高齢者の「美容」は、ますます注目されていくと思います。
年を取ると、<誰にも会わないから>と化粧をしなくなる方もいます。
月に一度は通っていた美容院も、なんだか億劫で・・・と足が遠のく人もいます。
でも、不思議なことに。
美容に気遣われているシニアは若々しく、元気な方が多いような気がします。
今回は、介護の視点から美容や整容について紹介します。
スキンケア
高齢になると汗や皮脂の分泌が減り、皮膚が乾燥しやすくなります。
保湿剤は、皮膚が乾ききらないうちに塗るのが効果的です。
水分を控えると皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみの原因となります。
水分摂取はこまめに行いましょう。
高齢者に多い老人性乾皮症は、下腿部や背中に多発します。
就寝中、無意識にかきむしり、皮膚を傷つけてしまうことがあります。
爪を短めにしたネイルケアがオススメです。
ベッドでの洗髪
ベッドで静養中の方への美容で知っておきたいのは、洗髪方法です。
おさえておきたいのが、5つのポイントです。
- 膝を立てていただき、膝下に枕を入れると、ラクな姿勢になります。
- 髪にお湯をかけて、髪にブラシをかけておくとなじみやすくなります。
- 泡が背中に流れ込む恐れがあるので、後頭部を支えて軽く持ち上げます。
- 流す前に泡を拭き取っておくと、時間を短縮できます。
- お湯が飛び散らないよう、頭部に近いところからかけます。
ケリーパットなどを使うと、ラクに洗髪できます。
整容テクニック
整容 (せいよう) は、身だしなみを整えること。
整髪、口腔ケア、爪切り、ひげ剃りなどがあります。
例えば、目を拭くときのテクニック。
水を含ませたガーゼを準備して、目頭から目尻に向かって拭いていきます。
目やにが固いときは、お湯を含んだガーゼをしばらくあてると取りやすいです。
耳は、自然にゴミや耳垢を外に出す働きがあります。
介護では、耳の入り口部分までにとどめた方が安全です。
入れ歯のケアでは、研磨剤の入った歯磨き粉は避けましょう。
樹脂を傷つけてしまう恐れがあります。
便利グッズ
美容や整容に役立つ便利グッズ。
おすすめは、100円ショップです。
ドライシャンプーは、洗い流す必要のないシャンプーです。
耳かきは、綿棒を使うと便利です。
ガーグルベースは、洗面所に行けない人が、口のものを吐き出す受け皿。
介護コーナーで購入して、試してみましょう。
和式寝衣の交換介護
寝たままの高齢者に行う「和式寝衣」の交換も覚えておくと便利です。
袖を抜くときは「肩→肘→手」の順番で行います。
衣類のちょっとした凹凸やしわは、不快感や褥瘡につながります。
なるべく体に当たらないよう配慮しましょう。
背縫いの部分は、背骨に沿わせることで、体に当たるのを最小限に留めます。
ちなみに和服は、正面から見ると襟元が片仮名の「ソ」の字の形が正解です。
逆の合わせ方は「死に装束」とされ忌み嫌われますので注意しましょう。
まとめ
高齢者の美容や整容は、ココロやカラダの健康に大切な支援です。
メイクやネイル、エステを楽しむことは見た目だけでなく予防介護にもつながります。
最近は100円ショップにも、関連グッズが並んでいますので、活用してみましょう。
本日もありがとうございました。