傾聴力の効果と使い方とは
悩みを抱えるママの相談援助で大切なのは傾聴力です。
傾聴とは「受容」「共感」「自己一致」という3つの原則を守りながら進めていく援助スキルです。
簡単なようで難しいスキルでもあります。
親しい関係の友人ほど、ついつい自分の意見を言いたくなって上手くいかないケースもあります。
それぞれの具体的な内容を簡単に説明します。
受容、アクセプタンスの意味
受容とは相手を評価しないで、ありのまま、あるがままに受け入れることです。
相手が安易な方法で不安や苦しみから逃げそうとしても、頭から否定するのではなく受け入れていく姿勢です。
困った方の辛さをまず理解することが大切です。
「そのくらいのこと我慢できないの?」
「みんな苦しくても頑張ってるんだよ」
などの励ましはダメです。
自分の価値観とは異なっていても、まず受け入れる姿勢をとりましょう。
共感とは?アドバイスの意味
共感は、相手が感じていることを相手の身になって同じように感じようとする姿勢のことです。
心理学での共感とは「他者が抱いている感情を感じ取り、同じような感情を自分も体験する」こととなっています。
自分には理解できないけれど、他人の感情によって生じる代理的な感情体験を共有することが共感の難しさかもしれません。
共感は嬉しい、楽しいなどの前向きな感情についても、また悲しい、寂しいなどの後ろ向き的な感情にも使われます。
共感と似た言葉は同情ですが、これは否定的な感情を自分目線で見ている印象があります。
共感でよく使われるワードがあります。
「ですよね」
「そうそう」
多分、日常会話でも使っている人は多いのではないでしょうか。
共感しているかどうかは相手も感じます。
言葉だけ共感していてもダメです。
相手の立場で思考する技術が必要となります。
自己一致のやり方とは
自己一致とは聞いている自分の気持ちを偽り、表面上だけ受容や共感をしないことを意味します。
相談援助ではかなり難しいスキルになります。
八方美人といいますが、その時だけ良い顔をしても相手に見抜かれます。
心の底から傾聴できないときには、素直な気持ちを相手に伝えることも聞き手の誠実な態度です。
ケースワーク(個別援助技術)
ケースワークとは困難な課題を抱えた人を、主体的に生活できるように支援、援助していくソーシャルワーク(社会福祉援助技術)のことです。
ケースワークは、social caseworkの略でもあります。
これはアメリカで発達し、社会福祉と援助技術のひとつとなっています。
ケースワークの目的とは、生活で生じる困難を個人や家族が主体的に解決していけるように援助することです。
そのためには、人と社会資源の両者の関係に働きかけます。
相談の内容によっては金銭的な困窮もあります。
お金の問題は個人では解決できないケースは少なくありません。
こうした時こそ、社会的な資源を活用すればいいのです。
コロナにおける持続化給付金など、行政による社会的資源は多いです。
ただし、その社会的資源の情報を知らないと使えません。
まずはダメ元で専門家に相談することをおすすめします。
子育ての悩みを解決するグループワーク
各地で行われているグループワークは、お母さんたちの悩みを語り合う場所です。
ひとりで悩みを抱え込まないことは大事です。
経験上、周囲で完璧に見えるお母さんほど悩みが深かったりします。
その原因は、完璧ゆえに愚痴をこぼすことができないからです。
完璧な母親はいません。
そして完璧な子育てはありません。
児童相談所には、相談支援窓口もありますが行きづらい方もいます。
そうした時はwebなどを利用して、匿名でも良いので相談してみましょう。
また、相談された側も一人で抱え込まず、ある時期が来たら信頼できる専門家を巻き込んで一緒に悩みを解決した方が良い結果が生まれると思います。
本日もありがとうございました。