ツナガレ介護福祉ケア

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【障害サービス】重度訪問介護とは?利用方法や必要な資格

 

重度訪問介護は、障がいの重い方を支援するサービスです。

「重訪」と呼ばれる支援は、一般の方には想像しずらいかもしれません。

例えば、病気で飲み込みもスムーズに行えず、少量のごはんを2時間ほどかけて食べられる方もいます。

障がいの特性に合わせて長い時間、専門的に支援できるのが重訪です。

 

 

重度訪問介護とは?

障害が重くなると家族での介護は難しくなり、施設に入る方は多いです。

しかし、重訪を利用すると、自宅で365日24時間の支援を受けることも可能です。

重訪の障害支援区分は?

重訪は、重い障害のある方を対象にしたサービスです。

そのため障害支援区分は、4以上の方が対象となります。

区分は、1→2→3→4→5→6と重くなっていきます。

さらに重訪を利用するには、次のAもしくはBに該当しなければなりません。

A: 下記の1もしくは2のいずれにも該当する人

  1. 二肢以上に麻痺等がある者で、障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれもが「支援が不要」以外に認定されている者
  2.  認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者

B: 認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である人

次のような障がいの方は、重訪を受けられる可能性は高いです。

・筋ジストロフィー

・脊髄損傷

・ALS

・遷延性意識障害 

・重症心身障害者

ヘルパーは専門職

重度訪問の仕事がしたくても、介護の資格がないとできません。

とくに障害の重い方を支援するには、専門的な知識と技術が必要です。

オススメの資格は、介護職員初任者研修です。

この研修を受けて合格すれば、専門職として幅広く働くことができます。

重度訪問だけをやりたい方は、重度訪問介護従業者養成研修があります。

最短3日間で取得できます。

重訪での支援とは?

障害のある方への支援は多岐にわたります。

食事やトイレ、着替え、調理や洗濯、買い物なども支援します。

生活全般の相談や助言などもあります。

障がい特性によってサービスの内容も変わります。

利用者によっては喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアも必要です。

医療的ケアは、講習や実地研修を受けて合格する必要があります。

医療的ケアとは

重訪では、喀痰吸引などの医療的ケアは多いです。

喀痰吸引とは、痰を専用のチューブなどで吸引するケアのひとつです。

需要の高い医療的ケアですが、実施するには条件があります。

まず、働いている事業所が喀痰吸引等の登録を受けていること。

さらに、介護士が実地研修を受けて合格することです。

その後、社会福祉振興・試験センターなどへ登録が必要です。

事業所は合格者の申請を行政の担当部署に届ける必要があります。

まとめ

重訪の利用者数は増えています。

しかし、支給決定を受けても事業所が足りていない問題が指摘されています。
その要因の1つに、重度訪問介護の基本単価が低いことが挙げられています*1。

障害が重い方を対象とするサービスでありながら、人手不足や人件費などで参入できない事業所も少なくありません。

現場からは事業所加算の見直しなどを求める声が高まっています。

 

 

【参考文献】

*1 公益社団法人全国脊髄損傷者連合会

「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等」

厚生労働省【介護職員等によるたんの吸引等の実施制度】

https://www.mhlw.go.jp/content/000464962.pdf