今年はロックスター、永ちゃんこと矢沢永吉さんが75歳。
昭和を引っ張ってきた団塊世代が、後期高齢者の仲間入りです。
本格的な高齢社会を迎える日本・・・・・・。
もはや介護人材の確保は、待ったなしです。
行政も人材確保に向けて動いているものの、分かりづらいのも事実。
今回は、介護業界の人手不足の対策を紹介します。
介護業界の変化
介護のイメージは、どのようなものでしょう?
<汚ない>
<キツい>
<給料が安い>
いわゆる、3K。
こうした声はネットでも見かけます。
私も、介護をはじめる前は同じでした。
しかし実際に働いてみると、少しずつ見方は変わってきました。
介護現場は、汚い?
まず「汚い」ですが、<ない>と断言できます。
トイレ介助もあるので汚いイメージを持たれる人もいますが、介護は衛生第一。
つねに掃除されていて、清潔に保たれています。
また介護用マスクとグローブを着用するので、ニオイも気になりません。
施設などは、ホテルのようにピカピカのところも多いです。
逆に見学で施設を訪れた際、汚い印象を持たれたら、そこへの入所は避けた方がよいかもしれません。
介護はキツイのか?
第2に「キツい」ですが、体力的な負担はそれほどでもありません。
若いスタッフもいますが、現場では60歳以上の方も多く働いています。
体力勝負の仕事ではなく、技術職であると捉えた方が良いかもしれません。
ベッドから車いすなどへの移乗介助は、慣れるまで大変ですが、コツ(技術)を覚えればスムーズに誘導することができます。
最近は、ボディメカニクスを活用した正しい姿勢や技術も普及しています。
介護は給料が安いのか?
最後に「給料が安い」。
これは、よく指摘される問題です。
他業種と比べると、給与が低いといわれる介護業界。
しかし、いまや人材不足の解消は待ったなしです。
行政もさまざまな補助を打ち出しており、給与アップは確実に進んでいます。
<そんなこと言っても、うちの会社は安いよー>
と、嘆かれている介護士もいるかもしれません。
行政が打ち出している加算や支援金などを活用できていれば、給与アップは進むのですが、申請書類作成が苦手な会社は給与アップが遅れています。
今後は、給与面での二極化が進むかもしれません。
キャリアアップで報酬アップ
介護業界では、多くの資格を取得した方が給与アップにつながります。
国家資格の「介護福祉士」から、入門的な初任者研修など多数の資格があります。
キャリアアップの仕組みも、働きがいのある構造に見直されています。
これまで介護業界は、専門性が不明瞭でキャリアパスが見えづらい「まんじゅう型」でした。しかし、キャリアアップの道筋を明確化し、人材の層に応じたきめ細かな「富士山型」へと転換しています。
家賃をサポート!居住支援特別手当
首都圏は家賃が高く、給料の中でも占める割合は高いです。
こうした負担を減らすために、東京都がはじめたのが「居住支援特別手当」です。
介護事業所で働くスタッフに、月額1万円の住宅手当、つまり家賃補助が出ます。
<アルバイトには関係ないのでは>
<社員だけの手当じゃないの・・・・・・>
そう考えている方もいるかもしれませんが、安心してください。
この手当は社員、非常勤(パートなど)を問わず、幅広い人が対象となっています。
介護現場で週に20時間以上、または月に80時間以上働いている方であれば、家賃サポートが受けられるので、ぜひ活用したい制度です。
賃貸のマンションやアパートで暮らしている人だけでなく、すでに持ち家の人も対象となるようなので、詳しくは働いている事業所に聞いてみましょう。
介護福祉士の届出制度
介護の国家資格、「介護福祉士」。
昔と比べて受験資格は厳しくなっていますが、合格率は上昇傾向にあります。
現場リーダーとして期待されている介護福祉士ですが、実は有資格者のうち、実際に働いている人は約6割と言われています。
つまり、せっかく資格を持っていても、約4割が介護職に従事していないのです。
そこでスタートしたのが、呼び戻し大作戦です。
<呼び戻し大作戦>
介護職を辞めた人を、再び現場に呼び戻すための対策が行われています。
届出制度では、介護福祉士を取得していても就業していない、いわゆる「潜在介護福祉士」の方の把握を行っています。
具体的には、福祉人材センターに氏名・住所等を届け出ることを努力義務としており、現場復帰の不安を解消するための、復職支援も進められています。
介護福祉士等就学資金貸付制度
介護福祉士として就業するために、養成学校へ就学するための資金が必要な人へ向けた制度もあります。
資金貸付制度は、中高年齢者や介護未経験に対し、研修受講の資金を援助します。
貸付資金(お金)は、卒業した後に一定期間、介護の仕事をすれば免除されます。
キャリア支援専門員とは
キャリア支援専門員は、求職者のマッチング支援を行う、専門の相談員です。
都道府県福祉人材センターに配置されています。
個々の求職者にふさわしい職場を開拓するとともに、働きやすい職場づくりに向けた指導・助言を行うこととなっています。
まとめ
今回、紹介した以外にも、介護業界を盛り上げるための支援は行われています。
ロックンローラー、矢沢永吉さんの世代が後期高齢者に突入する2024年。
介護保険が絵にかいたモチにならないためにも、人材確保は喫緊の課題です。
ぜひ、有益な支援が活用され、介護業界の担い手が増えることを望んでいます。
本日もありがとうございました。