
制度のことばは、少しかたいです。
読んでいるうちに、頭に入っているようで入っていない。
市町村の役割なのか、都道府県の役割なのかも、なんとなく混ざってきます。
でも、知っておくと少し得することがあります。
福祉の制度は、誰かがなんとなく動かしているわけではなくて、それぞれに役割が割り振られています。
その輪郭が少し見えるだけでも、制度の見え方は変わります。
今回は、障害者総合支援法に出てくる「市町村の役割」を、クイズの形でやわらかく整理してみます。
- 第1問 障害支援区分の認定調査は委託できる?
- 第2問 協議会と審査会 どちらが正しい?
- 第3問 市町村障害福祉計画をつくるのは誰?
- 第4問 事業者の指定を行うのは市町村?
- 第5問 専門性の高い相談支援は市町村の役割?
- まとめ
第1問 障害支援区分の認定調査は委託できる?
障害支援区分の認定のための調査は、指定一般相談支援事業者等に委託することができる?
答え 正しいです。
市町村は、障害支援区分の認定のための調査を、指定一般相談支援事業者などに委託することができます。
ここで少しややこしいのは、「認定」と「認定のための調査」が、同じようで少し違うことです。
全部を市町村が自分で抱えるというより、必要に応じて外に委ねることもある。
制度はそういう現実的な作りにもなっています。
第2問 協議会と審査会 どちらが正しい?
障害支援区分の認定に関する審査判定業務を行わせるため、市町村は協議会を設置する?
答え 誤りです。
ここは「協議会」ではなく、審査会です。
言葉としてはかなり似ています。
でも、制度の文章は、こういう似た言葉で景色を見えにくくしてきます。
逆に言えば、一度ここを整理してしまうと、少しだけ見通しがよくなります。
協議会ではなく、審査会。
静かですが、大事な違いです。
第3問 市町村障害福祉計画をつくるのは誰?
市町村は、市町村障害福祉計画をつくる立場にある?
答え 正しいです。
市町村障害福祉計画は、地域の障害福祉サービスをどう整えていくかを考える土台になるものです。
制度の文章を読んでいると義務か、努力義務か、という言い回しに目が行きがちです。
もちろんそれも大事です。
でも、その前にまず見ておきたいのは、市町村がこの計画を担う側にいる、ということだと思います。
現場にある支援も、相談も、サービスも、急にそこに現れるわけではありません。
その前に、こういう計画があります。
第4問 事業者の指定を行うのは市町村?
指定障害福祉サービス事業者の指定を行うのは、市町村である?
答え 誤りです。
これは市町村ではありません。
市町村は住民に近い存在なので、なんとなく何でも市町村がやっているように見えることがあります。
でも、利用者に近い窓口の仕事と、事業者を指定する仕事は、同じではありません。
制度は一か所へ集められているわけではなく、少しずつ役割が分かれています。
その分、分かりにくい。
でも、分けて見ていくと、少し落ち着きます。
第5問 専門性の高い相談支援は市町村の役割?
高次脳機能障害に対する支援普及事業など、特に専門性の高い相談支援事業を行うのは市町村である?
答え 誤りです。
こうした専門性の高い相談支援事業は、都道府県が行うものとされています。
「相談支援」という言葉だけを見ると、なんとなく市町村っぽく見えます。
でも、専門性が高く、広い範囲で支える必要があるものは、都道府県の役割として位置づけられているものがあります。
身近な相談と、専門性の高い支援。
同じ相談でも、置かれている場所が違う。
制度の中には、そういう分け方があります。
まとめ
障害者総合支援法に出てくる市町村の役割は、難しいというより、少し見えにくいのだと思います。
言葉がかたくて、似た表現が多くて、市町村と都道府県が頭の中で入れ替わる。
でも、ざっくり分けると、少し整理しやすくなります。
- 障害支援区分認定のための調査は委託できる
- 協議会ではなく審査会
- 市町村障害福祉計画は市町村が担う
- 事業者の指定は市町村ではない
- 専門性の高い相談支援は都道府県の役割
知っていたから何かがすぐ変わるわけではないです。
ただ、誰が何を担っているのかが少し見えるだけで、制度は前よりも、少しだけ人の営みに近づきます。
そういう知識は、あとからじわっと効いてくることがあります。
たぶん、そういう種類の知識です。