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介護に学歴や資格は必要なの?離婚や転職…悩み、やりがいを100人村で解説

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「介護士は中卒が多い」

 

「シングルマザーのスタッフがほとんど」

 

こんな噂話も伝えられる介護業界。

 

なにせ介護職として働く人は全国で約190万人。

 

他の職種と比べ多いので様々な噂話がでるのは仕方のないことかもしれません。

 

 

ちなみに看護師の数は準看もあわせて約150万人。保育士として実際に働く人は約42万人(平成25年時点)といわれている。

 

 

しかし、やっぱり介護職の本当の素顔や実態は知りたいもの。

 

今回は令和元年度の介護労働実態調査の結果から「介護職がもし100人の村だったら」風に学歴や離婚率、前職など介護職の実態を紹介します。

 

介護村は何歳から

 

まずは年齢から。

 

介護村で最も多い年齢は「40 歳以上 45 歳未満」で 14.2人。

 

その次に「45 歳以上 50歳未満」が 13人。つまり40代が3割近く住む村となります。

 

男女別で見てみると平均年齢は女性が 47.5 歳。男性は 40.1 歳。

 

つまり介護村は女性の方が7歳年上の「姉さん社会」といえます。

 

現場に携わる者としても、この数字は納得です。

 

介護は学歴不問?

 

介護現場では学歴はあまり関係ありません。

 

むしろ論理的な主張ばかりで現場で使えないオジサンは煙たがられるでしょう(自戒も込めて)。

 

そのためか介護士は中卒が多いなどの都市伝説がありますが、最新のデータが真相を解明してくれました。

 

ずばり、最終学歴で最も多いのは「高等学校」でした。

 

具体的には、介護村100人のうち50.7人が高卒。次に多いのが「高専・短大」卒業で23.8人。

 

ちなみに中卒は3.6人、大学・大学院卒は13.8人でした。(残りは無回答)

 

介護村で高卒が多いのは高い世代(60代以上)の方たちも多く働いていることが関係しているのだと思います。

 

大学・大学院を出て介護業界で働く人も増えています。

 

学歴はケア技術には関係ありませんが、行政の方針としては質の向上を求めているので介護福祉士の資格取得は難しくなっていく気がします。

 

介護は結婚できないの?

 

介護職の結婚事情です。

 

100人の介護村の配偶関係をみると全体では「既婚」が 57.6人。

 

6割近くの人が結婚しています。

 

そして結婚していない人は 21.3人。

 

若い人が多いです。

 

注目したいのは「離死別」で、最愛の人と死別した人は13.5人もいました。

 

こちらも介護村で働く人の高齢化が要因であると推察できます。

 


就業形態別でみると「既婚」は正規職員が 53.1%、非正規職員が 68.0%となっている。派遣やパート社員の未婚率の高さが目立つ。

 

  

介護士、家族の介護は数年後に4割


中年層が多く働く介護村では現在、身内の介護をしている人が 11.6人います。

 

また「ここ数年のうちに可能性がある」が 29.8人もいます。

 

これはかなり高い数字ではないでしょうか。

 

つまり数年のうちに家族の介護をする人が41.7%にも上るのです、

 

性別では男性は「現在、介護している」が 7.7%であったのに対して、女性は 14.0%と高くなっています。

 


年齢階級別でみると「現在、介護している」は「55 歳以上 60 歳未満」が 26.4%で最も高く、次いで「60 歳以上 65 歳未満」が 23.4%となっている。

 

 

 

介護、働く上で大切なこと

 

続いては、働く条件です。

 

100人の介護村では、男女で働く決め手が若干ちがいます。

 

男性の働く条件で最も多かったのは「働きがいのある仕事だと思ったから」が 33.8人。

 

次いで「やりたい職種・仕事内容だから」が 32.7人でした。

 

一方、女性は「通勤が便利だから」が 40.8人で最も多かったです。

 

やはり子育てや家庭を優先して働いている方が多いようです。

 

次に「資格・技能が活かせるから」が 39.5人でした。

  

 

ケアマネは「資格・技能が活かせるから」が 51.9%、「やりたい職種・仕事内容だから」が 43.4%、介護職員は「通勤が便利だから」が 41.5%で他の職種に比べて高くなっている。

 

 

介護、就職の選び方は

 

介護職は横のつながりが強いです。

 

現在の法人に就職したきっかけについては、男女とも「友人・知人からの紹介」が最も高く、次いで「ハロ-ワ-ク等」となっています。

 

派遣会社からも多そうに思えますが、実際は信頼できる人からの紹介で就職する人が多いようですね。

 

これは他の業種よりも顕著な気がします。

 

 

介護は転職ばかり

 

介護は転職組が多い業界です。

 

100人の介護村では学校卒業後、収入を伴う仕事をしていた「前職あり」と答えた人が 77.6人を占めています。

 

具体的な仕事については「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が 61.9人と最も高く、次いで「介護関係の仕事」が 32人、「医療関係の仕事」が 20.2人でした。

 

アパレルや美容、ショップ店員や運送業から転職してきた人が知り合いには多いです。

 

介護の転職理由は?


