ツナガレ介護福祉ケア

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年金なんて払いたくない それでも知っておきたい遺族年金の話

<もらえるか分からないのに払いたくない>  
<説明が難しすぎて頭に入らない>

年金の話になると、だいたいこの二つの不満が出てきます。

気持ちはわかります。  
制度は古い。説明は難しい。しかも過去には、不信感を強める出来事もありました。

だから若い人ほど、こう思いやすい。  
どうせ払っても損なんじゃないか、と。

でも、年金は老後だけの話ではありません。  
病気や障害で働けなくなったとき。  
一家の支え手が亡くなったとき。  
そのときに家族を支える仕組みも、年金の中に入っています。

今日はその中でも、意外と知られていない遺族年金について、できるだけ難しい言葉を避けて書いてみます。

 遺族年金は「残された家族の生活を支えるお金」

遺族年金とは、年金に入っていた人や、一定の条件を満たした人が亡くなったときに、残された家族に支払われるお金です。

大きく分けると、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

ここで大事なのは、  「亡くなったら家族なら誰でももらえる」  という制度ではないことです。

たとえば遺族基礎年金を受け取れるのは、基本的に「子のある配偶者」か「子」です。

この「子」にも条件があります。  
原則として、18歳到達年度の3月31日までの子。  
または、20歳未満で一定の障害がある子です。

つまり、配偶者であっても、子がいなければ遺族基礎年金は支給されません。  
ここは意外と知られていないところです。

受け取るには「保険料の条件」もある

遺族年金は、誰かが亡くなれば自動でもらえるものではありません。

亡くなった人の保険料納付状況にも条件があります。

ざっくり言えば、  保険料をきちんと納めていたか。  
あるいは免除などを受けていたか。  
そこが見られます。

原則として、納付済み期間や免除期間を合わせて、加入期間の3分の2以上あることが必要です。  
ただし、直近1年間に未納がなければよいという特例もあります。

このへんが、年金の話をややこしくしている原因でもあります。  
払っていればいい、という単純な話ではない。  
未納があるか。免除を受けていたか。  
どの時点で亡くなったか。  
そういう条件で扱いが変わります。

 いくらもらえるのか

遺族基礎年金は、毎年少しずつ金額が見直されます。

そのため、古いネット記事を読むと、今とは違う数字が書かれていることがあります。

現在の遺族基礎年金は子のある配偶者が受け取る場合、基本額に子の加算がつく形です。

つまり、見るべきなのは 【いくらもらえるか】だけではなく「誰が対象になるか」「子が何人いるか」まで含めた全体です。

ネットで古い金額だけを見て判断すると、誤解しやすいところです。

子どもが受け取る場合の注意点

子どもに受給権があるように見えても、そのまま支給されないことがあります。

たとえば、子に生計を同じくする父または母がいる間は、子には支給されません。  
また、婚姻した場合には受け取れなくなる扱いもあります。

制度としては、  
その子に権利があるかどうかだけでなく、  
誰が家計を支えているか。  

どういう生活状況か。  

そこまで見ています。

感覚的には、ここが一番わかりにくいかもしれません。

遺族厚生年金は少し性格が違う

遺族厚生年金は、厚生年金に入っていた人が亡くなった場合に支給されるものです。

こちらは、遺族基礎年金より対象が広い場合があります。  

子のない配偶者でも対象になることがありますし、条件を満たせば孫が対象になる場合もあります。

また、30歳未満で子のない妻については、有期給付になる扱いがあります。

このあたりまで来ると、かなり制度の細かい話になります。  

だからこそ、ネットの断片的な知識ではなく、全体の仕組みで見たほうがいいのです。

学生も年金の対象になる

「学生なのに年金を払うのか」と驚く人は多いです。

でも、20歳になると、学生も国民年金の対象です。

昔は任意加入の時代もありました。  

けれど制度改正を経て、学生も加入が義務づけられました。

背景にあったのは、若い時期に障害を負った場合に、無年金になる問題です。

つまり、学生の年金加入は、単なる負担ではなく、いざというときの保障を切らさないための意味もあります。

なお、収入が少ない学生には、保険料の納付を猶予してもらえる制度もあります。  

知らずに未納にするより、制度を使ったほうがずっといいです。

外国籍でも対象になる

「日本国籍がないなら、年金は関係ないのでは」と思う人もいます。

でも、今の制度ではそうではありません。

日本に住む20歳から59歳までの人は、国籍を問わず、公的年金制度の対象になります。

つまり、外国籍の人でも、原則として日本の年金制度に入る必要があります。

ここも、知らないままだと  
「自分には関係ないと思っていたのに、実は対象だった」  
ということが起こりやすいところです。

年金が嫌われるのは 仕組みより「距離感」かも

年金制度は、数字だけ見ればたしかにわかりにくいです。

でも、本当に嫌われる理由は、制度そのものより、  自分の生活との距離が遠いことかもしれません。

若いときは、老後なんて現実味がない。  

障害も、死亡も、考えたくない。  

だから、ただ払わされている感じが強くなる。

でも、遺族年金まで含めて見ていくと、年金は老後のためだけの積立ではありません。

人生の途中で起きる事故に対して、家族を守るための保険のような面も持っています。

ここを知らないままだと、制度に腹を立てることはあっても、制度を使って自分や家族を守る発想にはつながりにくい。

そこが、もったいないところです。

 まとめ

遺族基礎年金は、主に子のある配偶者または子が対象です。  

配偶者でも、子がいなければ原則として対象にはなりません。

また、受給には亡くなった人の保険料納付状況などの条件があります。

学生も、外国籍の人も、条件を満たせば制度の対象です。

だからこそ、年金は  
「自分にはまだ関係ない話」  
ではありません。

嫌いでもいい。  
不信感があってもいい。

ただ、知らないままで損をするのは、たぶんいちばんもったいない。

年金は、好きになる制度ではなくても、  
【知らずに放っておくには重すぎる制度】です。