今年、あるニュースが話題となりました。それは、重い障害のある子ども達が目の動きを使い、オンラインで対戦するeスポーツ大会が開催されたというもの。
視線をパソコンのマウスのように使う「視線入力」の技術を使った大会は、重い障がいのある方に新たな可能性をもたらすものでした。
重度障害の世界を変える、視力入力の最新技術を紹介します。
重度障がい者向け視線入力装置「マイトビー」
マイトビーは視線入力装置とWindowsのタブレットが一体となった、見るだけで会話できる「視線入力」のタブレットです。
もちろん会話だけでなく、コンピュータ操作のほとんどが視線でできます。
重い障がいがあり、発話が困難になると、透明な文字盤でコミュニケーションする方は多いです。視線入力装置は、こうした文字盤に代わる道具といえるかもしれません。
見るだけで会話やメール、SNSなどのコミュニケーションを行なったり、療育ソフトやゲームにアクセスすることができます。
TDパイロット
TDパイロットは、iPad(アイパッド)で視線入力ができる装置です。
目や指、スイッチを使ってタップやスクロールなどの作業を行えます。
iPadは、アメリカのApple社が販売しているタブレット型コンピュータです。
障がいのある方に便利な機能を多く備えているiPadは、若い人を中心に人気が高いです。
TDパイロットは、目の動きでの入力によってiPadのアプリがフルに使えるようになります。ヨーロッパやアメリカでは医療認証を受けているそうです。
重度障害者向け意思伝達装置「eeyes(イイアイズ)」
eeyes(イイアイズ)はスイッチや視線の動きなどで、パソコン画面に文字を入力できる装置です。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、難病がある方のコミュニケーションを支援します。
自分の気持ちを伝えるだけでなく、メールの送受信や、テレビやエアコンなど家電の操作もできます。
視線入力の簡単さや、感情や気持ちを伝える絵文字など、コミュニケーションを「楽しみ」へと変える工夫もされています。
orangearch-labo | 視線のみで直感的に操れる意思伝達装置「eeyes」 - orangearch-labo
視線入力訓練ソフト「EyeMoT(アイモット)」
島根大の研究チームが開発したのが、障害者向けの視線入力訓練ソフト「アイモット」です。
視線を読み取る専用装置をパソコンに取り付け、マウスの代わりに目を動かし、射撃や塗り絵など12種類のゲームができます。
重い障害がある人にとって視線入力は習得が難しいとされていますが、ゲームを通じて成功体験を得ながら訓練できるのが特徴です。
まとめ
弊社の利用者様にも、視線入力装置を使われてコミュニケーションをとったり、必要な情報を入手したり、意思伝達をされる方もいます。
年齢や時間の経過とともに、手や発話での操作が難しくなり、困りごとが増える障がい者も少なくありません。しかしIT技術の進歩はめざましいです。
ALSや脊髄損傷などで発話や手足が不自由になっても、目の動きでパソコンの操作も可能になりました。
新しい挑戦をはじめたい人は、ぜひ、ケアマネや相談支援専門員に相談してみてください。本日もありがとうございました。