心の病
心の病は他人事ではありません。ある研究によると、生涯のうち5人に1人が何らかの精神疾患にかかる可能性があるそうです。
統合失調症では、「悪口を言われている」「監視されている」といった訴えがあります。相談を受けた人は、その内容は深掘りせず、相談者の気持ちに重点を置いて話を聞くことが大切です。
ただし妄想などは、内服忘れや病状の悪化も考えられるため、医療機関での受診をすすめましょう。
精神障害の3つの原因
精神障害は、原因別に大きく3つに分類できます。
①内因性(脳の問題)
精神障害の原因は、解明されていない部分も多いです。遺伝や脳の変化に環境因子が加わることで発症する可能性も指摘されています。脳の器質的な問題は、内因性です。
②外因性(身体の病気)
脳腫瘍などが原因で発症した精神疾患は外因性です。
アルコール依存症は、多量のアルコールにより脳が反応し精神疾患を起こすので外因性に分類されます。
認知症も何らかの原因で脳に障害を負うことで発症するので、外因性です。
③心因性(精神的負担)
パニック障害は、ストレスなどの心因的要因が主な原因であると考えられてきました。ただ、近年の研究では身体的要因があるという説もあります。
統合失調症の特徴
統合失調症の特徴は、妄想や幻覚といった症状です。
例えば、「自分を襲おうとしている敵がいる」、「誰かが自分を見張っている」などの被害妄想がみられます。また、「自分の考えが人に知られている」、「自分には特別な力がある」といった考えが現れることもあります。
統合失調症の診断基準(DSM‐5)では、以下の項目のうち2つ以上が1ヵ月間、常時みられることとされています。
- 妄想
- 幻覚
- まとまりのない発語
- ひどくまとまりのない・緊張病性の行動
- 陰性症状(感情の平板化・意欲欠如)
強迫観念の特徴
強迫観念は、「自分では間違っている」、「不合理である」と分かっているのに、自分の意志で、払いのけることが出来ない特性があります。
絶えず頭にアレコレと強迫観念が浮かんで、日常生活も送れないほど悩む状態となります。不適切な思考やイメージによって過剰な不安を抱き、その苦痛を回避したり予防しようとします。
手を洗っても不潔と思い過剰に手洗いをする、戸締りを何度も確認しなければいられないなどの行為も見られます。
観念奔逸
観念奔逸は、全体として統一のない観念群をしゃべりまくる特性があり、躁状態の場合にみられます。
次から次に考えが浮かんだり、考えがまとまらず発言に一貫性がなくなったりします。
双極性障害(Ⅰ・Ⅱ)の躁状態にみられることが多いです。双極性障害は、躁病または軽躁病とうつ病を交互に繰り返す障害です。
「双極性障害」はかつて「躁うつ病」といわれていました。そのこともあってうつ病の一種と誤解されがちでしたが、実はこの二つは異なる病気で、治療も異なります。
躁うつの特徴
躁うつは、生活の中で憂うつな気分が強く現れるのが特徴です。
「気分が晴れない」、「心配で心がふさぐ」など、気分の落ち込みがみられます。さらに、睡眠障害や食欲の減退もあります。
躁うつは、身体症状をともなう「うつ病」と、異常すぎるハイテンションの「そう病」があります。
再発を繰り返したり、慢性化することも少なくありません。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害の主な特性に、見捨てられ不安があります。些細なことで不安な気持ちが強くなり、その気持ちを相手にぶつけてしまいます。
少し経つと落ち込み、また相手に甘えるようになるといった行動がみられます。
対人関係の不安定さが続き、これを繰り返していると、相手も自分も憔悴しきってしまいます。
まとめ
精神疾患は原因がはっきりしている外因性、心因性、内因性の3つに分類されます。
精神疾患を抱え苦しんでいる方は年々増えています。
心の病は、目に見える病気ではないだけに放置する方も多いです。
それだけに、思い当たる人いれば注意深く観察することが大切です。
本日もありがとうございました。