ツナガレ介護福祉ケア

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医療ソーシャルワーカーの6つの業務とは

 

病院で見かける専門家に、医療ソーシャルワーカーと呼ばれる方がいます。医療ソーシャルワーカーは、MSW(メディカルソーシャルワーカーの略)と呼ばれます。

MSWは、医療機関などで活躍する福祉の専門家です。病気になった方や不安を抱えた家族を社会福祉の立場から支援します。

今回は、医療ソーシャルワーカーの6つの業務指針を見ながら、具体的な仕事内容を紹介していきます。

 

 

①心や生活の相談支援

医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)の大切な仕事に、療養中の患者さんや家族への相談支援があります。

多くの人は病気になると、心理的にも経済的にも悩みや不安が増えてきます。もちろん、家族も同様です。こうした悩みや不安を軽減し、安心して療養できるようにサポートするのがMSWのお仕事です。

さらに、育児や教育、就労、家族関係の調整も担います。また、最悪の事態に陥った場合の家族の精神的苦痛の軽減、生活の再設計もサポートします。

相談例

・病気の告知を受け、不安でどうしたらいいかわからない。

・入院で仕事を休む場合、会社の保障はあるのか?

②退院援助

MSWは、医師をはじめ医療スタッフと連絡・調整を行いながら、退院に向けた支援を行います。すぐに仕事ができない場合は、活用できる社会資源、介護などの状況を確認します。在宅への退院が難しい場合、適切な転院先、施設などのご紹介、転院の調整も行います。

相談例

・退院後介護が必要になったので、介護サービスを利用したい
・障害が残ったので、利用できる制度などについて知りたい

③社会復帰援助

退院後の社会復帰が円滑に進むように支援するのも医療ソーシャルワーカーの仕事です。病気になった患者さんの職場や学校などと調整を行い、復職、復学を支援します。

相談例

・抗がん剤治療を継続しながらの職場復帰に不安がある。

④受診・受療援助

患者さんや家族に対し、受診や受療の援助を行います。それぞれの状況に適した医療の受け方、病院、診療所等の情報提供を行います。また、必要に応じて診療に参考となる情報を収集し、医師や看護師へ提供をします

相談例

・主治医から病状の説明を受けたが、うまく聞き取れなかった、質問できなかった
・入院治療は必要だが、母子家庭の為、子供の世話を考えると入院はできない

⑤経済的問題の解決、調整援助

生活する上で、大切な経済的な問題にも対応します。患者さんが医療費、生活費に困っている場合は、福祉や保険などの制度を活用できるよう支援します。

相談例

・入院したが医療費が支払えるか心配。

・仕事を休んで家賃が払えない。

⑥地域活動

患者さんのニーズに合ったサービスが地域で提供されるよう、関係機関と連携しながら、地域の保健医療福祉システムづくりに貢献するのも仕事のひとつです。

医療ソーシャルワーカーは、地域の患者会、家族会、ボランティア等の育成、支援も行います。また、高齢者や精神障害の方が地域で安心して暮らしていけるよう、地域の理解を求め、普及を進めます。

まとめ

今回は、医療ソーシャルワーカーの仕事について紹介しました。医者や看護師が患者を治療する専門家とすれば、医療ソーシャルワーカーは生活や環境を整える専門家といえるかもしれません。

本日もありがとうございました。

 

参考:〔厚労省『医療ソーシャルワーカー業務指針』より〕