
近年、お酒との付き合い方を見直す動きが広がっています。
アルコール依存症で治療を受けている患者数は、過去のピーク時より減少しているという統計があります。一方で飲酒に問題を抱えながらも、医療や支援につながっていない人は少なくありません。
2024年度に実施された全国調査では、過去1年間にアルコール使用障害が疑われる人は約304万人。つまり、アルコール依存症は一部の特別な問題ではなく、身近に起こり得る課題だといえます。
アルコール依存症は、本人の意思の弱さだけで片づけられるものではありません。飲酒をコントロールすることが難しくなり、心身の健康、仕事、家庭、人間関係などに影響が出ることがあります。
アルコール依存症と自立支援医療
アルコール依存症で治療を受ける場合、自立支援医療、いわゆる精神通院医療の対象になることがあります。自立支援医療は、通院を継続する必要がある人の医療費の自己負担を軽減する制度です。
対象は、診察や薬物療法、精神療法、デイケアなどの通院です。アルコール依存症も継続的な治療が必要と判断される場合、自立支援医療の利用を検討できます。
ただし利用するには、医師の診断書や自治体への申請が必要。利用できるかどうかは、主治医や自治体の窓口に確認することが大切です。
社会福祉として利用できる支援
アルコール依存症で生活に支障が出ている場合、福祉につながることもあります。長期に困難を抱えている人は、精神障害者保健福祉手帳の対象となることがあります。
また、日常生活に支援が必要な場合には、障害福祉サービスの利用につながることもあります。たとえば居宅介護では、自宅での入浴や食事の介助、調理、洗濯、掃除などの家事援助、生活に関する相談や助言などが行われます。
アルコール依存症は、治療だけで完結するものではありません。生活を立て直す支援、孤立を防ぐためのつながりなど、複数の支援を組み合わせることが大切です。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)とは
アルコール依存症の回復を支えるひとつにアルコホーリクス・アノニマス、通称AAがあります。AAは、飲まない生活を続けていくために参加する自助グループです。
医師や心理職の治療、カウンセリングではありません。同じ悩みを持つ人が集まり、それぞれの経験や思いを語り合い支え合うことを目的としています。
AAは制度上の福祉サービスではありません。そのため、自立支援医療の対象にはなりません。しかし、同じ経験を持つ人とつながることは孤立を防ぎ、飲まない生活を続ける支えになる場合があります。
まとめ
アルコール依存症は、意思の弱さだけで片づけられるものではありません。
生活の困難が長く続いている場合、保健福祉手帳や障害サービスにつながる可能性もあります。相談は、保健所や精神保健福祉センターで受け付けています。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)は、同じ悩みを持つ人とつながる自助グループです。アルコール依存症は、ひとりで抱え込まないことが大切です。
医療、福祉、相談機関、自助グループなど、必要な支援につながることが回復への一歩になります。
本日もありがとうございました。