前職をやめた理由です。

 

まず女性は「結婚・出産・妊娠・育児のため」が26.6人と最多でした。

 

やはり結婚や出産は人生の大きな転機になっています。

 

一方、男性。こちらは前職を辞めた理由で最も多いのは「自分の将来の見込みが立たなかったため」が 15.6人でした。

 

 

コロナ渦の影響で倒産やリストラなど冬の時代が到来する気配です。

 

その点、介護業界は安定した仕事です。

 

今後、転職はもちろん副業としてのニーズも高まるような気がします。

 


訪問介護員、サ-ビス提供責任者、介護職員は「結婚・出産・妊娠・育児のため」がそれぞれ 31.5%、30.2%、26.0%で最も高く、ケアマネは「新しい資格を取ったから」が 24.2%で最も高くなっている。

 

 

 

   

 

 

介護の社員とパートの違い

 

介護村で働く派遣やパートの中で「正社員を希望する人」は100人中 21.4人しかいませんでした。

 

7 割を超える人が「正社員にはなりたくない」と考えているのも介護っぽい気がします。

 

介護業界で働く派遣やパート、アルバイトの中には夢を諦めていない方も多いです。

 

ミュージシャンや俳優、芸術家など副業で介護士をしている人も少なくないですし、最近では別業種の企業で働きながらダブルワークしている方もいます。

 

多様な働き方ができるのが介護の魅力のひとつかもしれません。

 

 

 

 

 

介護は部下の退職が多い


介護業界は人間関係が難しいと言われます。

 

これまでの生き方やバックボーンが違う人が同じ職場で働くのは、確かに難しいと実感します。

 

また女性の多い職場なので「好き、嫌い」など感情的になるシーンも目撃します。

 

今回の調査で職場での人間関係の悩み、不安、不満をたずねたところ、全体では「部下の指導が難しい」と答えた人が 21.2人で最多でした。

 

やっぱりなあ、という感じです。

 

介護現場では年配の派遣やパート、アルバイトのおばさんに対して、管理職の若い社員が指示することも珍しくありません。

 

しかしこれがなかなか一筋縄ではいきません。

 

素直に言うことを聞いているようで陰で不満や愚痴をこばしたり。

 

中には若い社員に聞こえるように嫌味をいう強者もいたり…いやあ、大変です。

 

一方、スタッフ側からも「自分と合わない上司や同僚がいる」と答えた人は100人中20.9人いました。

 

また「ケアの方法等について(職場内での)意見交換が不十分」と考えている人も 20.6人います。

 

出入りの激しい介護業界の大きな課題かもしれません。

 


介護保険サービス系型別では、訪問系は「経営層や管理職等の管理能力が低い、業務の支持が不明確、不十分である」が 17.0%、施設系(入所型)は「部下の指導が難しい」が 31.7%、で最も高く、施設系(通所型)は「自分と合わない上司や同僚がいる」が 22.0%で最も高くなっている。

 

 

介護で不安に感じたこと

 

命に関わる仕事でもある介護職。


利用者及びその家族についての悩み、不安、不満に関しては「利用者に適切なケアができているか不安がある」が 41.6人で最も多かったです。

 

認知症の高齢者と接していると、本当にこの介護で良いのか、もっと良い方法はないのだろうか、と悩むことは多々あります。

 

一方、訪問介護では「利用者と家族の希望が一致しない」ことに不安や悩みを抱えている介護職が 100人中27.3人と最も多かったです。

 

さらに「利用者は何をやってもらっても当然と思っている」ことに不満がある人も 100人中25.9人に上りました。

 

訪問介護ではヘルパーという名称から、介護士を「お手伝いさん」と勘違いしている利用者がいるのも事実です。

 

これでは訪問介護をやる人はいなくなってしまいます。

 

介護職の量と質の両立を目指すためにも介護職のイメージアップを切に望みます。

 

さて今回は100人の介護村風に紹介させていただきました。

 

介護業界には個性あふれる人たちが多く、データでは捉えきれないことも多いです。

 

今後も介護業界の愉快な面々を取り上げていきます。

 

本日もありがとうございました。

サトシ(@satoshi_Jp0415でした。

 

 

 

 

 【引用文献】