介護や障がいの仕事では、リハビリテーションの専門職も多く働いています。
リハビリテーションとは、病気やケガ、障がいのある方が社会復帰を目指すために行う訓練のことを言います。
訓練のときに、利用者さんに寄り添いサポートを行っているのがリハビリテーションの職種に就く人たちです。今回は、4つの専門職についてご紹介します。
①言語聴覚士
言語聴覚士は、STと呼ばれています。STとは、Speech Therapist=スピーチ・セラピストの略です。
言語聴覚士と聞くと、言葉にだけ特化している印象もありますが、嚥下(えんげ)訓練なども行います。
嚥下訓練とは、食べ物が飲み込みにくい方に、嚙む力や舌で送り込む力、飲み込む力を鍛えていくトレーニングです。
また、病気や事故、発達の問題で言葉の機能が損なわれ、コミュニケーションに問題をもっている方に対して、より豊かな生活が送れるようサポートします。
言語聴覚士法第42条より、言語聴覚士は「医師又は歯科医師の指示の下に、人工内耳の調整を行うことを業とすることができる」 とあります。
②視能訓練士
視能訓練士は、COといいます。CОとは、Certified Orthoptist=サーティファイド・オーソプティストの略です。眼に問題がある人に、機能回復訓練などを行う人の事を指します。
視能訓練士は、子どもの弱視や斜視の視能矯正、視機能の検査をおこなう専門技術職として日本では1971年に誕生しました。
視力の測定、メガネ・コンタクトの処方に必要な検査、病気やケガの予後において視力回復に必要なリハビリテーションを行います。
作業療法士の業務範囲に、両眼視機能回復のための矯正訓練はありません。この業務を担うのは「視能訓練士」です。(視能訓練士法第2条)
③作業療法士
作業療法士は、ОTと呼ばれています。Occupational Therapist=オキュペイショナル・セラピストの略です。
心身に障がいのある人に、日常生活に必要な作業が出来るように訓練をします。
仕事は主に、身体的な分野と精神的な分野の2つに分かれています。
どちらも医師の指示のもとに行い、利用者の心身機能や、食事動作・入浴・排泄といった日常生活機能(ADL)などのリハビリテーションを行います。
また、作業療法士は高次脳機能障害についてもアプローチしていきます。高次脳機能障害とは脳の病気やけがにより、言葉・集中力・記憶・行動・考えなどの知的機能に障害が起きた状態をいいます。
④理学療法士
理学療法士は、PTと呼ばれます。Physical Therapist=フィジカル・セラピストの略です。
医師の指示のもと、利用者の筋力・持久力・痛みなどの心身機能や、歩行などの基本動作の能力判定を行い、サポートやアドバイスを行います。
理学療法士の訓練はさまざまです。
例えば、手芸やレクレーションを通して手先の細やかな動きを取り戻す方法もあります。マッサージや運動療法などを通じて、能力の回復を図ったりもします。
理学療法士の業務には電気刺激、マッサージなどの物理手段も含まれます。理学療法士の業務は大きく「運動療法」と「物理療法」に分かれ、症状や病気等によって実施する内容は変わります。
ガンのリハビリテーション
ガンもリハビリテーションの対象です。
診断を受けてから早期に行なわれる予防的なリハビリをはじめ、機能障害や体力の低下などの機能回復・改善を図るリハビリ、患者の生活の質を維持するためのアプローチなどが行なわれます。
まとめ
介護や障がいの仕事では、たくさんの専門職が働いています。その中で、リハビリテーションを得意とする4つの専門職を紹介しました。
言語聴覚士は、話す・聞く・食べることへのリハビリを行います。
視能訓練士は、眼の障害のある人に回復に向けて訓練を行う専門職です。
作業療法士は、障害のある人が健康な生活を送るための訓練を行います。
理学療法士は、動作能力の改善にむけた運動療法や物理療法を行います。
リハビリテーションの専門家は、とても頼りになる存在といえます。
本日もありがとうございました。