障害の知識と技
「障がいがあっても働きたい」と考えている方は少なくありません。 行政側もさまざまなサポートを用意していますが、「どこに相談すればいいの?」という声も聞かれます。 私は、率直に言って行政側のPR不足は否めないと思います。せっかく良い制度を作っ…
成年後見制度は、民法や契約など法律に基づく制度です。 そのため、家庭裁判所に出向くこともあります。 裁判所と聞くとやや緊張しますよね。 しかし、認知症の増加によって今後、接する機会は多くなるかもしれません。 今回は、知っておきたい成年後見制度…
高齢になると、身体器官の老化にともなって、ものが見えにくくなる、声や音も聞こえにくくなります。 若いころは、茶碗の汚れに気づかない、相手の言っていることを聞き取れないことは少ないでしょう。しかし、歳を重ねると、見えないもの、聞こえないことが…
「生活保護なら働かなくてイイじゃん」と勘違いされる方がいます。また、人生の敗北者のようなイメージを抱く方がいますが、そうではありません。 事故や予期せぬ事態に直面し、一時的に生活保護を利用したけれど、逆境を乗り越えて社会復帰される方、「生活…
障害のある方が、ひとり暮らしをはじめたい時に役立つのが、生活の困りごとを解決してくれる「自立生活援助」というサービスです(2018年4月1日施行)。 食事や洗濯、掃除などの家事だけでなく、体調やお金の管理、ご近所付きあいのアドバイスもしてくれます…
精神疾患の中で、女性に多いのが「摂食障がい」です。 原因のひとつに認知のゆがみがあります。 たとえば、痩せているのに「もっと痩せなきゃ」と不安にかられて、極端な食事制限をするケースです。 「太ってない、大丈夫だよ」と言われても本人は聞き入れま…
精神障害がひどくなると、リストカットなどの自殺未遂や、他人や物を傷つける(他害行為)などがみられます。一刻を争う状況では精神科へ緊急入院となります。 精神科への入院は「精神保健福祉法」に定められています。入院形態はさまざまで「対象と要件等」…
ランキング参加中健康 福祉の資格のひとつに「社会福祉士」があります。 困っている方の相談や援助の場において重要な役割を担っていますが、仕事内容を知っている人は少ないかもしれません。 今回は、社会福祉士のさまざまなアプローチについて解説します。…
心の病 心の病は他人事ではありません。ある研究によると、生涯のうち5人に1人が何らかの精神疾患にかかる可能性があるそうです。 統合失調症では、「悪口を言われている」「監視されている」といった訴えがあります。相談を受けた人は、その内容は深掘り…
重い障がいのある方を支援するサービスに、重度訪問介護(重訪)があります。 本来、重訪は障がい者の生活全般の介護サービスを手厚くし、自宅での生活が続けられるように設計されました。しかし現実には、365日24時間のサービスは認められず、「利用者…
今年、あるニュースが話題となりました。それは、重い障害のある子ども達が目の動きを使い、オンラインで対戦するeスポーツ大会が開催されたというもの。 視線をパソコンのマウスのように使う「視線入力」の技術を使った大会は、重い障がいのある方に新たな…
介護や障がいの仕事では、リハビリテーションの専門職も多く働いています。 リハビリテーションとは、病気やケガ、障がいのある方が社会復帰を目指すために行う訓練のことを言います。 訓練のときに、利用者さんに寄り添いサポートを行っているのがリハビリ…
知っておきたい「65歳の壁」 障がいのある方が65歳を迎えると、介護保険の申請を求められます。これは、障害者総合支援法から介護保険法に移行するための手続きです。一体何が変わるのでしょう。各地では、これまで受けていた障害福祉サービスが受けられなく…
高齢者に多くみられる病気にパーキンソン病があります。パーキンソン病の歩行の特徴には、すくみ足、突進歩行、小刻み歩行などがあります。歩幅が狭く、方向転換や振り返りなどバランスをとることが難しく、歩き始めると止まらないことがあります。 パーキン…
関節リウマチは多くの関節に炎症が起こる病気です。関節の症状と関節以外の症状の2種類があります。女性は男性の4倍多く、40歳から60歳代での発症が多いです。最近では高齢で発症する方も増えています。今回は関節リウマチの症状や補装具、日常生活で気をつ…
