すぐに熱湯をかけてしまうと、たんぱく質が固まってしまい汚れが落としにくくなります。
包丁のポイント
包丁の刃の部分は食材にじかに触っていますし、持ち手の部分は細かな凹凸があるので、雑菌が付着・繁殖しやすい部分です。使用後はしっかり洗浄・消毒をすることが望ましいです。
スプーンの洗い方
金属製のスプーンは、消毒することが悪いのではなく、塩素系の漂白剤に1時間以上付けおきすることに問題があります。使用方法を間違えてしまうと有毒ガスを発生させたり、金属製のスプーンが腐食する可能性があります。
まとめ
食事の介助では、症状に合わせた食事をとることが大切です。1~6か月間の体重減少率が3%以上の場合、たんぱく質・エネルギー低栄養状態の危険性があります。
家事援助では、調理環境を清潔に保ちましょう。とくに包丁は、刃と持ち手の境目に汚れがたまりやすく、菌が増殖しやすいため洗浄・消毒が必要です。本日もありがとうございました。