ツナガレ介護福祉ケア

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介護の歯みがき|入れ歯の入れ方、外し方と口腔ケアのポイント

 

介護が必要になると、ご自身で歯を磨けない方もいます。

家族や介護士が手伝うケースも多いのですが、他人の歯磨きは慣れるまで大変です。

また、口の中のケアは、歯みがきだけではありません。

入れ歯の出し入れ、舌の清掃、口周りのマッサージなど幅広いです。

こうした口の中のケアは、「口腔ケア」と呼ばれています。

今回は、歯医者さんとはちがった視点で、知っておくと便利な介護のテクニックを紹介します。

 

口腔ケアとは

口腔ケアとは、口の中の様々なトラブルを予防するケアです。

歯磨きで口の中をきれいに保つだけでなく、幅広い範囲を指します。

歯や舌、粘膜、入れ歯の清掃。

口周りのマッサージ、嚥下(えんげ)のトレーニング、リハビリなども含まれます。

歯ブラシ選び

介護での口腔ケアは、思った以上に大変です。

自分の歯磨きと、他人の歯磨きは大きく違います。

とくに高齢者は粘膜が弱くなってくるので、ガシガシ磨くのはNGです。

使用するブラシは、やわらかい毛質の方が良いとされています。

また、歯ブラシのヘッド部分も小さいほうが、しっかりとあてられます。

ただし、これらのブラシ選びはあくまで、ケア側の視点です。

本人が大きくて硬い歯ブラシが好きならば、その気持ちを尊重することが必要です。

その上で提案を行い、お互いが納得した支援につなげたいです。

まずは、うがいから

ついつい忘れてしまいがちなのが、ブラッシング前のうがいです。

汚れや細菌が少ない状態でブラッシングをした方が衛生的で、誤嚥防止になります。

誤嚥(ごえん)とは、食べ物や唾液などが食道ではなく気管に入ることです。

口腔ケアの方法は、主に3つあります。

  1. 歯ブラシで行うブラッシング法
  2. 液体などを口に含んですすぐ洗口法
  3. 清拭剤を浸したガーゼで口腔内を拭く口腔清拭法

歯垢を取り除くには、ブラッシング法がオススメです。

また、洗口法、口腔清拭、すべての方法で義歯は取り外しましょう。

舌の汚れは?

口腔ケアでは、舌の汚れを取り除くことも重要です。

舌の表面には、口臭の原因でもある、舌苔(ぜったい)と呼ばれる部分があります。

残さず取り除いてほしい方もいますが、舌を傷つける可能性があります。

毎回の口腔ケアで、少しずつ取り除く方法が良いとされています。

高齢になると、唾液の分泌量の低下や、舌の動きの鈍化がみられます。

それらは舌の汚れが落ちにくくなる原因でもあります。

寝たきりの口腔ケア

寝たきりの方の口腔ケアは、ベッド上で行います。

ギャッジアップ機能を使って、カラダを起こします。

難しい場合は、側臥位(仰向けに横たわっている体位)でケアをします。

これは、ブラッシングの食べかすや唾液で、誤嚥を引き起こさないためです。

難しいときは、顔は正面より横向きにして、あごを少し引いた姿勢にしましょう。

居宅介護では布団の方もいるので、技術が求められます。

入れ歯の洗い方

介護が必要になると、入れ歯の使用率は高くなります。

意外と知られていないのが、入れ歯のブラッシング方法です。

市販の歯磨き粉を使って磨く方もしますが、あまりオススメしません。

研磨剤が入っているので、義歯が削れてしまう恐れがあるからです。

入れ歯の洗浄は、専用のブラシや洗浄剤を使って洗います。

義歯を外すと残りの歯が動いたり、顎関節が不安定になります。

見た目や発音の問題もあるため、原則、就寝時以外は装着しましょう。

就寝時は口腔内の粘膜に負担をかけないようにするため、外す必要があります。

入れ歯の取り外し

入れ歯の取り外しには、オススメの順番があります。

入れ歯の機能を知っていると、スムーズに取り外しができます。

まず、下あごから外して、上あごを外しましょう。

取り付ける場合は、この逆で行います。

これは一般的に、上あご用の義歯の方が大きいためです。

下の義歯は歯茎に沿った部分だけ、上の義歯は上あご部分も含めて作られています。つまり、比較すると上あご部分の義歯の方がデッカい。着脱は広いスペースを確保しておいた方がやりやすいため、下の義歯がない状態での着脱がすすめられています。

熱湯では洗わない

<入れ歯の汚れは熱湯だとおちやすいかも・・・・・・>

と考えてしまいがちですが、義歯の原料のほとんどはプラスチック素材です。

熱湯につけると変形のおそれがあるので注意しましょう。

<外した入れ歯はどうするの?>

やはり菌の繁殖を防ぐため、専用の洗浄剤で浸しておく方が良いです。

乾燥させると義歯の変形のおそれがあります。

まとめ

介護では、口腔ケアも重要です。

洗口液は補佐的役割ですので、なるべく歯磨きを進めましょう。

口をすすぐ際は、誤嚥に気をつけて行いましょう。

本日もありがとうございました。