介護には知っておくと便利な言葉がいくつもあります。そのひとつが「脱健着患」です。脱健着患は「だっけんちゃっかん」と読みます。 脱健着患とは、病気や麻痺をしている方に洋服を着せるときは「患側側」からが良く、脱がすときは「健側から」にしましょう…
ふたつの失語症の特徴 言葉をうまく操ることができなくなることを「失語」といいます。失語症のタイプは「感覚性失語」と「運動性失語」のふたつがあります。 どの部分が障害されるかで症状の出方が分かります。運動性失語では相手のいうことは理解できるも…
発達障害。その特性には、他人とのやりとりが苦手、コミュニケーションがとれない、極端な人見知りなどがあります。また初対面の人に「その服、変」などストレートにいう……いわゆる空気が読めないのも特徴です。 IQの高い、勉強ができる系のコミュ障でみられ…
日本の障がいの歴史には偏見や差別から生まれた闇もあります。そのひとつが「私宅監置」です。私宅監置とは、精神病やそうだと疑われる人を自宅の一室や敷地内の小屋に閉じ込めておく仕組みです。 かって日本では精神医療も十分に発達しておらず、多くの障が…
介護ではケアマネ(ケアマネジャー)という仕事が知られていますが、障害の分野にも同じような存在がいます。それが「相談支援専門員」です。相談支援専門員は障害児・者のコーディネーター的な存在です。 相談支援専門員は利用者や家族の意向を聞き、自立し…
誤嚥(ごえん)とは、声帯をこえて食べ物などが気道に入ることです。若い人でも飲み込みのときに食べ物が気管に入ってムセることがあると思います。息が詰まったような感覚は誰にでもあるかもしれません。 喉頭蓋(こうとうがい)は嚥下時に気道をふさぐ役割…
知的の障がいは、だいたい18歳までの発達期に症状が現れるといわれています。知的障害の男女比は、およそ1.5:1で男性の方が女性より多いです。原因は、先天性の疾患や脳の障害、遺伝子や染色体の異変など様々です。知的障がいの合併率が高いものとして「て…
令和3年度の障がい福祉サービス 障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の施行から14 年が経過しました。その間に障害福祉サービスの利用者は約120 万人、国の予算額は約1.6 兆円とそれぞれ3倍に増加しており、障害児・者への支援の必要性はますます高ま…
世界初!人工シナプスコネクターの開発に成功 2020年8月、慶應義塾大学医学部などの研究グループが脊髄損傷の治療に効果のある「人工シナプスコネクター」の開発に成功しました。世界初です。研究は、人工的に作り出した「たんぱく質」を注射することで、切…
介護業界で稼ぐには 手っ取り早く稼ぐには「夜専」が一番です。夜専とは、夜勤専従のこと。つまり、夜に集中的に働く介護職です。夜専は派遣の方が多いです。時間が長く、時給も高いので1回の夜勤で3万円以上稼ぐ人も少なくありません。 施設だけでなく、…
1日で筋力は3%低下 高齢になると筋力が落ちやすくなります。一日寝ているだけで筋力は3%低下すると言われています。日常の生活動作(ADL)の維持、また病気のある方は合併症を予防するためにも早期のリハビリは大切です。 高齢者の骨折は、転んだときの衝…
食事と歯みがき 障害支援のひとつに口腔ケアがあります。簡単にいえば歯みがきです。利用者さんの中には「胃ろう」といって、チューブで胃に直接栄養を送り込んでいる方もいます。衛生面や機能低下予防の観点からも口腔ケアは必要です。この記事では障害者の…
脳のはたらき 高次脳機能障害とは、病気や事故などによって脳が損傷し、言語や思考などの高次な脳機能がスムーズに働かなくなった状態をいいます。 障がいが見た目ではわかりにくいことから、トラブルを起こしやすく、誤解も受けやすいです。今回は、高次脳…
コミュニケーション技術として用いられる手法に「傾聴」があります。傾聴を提唱したアメリカの心理学者、カール・ロジャースによると傾聴の3原則には、「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」があるそうです。この3原則の意味をシンプルにまと…
障害のある方への差別は法律によって禁止されています。しかし、先進国に比べて日本の取り組みは遅れていました。障害者への差別解消に向けての動きが加速したのは、東京オリンピック、パラリンピックの開催が決まってからだと思います。 たとえば、2016年に…