ツナガレ介護福祉ケア

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糖尿病、老人性難聴、せん妄の知っておくべき症状とは?

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人生100年時代……。

長生きするからこそ、気をつけたい病気はいくつかあります。

今回は、糖尿病、老人性難聴、せん妄の、知っておきたい症状や対策を解説します。

 

糖尿病の人数

糖尿病は世界で急増しており、2021年時点で5億人以上の患者がいます。

その恐さは、自覚症状のないままに、重篤な合併症が進展することです。

大きな血管の動脈硬化が進行して、心臓病や脳卒中のリスクも高まります。

特徴と症状

糖尿病で検索すると、「視力の低下」「手足のしびれ」「神経障害」などのキーワードが挙がってきます。

それらは、糖尿病の3大合併症である、①糖尿病性腎症、②糖尿病性網膜症、③糖尿病性神経障害に関連しています。

それぞれの特性は次のとおりです。

  1. 糖尿病性腎症:悪化すると慢性腎不全となり、人工透析を必要とします。
  2. 糖尿病性網膜症:視力が低下し、失明の恐れがあります。
  3. 糖尿病性神経障害:末梢の感覚がなくなり壊疽(組織が腐った状態)になってもわからず、足の切断へとつながる恐れがあります。

インスリン注射の注意点

糖尿病におけるインスリン注射は、食事による血糖値の上昇を抑えるものです。

ただし、食事量が半分程に減っている状態のところに、普段と同量のインスリン注射を打つと血糖値が下がりすぎて冷や汗、動悸、めまいなどが現れます。

低血糖が重症化すると意識障害に至るため、速やかに医療職へ相談しましょう。

運動療法と食事療法

糖尿病は国民病といわれるほど身近な病気です。

合併症の予防には、運動療法や食事療法などの生活習慣の改善が必要です。

また、適正な体重を保つことも大切です。

  • 食事は、基本的にゆっくり時間をかけて食べましょう。
  • 決まった時間に食べましょう。
  • 薄味で調理し、野菜を多くとりましょう。
  • マヨネーズやドレッシングなど油の多いもの、甘いものは控えましょう。
  • 無理のない適度な「運動」で基礎代謝量の多い身体をつくりましょう。
  • 外出時はエスカレーターより階段を使うなど、歩きましょう。

老人性難聴とは

「おばあちゃん、テレビのボリューム、大きくない?」

そんな傾向が見られたら、老人性難聴の疑いがあります。

老人性難聴は、加齢の影響で、耳が聴こえにくくなっている状態です。

時期は人それぞれですが、50歳代になると高い音が聞こえにくくなってきます。

70歳代では音が大きくても、高い音が聞こえにくくなると言われています。

老人性難聴の危険性

「聞こえにくいけど、生活はできるから大丈夫」と、放っておく方もいます。

しかし、外で周りの音が聞こえないために事故に遭いやすかったり、災害を知らせる警報に気がつかなかったりするなどの危険性はあります。

また、難聴が続くと認知症のリスクが高まるという報告もあります。

難聴の目安

軽度の難聴は、テレビやラジオの音が大きいと指摘される場合です。

銀行や病院で名前を聞き逃してしまう方は、中度の難聴である場合が多いです。

高度になると、目の前の電話の着信音が聞き取れなくなります。

補聴器

補聴器で知っておきたいのは、聞こえる側の耳にイヤホンを装着することです。

耳がきこえにくい方に対する、コミュニケーションのポイントをまとめました。

  • 環境に気を配る(明るく静かな場所を選ぶ)
  • 普通の声の大きさでゆっくり、はっきりと話しかける
  • 話す際は相手の正面に回ったり、肩をたたいたり、聞く準備をしてもらう。
  • 同時に2人以上は話さない
  • 身振り手振りや、表情を変えて伝えてみる。

せん妄

せん妄とは、身体的な負担がかかった時に生じる、意識の混乱です。

「ここはどこだろう?」と、時間や場所が急に分からなくなったり、注意力や思考力が低下して、さまざまな症状を引き起こします。

原因には、脳梗塞や脳腫瘍、他の身体疾患、薬物などがあります。また、認知症でも、せん妄の症状がでる方はいます。

せん妄の予防とケア

高齢者のせん妄は、脱水や便秘、睡眠不足が原因の場合があります。

昼間は散歩やジョギングをして、夜はぐっすり眠れるように、生活リズムを崩さないようにしましょう。

水分もこまめにとるようにしましょう。

環境の変化によるストレスも、せん妄の原因となることがあります。

ショートステイや老人ホームなど、住み慣れた環境を大きく変えたときは、注意が必要です。

せん妄の注意点

興奮状態や幻覚症状がある場合、周りの人や自分を傷つけることがあるので、ケアに入るときは、本人の周囲に危ないものは置かないようにしましょう。

入院中は点滴やチューブ、カテーテルなどを抜いてしまう恐れもあります。

高齢者では脱水、転倒、床ずれ、失禁、低栄養などを起こしやすいので、専門職がチームで対応して、二次的な障害を予防します。

まとめ

今回は、糖尿病、老人性難聴、せん妄について紹介しました。

いまや国民病ともいわれる糖尿病。合併症を予防するためには、日頃から運動や食事に気を配ることが大切です。

老人性難聴は、テレビの音量でわかることが多いです。以前と比べて、大きなボリュームでテレビを見ている高齢者の家族は、一度、耳鼻科に診てもらいましょう。

せん妄は誤解されますが病気ではありません。あくまでも状態を指す言葉です。はじめて目撃したときはビックリしますが、慌てずに対処しましょう。

本日もありがとうございました。