ツナガレ介護福祉ケア

東京都指定の障害福祉サービス事業所です。高齢者・障がい児・者、子育ての現場から発信しています!

ストレスから自分を守る!防御規制の心理学とは

 

介護・福祉の現場では、不安や苦しみ、受け入れがたい苦痛なども起こります。

サービス利用者や家族もそうですが、介護に携わる方も、精神的なダメージを受けることもあります。

こうしたストレスを、自分自身で、無意識に解消することを防御規制といいます。言い換えれば、自分でも知らないうちに行っている、心の防御です。

自分はもちろん、相手の防御規制の特性やパターンを知ることは、不快な感情を弱めたり、対人関係のトラブルを減らすことに役立ちます。

 

 

①置き換え

置き換えは、自分の感情を本来の相手に向けずに、違う対象に置き換えて発散することです。たとえば、「親に怒られて弟に意地悪する」「上司に叱られて部下に八つ当たりする」なども、置き換えです。

本来の対象から、別のモノへの置き換えは「人間」だけではありません。たとえば、親に対するイライラを、昆虫など弱いものに向けることもあります。

つまり、本当にぶつけたい相手に感情をぶつけると問題が生じるため、より安全な別の対象を見つけて、ストレスを発散させる心の防御といえます。

いじめや虐待の背景には、こうした置き換えが関連していることがあります。また、行動障害でみられる不適切な行動にも、置き換えが関連していないか見守る必要があります。

②昇華

昇華は、自分の不適切な感情やストレスを、他の認められている行動に転換して欲求を満たすことです。

分かりやすくいえば、人を殴ることが好きだった不良が、ボクシングのチャンピオンになり社会的に認められる。これは健全な昇華です。

また、怒りや悲しみ、葛藤などを芸術や音楽の作品に転換して、社会に評価されることも、健全な昇華といえます。

③反動形成

反動形成とは、苦手な気持ちとあえて逆の行動を取り、その感情を押し殺す事で自分の心を守ろうとすることです。たとえば、学校や会社で嫌いな人に対して、いつもより過剰に優しくする。これは反動形成といえます。

逆に、好意を抱いている相手に、あえて反発したり、嫌われる言動をとってしまうケースも、反動形成といえます。

反動形成で心を防御する人は、強迫性障害などを抱えている場合もあります。対処法としては、自分の本心と、それを否定や抑圧する「思い込み」に気づくことが大切です。

④知性化

知性化とは、数字や事実に基づくデータを理解することで、目の前の不安を減らそうとする心の防御です。知識を増やし、物事を知的に考えていくことで、ストレスから自分を守ろうとします。

たとえば、飛行機に乗ることが不安な人がいます。搭乗日が近づくと鼓動が高まり、逃げ出したい気持ちになります。しかし、飛行機事故の確率を調べて、低いことを知ると不安は減ります。

数字やデータによって安心感を得ることは、知性で気持ちをコントロールしているので知性化といえます。

⑤合理化

合理化とは、自分にとって受け入れがたい感情や欲求を、もっともらしい理由をつけて自分を納得させることです。分かりやすい言葉には、正当化言い訳責任転嫁があります。

たとえば、仕事の失敗を上司のせいにする、欲しいものが手に入らないときに、「あれは大したものではない」と言い聞かせるのも、合理化による心の防御です。

合理化は、自分の行動が思い通りにいかなかった時に、自分にとって都合の悪い原因は、相手にあると決めつけてしまう考え方の事などを指します。

一方、何か自分にとって悪い出来事が起きた時に、「それはさほど悪いことではない」と言い聞かせたり、ミスをしても「失敗は成功のもとだ」と自分を納得させることも合理化です。

このように、合理化は決して悪いことばかりではなく、前向きな姿勢を取るためにも使われる心の防衛でもあります。

まとめ

介護福祉の現場で、人間の心理メカニズムを理解しておくことは重要です。

なぜなら、利用者は介護や障がいという、ストレスの高い状況に直面し、防衛機制が働いていることが多いからです。

防衛機制が働くことで、自我を保つことはできますが、それが続くと、精神的なバランスを保てなくなる可能性があります。また、問題の根っこを見失い、改善のチャンスを見逃すこともあります。

介護職などの専門家は、防衛機制は利用者のSОSであると認識し、問題の本質を見極め、適切な支援を行う必要があります。また、同様のストレスを抱えている家族も、防衛機制が働いているケースがありますので、信頼関係を深めていくことが大切です。

本日もありがとうございました。