ツナガレ介護福祉ケア

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【障がいのケアマネ】相談支援専門員の資格、求人、仕事内容とは~ツナガレケア

介護ではケアマネ(ケアマネジャー)という仕事が知られていますが、障害の分野にも同じような存在がいます。それが「相談支援専門員」です。相談支援専門員は障害児・者のコーディネーター的な存在です。

相談支援専門員は利用者や家族の意向を聞き、自立した生活の実現を支援します。介護でいえばケアマネジャー的な存在の相談支援専門員。実は資格取得に関して、令和2年度から制度が変更されました。

 

 

相談支援専門員の仕事

相談支援専門員は、障害者に対して生活全般に係る相談や情報を提供します。仕事内容には、サービス利用計画書等の作成、モニタリング、関係機関との連絡や調整があります。マスコミにおきかえると、現場で活躍するタレントが介護士であるならば、相談支援専門員は全体をまとめて調整を行うマネージャー的な役割を担います。

相談支援専門員は人手不足

相談支援専門員は、比較的新しい職種です。平成18年(2006年)施行の障害者自立支援法において、相談支援事業の担い手として位置づけられました。必要性の高い仕事であるにも関わらず、人手は不足しています。

例えば、東京都北区では障害者区分認定者数は年々増加しており、平成26年度の1558人に比べ、令和元年度では1774人と13.9%増となっています。これに対して相談支援事業所の数は20余りしかありません。1事業所の支援員の数は、3名以下がほとんどなので絶対数が少ないといえます。

相談支援専門員の勤務先は?

主な仕事先は、指定相談支援事業所、基幹相談支援センター、市町村の役所などです。相談支援は無料で行います。重要な役割を担う相談支援専門員ですが、その存在はあまり知られていません。

相談支援専門員は公務員ではありませんが、準公務員のような位置づけの市区町村もあります。大切なのは相談支援専門員は利用者の味方であるということです。行政に忖度する人ではありません。もし計画書の内容に疑問があったり、相性が合わない場合は、事業所や担当者を変更することもできます。

令和2年からの変更点

相談支援専門員の資格を得るためには主に2つの要件をクリアする必要があります。それは、①相談支援従事者研修の受講、②実務経験(3年、5年、10年)です。

①に関しては相談支援の質の向上を目指すため、令和元年度から令和2年度にかけて制度が大きく変わりました。

 

令和2年度以降の初任者研修  

従来:年2回6日間:講義/演習 

変更:年1回7日間:講義/演習/実習

大きな変更点としては、年2回だった研修は年1回に。研修の日数は1日増えて、実習が加わりました。今後は、介護のケアマネと相談支援専門員を一本化していく可能性もあります。関心のある方は資格取得が難しくなる前に受講することをおすすめします。

資格取得の流れとは

資格取得までの流れを簡単に説明します。

実務経験を有する方は、都道府県等の研修を受講します。申込みから修了証書交付までに約 7 か月はかかります。東京都の流れは以下の通りです。

  1. 申込み:東京都心身障害者福祉センターのホームページからダウンロー ド。
  2. 受講決定:受講決定通知と実習準備の詳細が事業所に届く。選考の上、受講決定。不受講の場合はその旨の通知が届く。研修受講に際し、実習協力者から同意を得る準備を始める。
  3. 研修1日目(講義)
  4. 研修2日目(講義):基礎的理論を学び、ミッションを知る。
  5. 研修3日目(演習)
  6. 研修 4 日目(演習):相談支援のプロセスを体験する。
  7. 実習   (約1か月)
  8. 研修5日目(演習):地域で実践する。地域とつながる。
  9. 実習   (約1か月)
  10. 研修6日目(演習)
  11. 研修7日目(演習):実践研究
  12. 修了証書交付

実習の内容とは?

令和2年度から研修4日目と5日目、研修5日目と6日目の間に実習があります。そのため、期間が長く設けられています。ポイントは「地域で生活している障害当事者の方に実習協力者になっていただく」ことです。つまり実際に障がい者の方を支援していないと研修ができません。

実習では協力者に生活状況等を伺うアセスメントを行い、実習後の演習において受講者同士でアセスメントを共有します。現在、障がい児・者施設等で働いていないと相談支援員の資格をとることは難しいといえそうです。

資格取得の4つの条件

東京都で研修を受けるためには、以下の4つの条件が必要です。

  1. 東京都内の事業所に所属している、又は所属する予定である。
  2. 指定相談支援事業所で相談支援専門員として従事する、又は指定重度障害者等包括支援事業所でサービス提供責任者として従事する。
  3. 事業所からの推薦がある。
  4. 実習に取り組むことができる。

これらを満たして研修を受けることができます。さらに研修を修了しても実務経験の要件をクリアする必要があります。

実務経験の条件とは

実務経験の要件には3年、5年、10年があります。こちらの実務経験をクリアしなければ研修を修了しても相談支援専門員にはなれません。実務経験の要件は以下になります。介護や福祉関連の資格取得要件には「3年の壁」が数多くあります。石の上にも三年・・・という感じでしょうか。

  1. 第1の期間が通算して3年以上である者
  2. 第2、第3、第5及び第6の期間が通算して5年以上である者
  3. 第4の期間が通算して10年以上である者
  4. 第2から第6までの期間が通算して3年以上かつ第7の期間が通算して5年以上である者

今後、相談支援専門員はどうなる

相談支援専門員の研修制度の見直しは、現行のカリキュラムの内容を充実させるために行われています。実践力の高い相談支援員を要請することが狙いですが、資格取得のハードルは高くなっています。しかし発達や精神など障害のある方は増え続けており、確実に需要のある仕事です。興味のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。本日もありがとうございました。

 

 

参考文献

厚生労働省「相談支援専門員研修制度の見直しについて」

相談支援専門員の要件について