ツナガレ介護福祉ケア

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介護保険が使える住宅改修5選~条件や申請の流れ、支給額や注意点とは

 

介護が必要になると、住宅の改修を行う方は多いです。家の階段に手すりをつけたり、車椅子のために段差をなくしたり、リフォームにもお金がかかります。

いざという時に知っておきたいのが、介護保険の住宅改修費です。この制度を活用すれば、住宅改修でかかった費用の一部を国が負担してくれます。

 

 

①扉の取替え

介護が必要になると問題になるのが扉(とびら)です。とくに杖や車いすを利用すると、「扉を開ける」「扉から体をよける」「玄関に入る」「体を回転して扉をしめる」という動作が大変なことに気づきます。

日本の玄関扉に多く使われている「開き戸(ひらきど)」は介護になると不便です。開き戸は、扉が弧を描いて回転するドアの事です。介護保険を使えば、「開き戸」を取り替えるための費用の一部を負担してもらえます。

開き戸は介護に不便

オススメは開き戸を、「引き戸(ひきど)」に変更することです。引き戸は、戸やレールを溝の上を往復させて開閉する扉のことです。引き戸やアコーディオンカーテンは開け閉めが簡単なので、介護になったとき移動がスムーズです。

扉の取り替えだけでなく、ドアノブの変更や扉を動かしやすくするための戸車の設置などもOKです。

②床材の変更

滑りやすい床や、移動がしづらい床を変更する工事も介護保険をつかえます。車椅子の利用では畳からフローリングに変更すると、安全でスムーズな移動が可能になります。

滑りやすく転倒の危険があるのが浴室の洗い場です。こちらもタイルなどから滑りにくい床材へ取り換えることができます。

玄関の外の道路が砂利道だったり、未舗装の土だったりした場合には、車椅子で円滑に通行できるよう、コンクリへの舗装も対象工事となります。

③手すりの取り付け

介護になると廊下や玄関、階段、トイレに手すりを付ける方も少なくありません。手すりには、転倒防止、歩行や動作をスムーズに行えるメリットがあります。

介護用の手すりにもいろいろあり、水平型、縦付け、横付けなどがあります。階段用の手すりは特に大切です。左右両側に設置することが理想ですが、スペースの関係で片側だけ取り付ける場合は、「下りるときの利き手側」に手すりがくるようにしましょう。

④段差・傾斜の解消

足腰が弱ると、家の中のちょっとした段差でつまづくこともあります。介護保険ではリビングや廊下、トイレ、浴室の段差や傾斜を解消する工事も対象です。

家の敷居を低くしたり、浴室の床のかさ上げを行うと行動できる範囲が広がります。スロープを設置すると車椅子や歩行器でも段差を越えられるようになり、便利です。

⑤洋式トイレへの取替え 

和式トイレを洋式トイレに取り替える工事も、介護保険を利用することができます。

古くからの家屋では和式トイレも少なくありませんが、介護が必要になると洋式トイレの方が立ち座りの負担が減り、楽に生活できます。

現在の洋式トイレを、立ちあがりのしやすい洋式トイレに取り替える工事も対象です。ただし、腰掛便座や暖房機能、洗浄機能は支給の対象外です。

条件と申請の流れ

住宅改修の支給対象者は、①自宅に住んでいて、②介護保険の「要支援1~2」もしくは「要介護1~5」のいずれかの認定を受けている方です。申請の大まかな流れは以下です。

  1. ケアマネジャーに相談(いない場合は区役所の高齢・障害支援課)
  2. 住宅改修の内容について事前に区役所保険年金課へ相談
  3. 事業者に工事を依頼
  4. 区役所へ住宅改修費の申請

支給額

介護保険による支給額は20万円ですが、費用の1割は自己負担となります。

つまり住宅改修に20万円かかった場合、18万円は援助されますが、1割(2万円)は自己負担となります。この自己負担額も所得によって異なり、収入が高ければ2~3割となることもあります。

利用は基本1人1回

介護保険で住宅改修を行う場合、利用回数は決められています。基本的に1人1回です。複数回にわけて改修を行っても、介護保険の支給対象となるのは原則1回のみです。

ただし、父親が1回利用し、同じ住宅に住む母親が後から要介護認定を受け、もう1度利用することは可能です。

限度額の20万円を超えなければ、複数回にわけて支給を受けられます。1回の改修金額が20万円以内なら、同じ人が改修工事の申請をすることは可能です。

まとめ

介護が必要な時に、住宅改修費の支給対象となるのは主に5つあります。

①扉の取替え、②床材の変更、③手すりの取り付け、④段差・傾斜の解消、⑤洋式トイレへの取替えです。

支給額は20万円ですが、費用の1割は自己負担なので、18万円を補助してもらえます。ただし、利用できるのは原則1人1回です。

介護保険を賢く活用して住宅改修に役立ててください。本日もありがとうございました。