ツナガレ介護福祉ケア

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昔は医療費タダだった 老人福祉の歴史をたどる

いまでは少し信じにくい話ですが、昔は高齢者の医療費が無料だった時代がありました。

1973年。

いわゆる「福祉元年」と呼ばれた年です。

この年から、高齢者の医療費負担を公費で支える仕組みが始まりました。

当時は、それだけ高齢者を社会で支えようという空気が強かったのだと思います。

ただ、制度は理想だけでは続きません。

高齢者が増え、医療費が増え、福祉のあり方そのものが見直されていくことになります。

今回は、老人福祉の流れを、年表ではなく意味の流れでたどってみます。

老人医療費が無料だった時代がある

1973年、老人医療費の無料化が始まりました。

高齢者が安心して病院にかかれるようにするための、大きな政策でした。

ただその一方で、医療費は急増していきます。

福祉は手厚いほどいい。

けれど、支える側の力にも限界がある。

その現実が見えてきた時代でもありました。

無料の時代は長くは続かなかった

1982年に老人保健法が制定されると、高齢者医療は見直され、一部負担が導入されていきます。

ここで変わったのは、お金の話だけではありません。

支えるだけでなく、予防も大事にする。

制度を続けるために、負担も分け合う。

そういう考え方が前に出てきました。

健康教育や健康診査、訪問指導などが重視されるようになったのも、この流れの中です。

福祉は、地域に近いところで動くようになった

1990年頃からは、高齢者福祉を市町村が中心に担う流れが強くなっていきます。

特別養護老人ホームなどへの入所決定権も、市町村へ移されていきました。

福祉は、遠くで決めるものではなく、生活の近くで動かすものへ。

そんな変化が進んでいったわけです。

家で支えるという発想が形になっていく

1992年には老人訪問看護制度が創設されました。

高齢者を支える場が、病院や施設だけではなく、家にも広がっていった。

これは大きな転換です。

住み慣れた場所で暮らしたい。

でも支えは必要。

その間を埋める仕組みが、この頃から少しずつ整っていきました。

介護保険で、仕組みそのものが変わった

1997年に介護保険法が制定され、2000年に介護保険制度が始まります。

それまでの福祉は、行政がサービスを決める色合いが強いものでした。

けれど介護保険では、利用者がサービスを選び、契約して使う仕組みへと変わっていきます。

みんなで保険料を出し合い、必要なときに使う。

利用するときには自己負担もある。

いま当たり前のように使っている仕組みも、こうした大きな転換の上にできています。

福祉は、医療や介護だけの話ではなくなった

2008年には、高齢者医療の仕組みがさらに見直され、後期高齢者医療制度が始まります。

そして2011年には、サービス付き高齢者向け住宅の登録制度が始まりました。

ここで見えてくるのは、高齢者福祉は医療や介護だけでは終わらないということです。

どこで暮らすのか。

どう住み続けるのか。

見守りはあるのか。

そうした「暮らしそのもの」もまた、福祉のテーマになっていきました。

老人福祉の歴史は、理想と現実のあいだにある

老人福祉の流れをたどると、最初は広く支えようとした時代があり、そこから現実に合わせて制度が組み替えられてきたことがわかります。

負担を分け合い、予防を重視し、地域で支え、在宅を広げ、保険制度へ移っていく。

その積み重ねが、いまの高齢者福祉につながっています。

福祉は、きれいごとだけでは続かない。

でも、きれいごとがなければ始まらない。

老人福祉の歴史は、その両方でできているのだと思います。